蓼原 憂 - Ui Tadehara -  

眼と眼と眼、愛づ。 滲む境界線は僕らをひとつにした、すきもきらいもぜんぶ頂戴。

蓼原 憂 - Ui Tadehara -  

眼と眼と眼、愛づ。 滲む境界線は僕らをひとつにした、すきもきらいもぜんぶ頂戴。

最近の記事

◾️求 : 親愛のハグ(触れるの許可について)

 人の恋愛観を訊くのが好きだ。いや、恋愛観と縛ってしまうのは勿体無いし御門違いかもしれない。もっと人類愛的な広い視野のことでもいいし、私とその子の二人だけの関係性、ミクロなものでもいい。   先週は大学時代の友人とそれぞれ数名とサシで会う機会に恵まれた週であった。展示を観たり、ご飯を食べたり、或いは少しファミレスに立ち寄ってくれたら気づけば4時間が経っているなど学生の頃に引き戻されたような心地の日もあった。いずれも時の流れははやく、しかし地続きでもう少しだけ、とともにいる時間

    • 貴方のお気に入りのお店——譲れない一品はありますか?

       こんばんは、夜分遅くに書いてます。  新卒で入った会社、営業職に属するポジションで勢いで突っ走ってがんばってきた結果、潰れて絶賛人生のモラトリアム第二弾中の蓼原ちゃん。絵描いたり文章書いたりで、何かを取り戻したい気持ちはあれど表現したいこと・その突き動かされるようなエネルギーがなくて、布団でへばってる。今あのときと似てて嫌だなあって思う時期が二つあって、そのうちの一つが今から書く初期。今日はもう3年以上前の話を少しだけ。  社会に出た今となれば大したことでもなかったんだけ

      • このシュートが決まったら、

         とある告白のシーンで、「このシュートが決まったら俺と付き合ってくれ」ってあると思うんですが、これは両片思いであることが確定している事由でしか起こり得ないんだろうか、と最近疑問に思うようになりました。だって、言われた側は何ひとつできることがない、拒否権がない、ディフェンス? していいの? ができるならまだしも、そういったわけではないでしょう? となると、やはりこれは受け身な恋愛・話となる。あくまでもアニメですとか、創作ベースの話だと仮定しても、なんだかなあ、男女どっちがとかで

        • 字幕付きの夢——公募展「無現夢」に寄せて

           今日は先日行われたグループ展へ出展した作品について綴ろうと思う。基本的に、作品は観たままを感じて欲しいし、正解などないので、あくまでもこれはわたしの思考で、参考程度。作品の横に載っているキャプションのように、ふーんと読み流して欲しい。 ・蟒蛇について  今作のタイトルは蟒蛇(うわばみ)という。言わずもがな、「星の王子さま」に登場する、象を飲み込んだ、帽子みたいなあのウワバミである。今は亡き、星の王子さまミュージアムという場所が、わたしは凄く好きだった。王子と薔薇、キツネ

        ◾️求 : 親愛のハグ(触れるの許可について)

          鼻のない自画像

           私は昔から絵を描くことのすきな子どもだった。いや、好きだったわけではないかもしれないが、少なくとも外に出るよりはマシだと思っていた。  幼稚園の遊具で遊ぶ級友を尻目に、スケッチブックに8色程度の原色しかないマーカーを走らせていた。ジャングルジムに登って降りれなくなったり、眼前に虫を突き出されたり、幼少期の私にとって外とは危険そのものだった。室内にも危険がないわけではないが、それでも基本的には想定できる事象以外は起こらなかった。決まりきった物語をなぞることを良しとしていた。

          還り道

           虫は幼い頃から苦手だった。特にこれなら大丈夫というものはなくて、バッタ、カマキリ、てんとう虫、蝶、蝉、甲虫、トンボ。何から何までだめ。蜘蛛だけは潰しちゃだめだよ、と母がいうから、がんばって透明なケースで捕まえて家の外に出すけれど、本当ならぜんぶ誰かに片付けてほしいし、ぜんぶいなくなってくれないかな、なんて思っている。 「きっと虫だって、人間に対してそう思ってるよ」  母は言う。上等だ。やれるもんならやってみろ。そんなふうに思うが、ある日突然でっかい虫が人間のことを喰らったり

          今、戀してる?

          「今、戀してる?」 これはTwitter(現在のX、わたしはこれほんときらい、あいらゔツイッター)の投稿画面に出てくるあれ、「今、どうしてる?」を真似たもの、 或いは今流行りの「あのね、今、恋に落ちている🎶」(貴方の恋人になりたい/チョーキューメイ)かもしれないけれど、恋、してますか、って。 私の恋人、とってもかわいい人です。 あんまりね、特定されてしまうのもあれなので、多くは書きません。けれど、私にはないものを持っていて、頭の回転が早くて、興味が移ろうのも早くて、でも

          ネクロフィリア的思考

          人間は喋るから憎たらしく、 死体は沈黙を貫くから美しい。 わたしの友人は死んだ。病気だった。 4年か、5年前のこと。私がまだ大学生の頃の話だ。 コロナが流行するよりも前、彼女はこんな世の中になることも知らない。志村けんが亡くなったことも、嵐が解散してしまったことも知らない。 彼女が入院をしていることは知っていたが、3ヶ月もICUにいたことは知らなかった。成人式にも出られなかった。通夜の日、彼女は柩の中で振袖を身に纏っていた。 彼女の死をモチーフに、このやり切れなさを主題に

