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超絶おススメ!絶対に上達する〇〇トレーニングとは?

毎日スタンドFMというアプリを使って、
音声を配信している。

本当に気軽に、
朝起きて、「何をしゃべろうかなー」と考えて、
のほほんと配信しているものだが、
しゃべっているうちに、とっちらかって
話があちこちに行くこともあれば、
自分の中でも整理されていくこともある。

その中で、「指導者のセンス」についてリクエストがあったので、
書いていきたいと思う。


1+1:1の攻防練習

まずはトレーニングの紹介をしてみる。

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通常の1:1のトレーニングは
OF一人、DF一人で、動かないパサーからボールをもらって行うのが、
最も一般的かもしれない。

今回はシュートは打てないけども、
パスとブロックをしてもよい、
という選手を置いた。

パサーが動くだけでDFの負荷は高くなる。
パサーがブロックにはいるだけで
DFの負荷はかなり大きくなる。

OFとしては、そのパサーからのパスを受けて、
どうやってDFを突破するのかを考える。

この設定にするだけで、
DFの正面に入ってフェイントするという1:1の場面は
かなり減少する。

なぜならば、DFが待って構えているだけだと
ブロックにかかることが多くなり、守れないからだ。
だから、ボールを入れないようにタイトにOFにつく。
OFはいい状態でボールをもらうことが難しくなるので、
動きながらボールをもらう前にDFをかわそうとする。

そこで、パサーをうまく利用する。
パサーをそのままブロックとして利用して、
それに対して動き出す。

DFは1:1だけではなくて、
ブロックも気にしながら自分のマークを視野に入れ、
1:1を守らなければならない。

攻守ともに、運動量を上げないことには、
攻めきれないし、守ることができない。

なおかつ、ゴール正面の平面の部分ではなく、
2枚目のDFあたりのゴールエリアラインの曲線部分を使うことで、
ブロックがかけやすくなり、
DFの視野の確保が難しくなる。
強度の設定もできる。

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スライド1

2:2の攻防

次に行なったのは、
2:2のマンマークでの攻防だ。

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画像のように攻守のどちらにもビブスを着させて、
ビブス有の人は有りの人しか守れない。
ビブスなしの人はなしの人しか守れない。

という条件設定をする。

OFの二人がパラレルアタックをしているだけなら、
DFの関係性は変わらないが、
クロスの動きをしたときに入れ替わるようになる。

DFのスイッチを制限しているので、
マンマークで守らないといけない。
そこでの運動量が大事になるが、
自分のマークだけ追いかけてDFラインにギャップ(段差)
を生じさせてしまうと、
1:1の範囲が広くなり、DFとしては難しくなる。

自分のマークにいい状態で1:1をさせない、
けれども、隣のDFとの関係性を保ちつつ、
適切なDFラインのコントロールをしなければならない。

OFとしては、自分がいい状態でボールをもらえるように、
DFを観察しなければならない。
そして、マークを外す動きをしながらボールをもらわなければならない。
自分だけのタイミングでもダメだし、
味方に合わせながらも、対峙するDFを突破しなければならない。

そこでDFラインのギャップができているのであれば、
そこは走り抜けるなり、フェイントをかけるなりして、
突破していくことになる。

観察と動き出しが重要になってくる。

スライド2

3:3の攻防

2:2の攻防練習の発展形として、
3:3の攻防をした。

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しかし、それぞれがマンマークで固定するのではなく、
一人だけは自分のマークに加えて誰を守ってもよい、という条件にした。

2:2の攻防までは1:1を突破しても、
基本的にフォローによることができないので、
すぐにプレイが完結していたが、
誰を守ってもいいというフリーマンを置いたことで、
一人抜いたとしても、フォローが来たり、
クロスアタックに出たりして、
プレイが継続して発展していくことになる。

ここでDFは考えないといけない。
特にフリーマンになった選手は、
自分のマークにやられないことはもちろん、
隣のマークも視野に入れながら、
フォローやクロスアタックに行くべきか、
そのまま自分のマークを取るべきかを考えないといけない。

