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言葉に力がある人は何が違うのか

ある人と話をしていたとき、
言葉に力があると言われたことがある。

自分自身としては特に力を持たせるために何かをしたわけではないし、
力によって何かを変えようと思って発しているわけではない。

ただ、同じ言葉だとしても、
琴線に触れるときもあれば、
逆に気分を害することだってある。

「言葉に力がある」とはどういうことだろうか。

重みがある

言葉の重みとはなんだろうか。

きっと嘘偽りのない実体験なんだと思う。

人から聞いた言葉を紹介されたとしても、
その人の実体験ではないため、
そこに重量感は出てこない。

聞いた話、想像の域を出ない話というのは、
「軽い話」になってしまう。

夢に向かって真剣に取り組んだことがないにもかかわらず、
「夢はないのか?」
「覚悟を決めろ」
なんて言ったところで、
なぜかわかってしまう。

一点の曇りもない実体験だからこそ、
同じ言葉だとしても、重みが出てくる。
想いをもって取り組んだ経験から紡ぎだされる言葉は、
重みがある。

自身の実体験と目の前の人の情況を重ね合わせ、
飾り気を持たずそのままの想いが発せられたとき、
言葉に重みを感じるのだと思う。

言葉の重みというのは、想みだ。

「昔はこうだった」なんて
やらされた経験からの昔話や
何かに耐えた苦労話が面白みに欠け、
想いをもって取り組んだ思考や体験の話のほうが、
何倍も興味深く感じるのは、想みがあるからだろう。

もちろん、成功や失敗ではない。
想いがあったかどうかで、
ズシンと重みがあるかどうか決まる。


厚みがある

自分の言葉ではなく、
借りてきた美辞麗句だけを並べても、
言葉に力を持たせることができない。

何を言うかという言葉のチョイスも大切だが、
どうやって伝えるのか、という部分も大事だ。

言葉を知っている、知らない。ではない。
その瞬間に伝えたいという熱量がどれだけあるのか、ということだ。

言葉の厚みというのは、熱みだ。

想いの強さ、熱さというものがないと、
同じ言葉だとしても、なぜかエネルギーを感じない。

熱量を持つというのは、誰もができることではない。
熱量を持ち続けるというのは、誰もができることではない。

だからこそ、継続して何かに取り組んでいる人、
長く取り組んでいる人の言葉というのは、
厚みがあって、熱みを帯びるのだろう。

薄っぺらい借り物の言葉を使っても、
熱量が感染することはない。

言葉は手段であるから、
熱量を持たないことにはやはり、
言葉の意味以上の厚みは生まれないのだ。


深みがある

浅く広く、ではなく、
一点突破で深堀したスペシャリストは、
言葉に深みが生まれる。

中途半端に表面をつつくくらいでは、
深みのある言葉は掘り起こせない。

掘り込んで打ち込んで、
見えない自分の可能性まで掘り起こした人が、
独特の表現を用いて言葉を紡ぎだす。

当たり前のことを言っているようで、
不思議と価値を持つ。

言葉の深みというのは、付加みだ。

みんなが知っている、わかっている言葉かもしれないけれども、
その人の想いや熱量が付加されて、
より言葉に力を持たせる。

そして、受け手のその瞬間の情況によって、
その人なりの意味づけが付加されて、
より深みのある言葉になる。


大切なことは、
自分の口から
自分の言葉で
自分の考え
を伝えることだ。

想いをもって、
熱量をもって、
深く深く、打ち込んできた人が紡ぎだす
飾ることない言葉というのが、
力を持つのだと思う。

それは借りてきた言葉ではない。
誰か有名人が言った言葉ではない。

成功している人の言葉が響くわけではない。
失敗した人の言葉が染みるわけではない。

ただ、偉人と言われる人たちは、
尋常じゃない量をこなして、
想いと思考を巡らせて、
やり切ってきているからこそ、
ツールとしての言葉に力を持たせることができて、
たくさんの人の心の奥を深堀し
たくさんの人の心を熱くし
たくさんの人の心にズシンと響く
言葉を残すことができるのだろう。

もちろん、偉人と呼ばれるような本の中の人ばかりではない。
本気で、覚悟を持って、
熱中し夢中になり打ち込んだ経験がある人は、
社会的に言われる地位や名誉を持たなくても、
言葉に力を持っている。

まとめ

言葉というのはツールの一つであることは間違いない。

なんなら、文字というのは音と意味を持っているだけだ。

そこに力を持たせる、というのは、
やはり発する人間によって程度が変わってくるのだと思う。

軽薄な生き方をしている人が重厚な言葉を発することは難しい。
表面をなぞるような浅い取り組みしかしていない人が、
深みのある言葉を発することは難しい。

やはり、なんでもいいから、
何か一つでも自分の意志でやり切ったという経験をしておきたい。

そんな人の言葉は、きっと
一点の曇りもなく、
嘘偽りなく、
琴線に触れるのだろう。

言葉に力を持たせようとするのであれば、
まずは一点の曇りもなく、
自分に対して噓偽りなく生きることだ。

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