          ネクロフィリア的思考

          年中喪中

          失恋って相互関係だと思う。だからわたしは今日も振られました。事実としてはわたしがそれを言い渡したのだけれど、わたしが振られたかのようなきもちです。前にもそんな記憶があった気がします。相互関係だというのには、それが最後の共同作業であって、そのときの最適な解を導き出して、双方合意の上での結論、それがふたりの別れになった、というだけの話だから。 そうやって人生には数多の別れがあって、それが明日もある別れなのか否か。またね、とじゃあね、の違いはそこにもあるのかもしれない。 わたしは

          長髪を愛でる。

          先日、さるおんなさんとのコラボ作品として、わたし・蓼原が作詞を担当させていただいた「結髪」が公開されました。歪みとかけて、ゆがみと読みます。 有難いことにラジオやテレビでも取り上げていただき、自分のかかわった作品をこのような形でみるのはなんとも不思議な感覚に陥ります。わたしであって、わたしでないような。 今回は髪について、わたしの思考(嗜好?)をつらつらと。 髪というモチーフを用いることになったきっかけは、髪を拾って保管することがひとつの愛情表現になり得るということを知った

          忘れじの笑み

           笑うことは難しい。  かわいく見せたい。そう思うとき、私はうまく笑えない。本当に腹を抱えて笑ったとき、目は三日月のように細くなり、頬の肉で見えなくなってしまうし、気を抜くと口も覆わずに手を叩いて笑う。でもそうじゃなくて、例えば集合写真に写るときとか、私一人の写りなんて気にしていられない、一発で決めなければいけないとき。私はぜったい引き攣った笑みを浮かべている。後から写真を見返すと笑いきれていない微妙な顔に腹が立つ。どうせならちゃんと笑え。そうでないなら、目は開いたまま、口角

          The chopsticks broke……

           箸が折れた。プラスチック製のピンク色の箸。ピンク色は仄かに透けていて、シルバーのラメが散りばめられている。つるつるとした表面はどこまでも丸く、箸置きがなければいつもテーブルの上を転がっていた、私の箸だ。  箸が折れたのは何故だろうか。食器洗い機に雑に突っ込んできたせいかもしれないし、長年使っていれば劣化だってする。元々安物っぽかったし、さして気に入っていたわけでもないのだけれど、私の手元でそれがぽきりと折れたとき、私は酷くショックを受けた。箸は中央から折れ、一膳の箸はちぐは

          The chopsticks broke……

          占い師なんて知らないし。

           今回は蓼原 憂という名について書こうと思う。今更ながらなんともめんどくさい名前を付けたもんだ。画数が多くて太いペンでは潰れてしまうし、まず「蓼」の字が読めない人多数。たではらと申します、たではらうゐです、どうか御贔屓に。  身内に占い師がいる。姓名判断と手相だけだが、私も何度か見てもらったことがある。  私の本名——憂は本名ではないので——もその人に文句を言われないよう両親が付けた。その為、苗字+名前の画数が良くて、誰にでも読める名前となったが、まあ至って平凡。おまけに学

          占い師なんて知らないし。

          境界の在り方、最果タヒ。

           彼女の詩集を読んで、何度かnoteを書こうとしたことがあるが、毎度失敗している。終着点が見当たらなくなって、綴るまでもないと消す。  わたしは彼女との距離がうまく取れない。こんなふうにことばを操れたらいいと思うのかもしれないし、新しいことに度々チャレンジしているようにみえることを羨んでいるのかもしれない。どう考えても他人なのに、他人に思えないのだ。(彼女は誰に対しても適切な距離をとっているので、紛れもなく他人なのだが) ——————————————————  時間は区切

          境界の在り方、最果タヒ。

          メロンパンナちゃん

          「メープルメロンパン焼き立てです。如何でしょうかー!」  私は二ヶ月ほどパン屋でアルバイトをしていた。怪我をしたことで店先に立てなくなり、社員と折り合いが悪くなったため辞めた。少しの間だったが、パン屋に勤めたこと自体に後悔はしていない。熱い鉄板から、まだ柔らかく脆いパンをトングで掴み、トレーに乗せる瞬間と、バターの甘い香りが漂う店内を私は忘れない。店の一番人気はメープルメロンパン。トレーに移した直後、個数制限を設けていたにもかかわらず、お客さんに、メロンパンもうないの? と度

          メロンパンナちゃん

          最後の晩餐

           最後の食事は何が食べたいですか?  この話題って幼い頃から何かと問われる気がします。本当に死が迫っていたら、それどころでないというのに。まあ、それは置いておいて。私はまだその答えは見つかっていません。やっぱり好物が食べたいのでしょうか。食べることに消極的な質のわたしは、好物が何だったか、すぐに思い出せません。食べられないものは少ないのでパッと思い浮かぶけれど、好きなものとか、今何が食べたい? と問われて、すぐに切り返せない。食に於いて気分もあまりないのです。脂っこいものが食