K-POP、ジャニーズ…ヒット曲を情報としてでなく体験として認識できるかは自分次第

ヒットチャートに不満がある場合の多くは、自分にとってヒットしている実感がない曲が並んでいるときだと思います。そんなとき、実際には不正など何もないのに、特定のアーティストをひいきしているとか集計方法がおかしいとか思ってしまう場合があります。そしてそれは、巨大かつ特殊なファンダムが形成されているジャンルにおいてほど発生しやすいと思います。典型的なのはジャニーズ、アニソン、K-POP。

自分自身そうだったことに気づかされたのは、Billboard Global 200が創設されそこに、自分が勝手に抱いていたイメージとはまったく異なるTWICEの姿を見たときでした(「TT」で記憶が止まっていた)。過去に何度も紅白歌合戦にまで出場しているTWICEにもかかわらず、左から右に素通りしてしまう情報としてしか捉えられていなかったというか、自分には縁のない世界だとシャットアウトしていたことにびっくりしました。その曲がこちら。

去年の10月に発表された「I CAN'T STOP ME」はK-POP色がほとんどないどころか、The WeekndやDua Lipaを中心としたレトロなディスコサウンドのリバイバルの流れにぴったり乗っかっていて、それゆえに壁を突破してヒット曲として実体験することができました。ほぼ同じタイミングでBLACKPINKも、シンディローパーの「Girls Just Want To Have Fun」を彷彿とさせる新曲(今夏にJapanese Ver.がリリースされる)を出していましたが、どちらもビルボードのGLOBALチャートという切り口がなければ私に届かなかったかもしれず、私のdig対象フィールドを拡大してくれたことについては、何度noteを書き続けても感謝しきれないほどです。

ただおもしろいことに、今までずっと彼女たちの音楽をリスナーとして聴いていた層の中では、こんな路線は違う、物足りない、メンバーの魅力を発揮できていないというまったく逆の反発が起きているようです。その現象は、TWICEの直近のリリースである「Kura Kura」や「Alcohol-Free」において見られました。ICSM新規の新参者からすれば、出される曲すべてが楽しすぎてどうしてこの世界をもっと早く知っておかなかったのかと後悔するほどですが、K-POPはかくあるべきと頭が固くなってしまうと自称ファンでさえ路線変更を受け入れられなくなってしまうのが悲しいところです。

ジャニーズに関しては、Sexy Zoneの「RIGHT NEXT TO YOU」という全編英語曲の存在が大きかったです。残念ながらサブスク解禁されなかったため限定的な拡散にとどまってしまいましたが、それでもリリース直後の、非ジャニオタ界隈の盛り上がりは大変なものでした。だから私にまで届いたのですが。

それ以降はdig対象に自然にTWICE, BLACKPINK周辺や一部ジャニーズ勢も加えることができるようになり、自然にこれまで関わることのなかったジャンルのアーティストを知る機会も増えていきました。私が毎週つけているオリジナルランキングの最新週のTOPはK-POPの最前線、昨年デビューしたばかりのwoo!ah!の3rdシングル「Purple」になっています(一週前がTWICE「Alcohol-Free」)。ルックスに反した低音でパンチの効いたボーカル、そして完全に聴き飽きたはずのEDMサウンドなのに新鮮に聞こえる、まだこんな遊び方が残っていたのかというバックトラックの音作りに魅了されてしまいました。


その他最新のランキングはSpotifyでプレイリスト化しています。今回のnoteでは言及しなかった小林私やCody・Lee(李)などの邦ロック最前線の楽曲も引き続きウォッチ対象にしています。


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