設定どおりに自分のマークだけ取っていては、
3:3の攻防に関してはかなり難しくなるはずだ。

勇気を出して、自分のマークを捨ててフォローに行く。
クロスアタックにいく。
そのタイミングを考えるようになる。

OFとしては、
ポジションチェンジをしながら、
相手DFを揺さぶりながらも、
フォローマンがどこにいるかによって攻撃の方向性が変わってくる。

例えば、運動量の多いDFでけん制をかけながら
クロスアタックに来るようなDFをする相手に対して、
同じように攻めていては相手のやりたいDFになってしまう。

じゃあ、どうやったらけん制に出られないようになるのか、
ということを考える。
どこの位置にいたらけん制に出にくいかを考える。
けん制に出ることが関係ない方向に1:1を仕掛ける。
そもそも、けん制に出る選手を攻めたら、
クロスアタックにストレスを感じることがないかもしれない。

けん制に出られないように位置を取る。
けん制に出られない方向にプレイを展開する。
けん制に出る人間に対して強い1:1を仕掛ける。

などをOFが考えるようになると面白い。

スライド3

絶対に上達するトレーニング

タイトルにもあるように、
絶対に上達するトレーニングというものは、
基本的に存在しないと考えている。

それがあるのであれば、
世界中のだれもがやっているはずだ。

トレーニングというのは、手段でしかない。
目的があって、どんなやり方をするのかという手段だ。

目的を達成するために、
手段がたくさんあるように、
どれを選んでも、目的を達成できればそれは間違っていない。

その手段として、
どう設定をするのか、
どういう制限を設けるのか、
というところが指導者としてのセンスになると思う。

なぜならば、同じトレーニングをしていても、
どこにフォーカスしていくのかによって、
トレーニング効果は変わってくるからだ。

トレーニングは手段でしかない。

それに対して、
どう意味づけをするのか、
どう価値づけをするのか、

それは指導者のセンスだ。

ちなみに、今回紹介した1+1:1と2:2の攻防に関しては、
私自身がハンガリーのチームにいるときに経験したものだ。

その時はハンガリー語で説明だけされているし、
トレーニングをするので精いっぱいだったが、
思い返すと、「こんなトレーニングにもなる。」
「こんな意味もある」と考えることが多い。

当時の監督が何を意図しているのか聞いておけばよかったのだが、
それらを経験して、自分なりに答えを出すというのも、
それはそれで自分なりの解を出すことになっていいのだと思う。

逆に正解を教えられていたら、
いま、その正解を求めていて、
自分なりの解をもたなかったのかもしれない。

そんななかで、フリーマンを一人置いたらどうなるんだろう。
というひらめきで3:3の攻防を実験的にしてみた。

なぜ、これらのトレーニングをしたのかというと、
運動量がある中での攻防がしたかったからだ。

運動量をあげるためにどうしようかと考えた時に、
記憶の中にあったこのトレーニングを選択に過ぎない。

価値づけはあとからでも遅くはない。


まとめ

タイトルにあるように、
絶対に上達するトレーニングがあるとすれば、
自分で考えて答えを出せるトレーニングになるのかもしれない。

方法論も正解も与えられたトレーニングではなく、
自分で考えるように促す。
考えないとできないような設定にする。

自分で考えて出した一つの答えが、
うまくいったときも、うまくいかなかったときも、
それは成果になる。
その過程は成長になる。

考える、思考するという成長を担保にして、
できた、できなかった、ちょっとだけうまくいった、
なんだかうまくいきそうな気がした、
という成果を実感できるのであれば、
それは絶対に上達するトレーニングになると思う。

指導者はその瞬間を見逃してはならない。
その瞬間を焦ってもいけない。

絶対に上達するトレーニングとは、
選手自身が考えて、
その時なりの、その人なりの解を出したときに、
初めて肯定されるものだからだ。

その人なりの解を出したとき、
その人なりの解が見つかったとき、
ビッグハグをしてあげたい。



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