泡沫

昨日の夜中に酔っ払って書いたnoteが消えた。
完成してすぐにバグでアプリが落ちた。
なかなかいいのが書けたと思ったんだけどなぁ。

あ、最近毎日お酒飲んでるな。
ほろ酔いにならないと寝れない。
コスパ最悪じゃないか。

昨日のnoteの内容覚えてるかな。
もう一回書いてみようかな。
でも全く同じものは二度と書けない。
それが分かってるから悔しいんだ。

例えば私がもし今死んだとして
私の代わりはこの世に腐るほどいるだろう。
でも私と全く同じ人は一人もいやしないんだ。

同じようなもの、と同じもの、は違う。
なのに私はいつも同じものを求める。
そして同じようなものに騙される。

昔、素晴らしい短編小説があった。
それはある少女が書いた初めての小説だった。
ネットで見知らぬ人に絶賛されたりもした。
けどその小説はもうどこにも残っていない。
少し年を取った少女はその小説を思い出した。
残念ながら内容は正確には思い出せなかった。
ただ、タイトルだけは鮮明に覚えていた。
そこで少女は全く別の小説を書くことにした。
あの時と同じタイトルの素晴らしい小説を。
けれどその小説はとてもつまらなかった。
誰もが感動する素晴らしい小説を書きたかったのに。
設定もちぐはぐで修正点も山ほどあった。
少女は酷く落ち込んで自分に嫌気が差した。
どうしてこんなに文才がないのだろうと。
今なら過去の自分を超えられるはずなのに。
せめてあの小説と全く同じものが書ければ。
無理だと分かっていても執着してしまう。
かつての賞賛と喜びを忘れられなかった。
今の自分と過去の自分は違うのに。
少女は書く事も思い出す事もできなかった。
なのにきっぱり忘れる事もできなかった。

その少女は私だった。
未練がましく半年も書いては消してを繰り返してる。
自分で読み返しても面白いと思えないものを。
過去を精算するために利用しようとしてるんだ。

大人ってつまらねえな。

あの頃は純粋に書くことが好きだった。
それを誰かに読んでもらえるのが嬉しかった。
小説家になれるよなんて子供騙しに舞い上がった。

それが今じゃどうだ。
誰にも読まれない文は書く気も起きない。
自分の気に入ったものを人にも気に入られたい。
好きって言われないとモチベーションがどうの。

私の言葉を誰かに届けたい。
なんてのは上っ面だけでさ。

私の言葉を誰か評価して。
ってのが本音なんだろう。

別にそれが悪いわけじゃない。
結果として少しでも誰かの力になればいい。

でもあの頃みたいに楽しんでるか?
心から書くことが好きだと言えるか?
そう思って書いた文がここにいくつある?

発散のため、気持ちの整理のため。
そうね、それも悪くはない。
けどそれは全部自分のためのもの。

その文であなたは人に何を伝えたいの?
自分のためだけの文が他人に響くの?

そもそも私は何を書きたいの?

また。自問自答。
自分を責めるだけの無駄な時間。
何度も何度もしつこいくらい繰り返す。

答えが出ないとわかってる。
好きだから書いてる。
伝えたいことなんて無意識に出てくる。
それ以上でもそれ以下でもないのよ。
ただ、それだけ。

ぐるぐると渦巻くその思考が邪魔。
どこかで絶ち切ってしまわないと。

ああ、そうか。
大人になったのかな。

考えることも
悩みとか責任も
死にたくなる回数も
一人で静かに泣く夜も
辛くてお酒に頼る日も
少しずつ、でも確実に増えていく。

嫌なことばっかりじゃないけど
自由の対価には責任があって
対価を支払うことから逃れてしまったら
あとは死ぬように生きるしかないんだ。

きっと社会はそういうふうにできている。

のらりくらりと逃げ回ったって
上から見てるだけの神様は
どっかでツケが回るように仕組んでる。
助けてほしいときにゃ助けてくれんのに。
妙なとこだけきっちりしてんだろうな。

神様がいようがいまいが関係ない。
だってどうせ見てるだけなんだから。
いてもいなくても変わりゃしない。
信じるか否かもその人次第。

私は別にどっちでもいいかな。
でももしいるならいっこだけ。
お願いを聞いてほしかったな。

こんなくだらない人間を作らないでって。

もうここにいるんだから今更だけど。
産まれちまったもんは仕方ないから。

みっともなく足掻いて藻掻いて生きるよ。
全部いつかは忘れるんだから。

美しくなんてないダンスを踊るよ。

神様の言うとおりに。


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