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2021年11月の記事一覧

憂鬱のサイズを計る。

憂鬱のサイズを計る。

やる気がでない。
やらなきゃならない
ことが憂鬱。
どうすればいいの?
子ぐまが訊いた。
クマが答えた。

タイマーをかけるのさ。
たいがいそんなに
時間はかからない。

渋滞に入ると絶望するけど
解消まで5分と聞くと絶望しない。

ひとは憂鬱を盛っている。

憂鬱のサイズを計るのさ。

その間、悲しむのをやめなければならない。

その間、悲しむのをやめなければならない。

きみがどんな闇の底にいても
じっと待っていればいい。

やがてそれはあらわれ
通りすぎる。

その間、音をたててはならない。
その間、悲しむのをやめなければ
ならない。

それはきみの独善的な悲しみより
尊いものだから。

そしてきみは思う。

自分の神話を
信じていて良かった。
#ドライアド_

そろそろ冬のピアノが生えるころ。

そろそろ冬のピアノが生えるころ。

森のあちこちには
ピアノが生えている。

そろそろ冬のピアノが生えるころ。

きのこやいちごみたいに
見つけにゆく。

それはピアノのかたちを
していないかもしれない。

シダの葉を弾いてみてたら
音がするかもしれない。

真実はいつも真実のかたちを
していないかもしれない。
#ドライアド_

物語たちを自由にする。

物語たちを自由にする。

本を開いて
物語たちを森で遊ばせてあげる。
本から自由になった物語たちは
森で遊ぶのが大好き。

わたしはみんなが
好きなように遊んでいるのを
見ているのが大好き。

ひとしきり遊んだら
物語たちを抱き上げて
本に帰す。

物語たちは子うさぎみたいに
あたたかくてやわらかい。
#ドライアド_

ここはあなたの森だから。

ここはあなたの森だから。

深い森の奥で
わたしは
椅子を飾ったり
ピアノを弾いたり。

同意も意味もいらない
ただ好きという儀式に
没頭する。

ここはなにも消費されない。
繰り返し草や蔦は若く薫る。

いつでも帰ってきてね。
いつでもいるから。

ここはあなたの森だから。
#ドライアド_

どんな時も幸福はある。

どんな時も幸福はある。

どんな時も
幸福はある。
上手くいかない時も間違った時も。
独りの時も死にたい時も。
まぶしい幸福がある。

どこかに気の合うひとがいる。
たくさんいなくても
ひとり出会えたら奇跡。

不幸と幸福は共存している。
この不幸をゆこう。
まぶしい幸福に
たゆまなく感謝しながら。
#ドライアド_

家族で好きなお話があるということ。

家族で好きなお話があるということ。

母が来たので
洗い物の手を止めて
録画してあった
アンという名の少女をつけた。
ソファで見ていた。
以前は祖母にアニメの
赤毛のアンを見せた。
静かな音で洗い物を続けた。

家族が好きなお話があるのは
とても幸せなことだ。

雨の誕生日の週末。
母はうとうとしている。

5年分のワクワク。

5年分のワクワク。

この5年で、

12冊の本と
6個のCD+BOOKと
11個のCDを発売した。
曲は380曲ほど発表した。

不思議。

いつもワクワクしながら
つくる告知ビジュアル
127枚を集めた
グラフィック本をつくっている。

こうゆうのつくりたかった。

5年分のワクワク。

まだ一回の表。

まだ一回の表。

子ぐまに #お洒落なオカマのキツネ が言った。

くらっちゃうことって
あるわけよ。
生きていればね。

でもそれ、野球で言うなら
一回の表なのよ。

あたしらは
わかったわかったと受け止めて
次の反撃に取り組むわけ。
あたしらなりの
バッティングフォームで。

願ったり探したりすることで、身体の準備が整う。

願ったり探したりすることで、身体の準備が整う。

理科のヤギの先生が言った。

よく、願えば叶う
なんていいますね。

これはですね
願ったり探したりし続けることで
こちらの身体の準備が
整うので、出会いやすくなるんですね。

逆に言うと願ったり
探したりしなければ
出会いすらしないのです。

嫉妬はする?

嫉妬はする?

嫉妬はする?
子ぐまが訊いた。
クマが答えた。

嫉妬しかしないよ。
あーこりゃかなわん
っていう表現するひと
たくさんいる。

でね、しかたないから
自分のことやりきるのさ。
ボクの何もなさを
燃え上がらせて。

草が育つように慢心が育つ。

人形が言った。

こころには
草が育つように慢心が育つ。
年とともに枯れづらい。

自分を大事にするのと
慢心はちがう。
自分を大事にしたいなら
自分に厳しくする。

以前誰かが言っていた。

本当のともだちは
嫌なことを言ってくれる。

痛みを予測して
ひんやりとした
冬枯れの野を行きなさい。

ただ今日のトラブルに取り組むだけ。

ただ今日のトラブルに取り組むだけ。

きつねは思った。

おれはついてる訳でも
ついてない訳でもないな。

ただ今日のトラブルに取り組む
だけだな。

きつねは額装した写真を見ながら
良い薫りのお茶を飲んだ。

トラブルがあり不幸があり
生きる余力がある
いつもと変わらない
静かな夜だった。

困難への対処法をいくつか知ってる。

困難への対処法をいくつか知ってる。

樹木がきつねに言った。
困難だからって
あまり騒がない方がいいよ。
幸せな方が不安じゃないか。
あんたはこの困難への
対処法をいくつか知ってる。
口笛で吹けるうたも
いくつか知ってる。
あんたは人生の森に
根ざした雑木さ。
風があんたの髪を梳かす。
あんたはあんたなりに
冬に茂る。