Megumi E_C costumiere

パリとその近郊で、舞台衣装家活動中。ヨーロッパの歴史的衣装を専門に、コンテンポラリーや…

Megumi E_C costumiere

パリとその近郊で、舞台衣装家活動中。ヨーロッパの歴史的衣装を専門に、コンテンポラリーやアジアンまで扱うジャンルも多々。 フランスでのお仕事のこと、舞台の事、フランスライフまで色々と綴って行きたいと思います。

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自己紹介

フランスで舞台衣装家をしています、megumi です。 舞台衣装家をどのように志し、渡仏し、どんな舞台を手掛けて来たか。 思い出しつつゆっくりと綴っています。 略歴日本で活動後、1996年、パリとその近郊に場を移し、舞台衣装家として活動を開始。 ストレートプレイ、オペラ、バレエ等ジャンルを問わず製作。 2008年、ボルドー国立オペラ劇場アトリエシェフ就任、バレエ座頭市、ドンキホーテ、オペラジェネトリックス、ファウスト等を手がける。 ヨーロッパ近代&古典衣装の他、アジ

    • Giselle ジゼル

      アトリエで、嫌われている衣装の演目があります。 それがジゼル。 普通じゃ考えられないレベルで、ジョーダンジャナイテクニックを必要とするのです。 つまり、説明が大変だから社員に負担がかかってくる案件🖐🏻 パリオペラ座で、現在のジゼルが初公開されたのは1997年。 実はそのクリエーション中、国家資格取得準備の企業研修で、ジゼルに関わらせていただいていたのです。 つまり、私にとってのパリオペラ初めてのお仕事(といっても企業研修)が、ジゼルだったのです。 思い出の作品。

      • くるみ割り人形の呪い

        何年か前、ロシア方面から来てるカンパニーの、くるみ割り人形を観に行こうと友人と2人でパリ郊外のラ ヴィレットまでわざわざ行った事がありました。 毎年大々的に売り出されていて、チケットもほぼ完売の人気。 一度は行ってみようとなったのですが。 その年、確かフランスで大きなテロが続いたせいで、どこもセキュリティが厳しかったのですが。 念のため、会場30分以上前に行ったら、すでに長蛇の列。 そして動かない。 後で聞いた話、どうもセキュリティチェックゲートに故障があって、でも

        • 胎教も大事⁇

          同僚も含め、良く"何がきっかけでフランスに来たのか"を聞かれます。 答えるの、難しいですよね。 たった一つのきっかけで、住む国を変えるって事はないと思うのですよ。 なので、ちゃんと説明したらいつまで経っても終わらない話になるし、抜粋して話したら、"そんなに安易な話ではない"と、自分で納得出来ない。 とりあえず、日本語ではこちらにまとめてみます。 ことの始まりは、多分母が私を妊娠中に行っていた"胎教"と思われます。 クラシック音楽が良いと言われているけど、その中で母

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        • ひとり言いろいろ
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          フランス劇場ストライキ

          週を追うごとに高まって来ています。 先週だけで、オペラバスチーユのトゥーランドットとシンデレラがストで中止になりました。 何を騒いでいるのかというと、フランスが世界に誇る舞台芸術家intermittent de spectacle身分の条件引き上げ案のせい。 当初、10ヶ月で600時間以上の就業証明提出に変更、って事だったんです。 私も8月まで同じintermittentだったのでそれが大変な事だとわかっているし、これはこの身分自体撤廃しようとの目論見が裏にあるのでは

          フランス劇場ストライキ

          フランス:年休制度について

          会社によって違いがあるので、私の勤務先って限定でお願いします🙏 年休がクローズになるのは、どの企業でも5月らしいですが。 前年5月(日本では普通6月から翌年5月末まで、って言うと思いますが、フランスでは5月から5月って言ってます。ひと月多いじゃん🤣)から翌年5月まで働いて、翌6月からそれまでに貯めたお休みを消化出来る計算。 私の場合、8月中旬からの契約なので、クローズになる5月末まではバカンスない計算。 て、ですよね! 書けばそれが普通だと分かる。 のですが、数日前

          フランス:年休制度について

          フランスで就活:3

          前回からの続きです。 面接が終わってから、最終候補が2人選ばれます。 選ばれたのは、私と、学校出たての若い子の2人。 その後、最終選考で1人に決まるはずでした。 でした、と言うのも、本当なら翌月から契約になるところ、全く返事が来ないままひと月過ぎまして、どうも1人に絞れなくて何とかもう一つ、ポストが作れないかアトリエあげて頑張ってくれていたのだそうで。 結局、他のアトリエで9月で退職する人が出るので、その人の席を"一時拝借"する形で、2人分の席を確保してもらえました

          フランスで就活:3

          フランスで就活:2

          フランスで舞台衣装家活動をしている、megmi.です。 少しだけ、フランスで初めて経験した就職活動について、書いてみようと思います。 前回↓の続きです 正社員の応募をしたアトリエに、たまたまフリーランスで ヘルプに入っていた時に、面接がありました。 その時は割と忙しくない時期で入っていたフリーランスは少なかったですが、それでも5人が1人ずつ、面接に呼ばれて行きます。 みんなの前で!! なんと言うストレス。 これって、ダメだったら次から来にくくなるじゃない!(仏人

          フランスで就活:2

          フランスで就活:1

          フランスで舞台衣装家活動をしている、megmi.です。 少しだけ、フランスで初めて経験した就職活動について、書いてみようと思います。 ずっとフリーランスだったので、言ってみれば日々職探しではありましたが、今回は"フランスで、人生2回目の経験、正社員"の雇用試験編です。 ご興味ある方、ぜひご一読ください。 さて本題ですが。 これまで20年以上、フリーランスで頑張って来ましたが、最近では特にスムーズに仕事が入って来ていて、ようやくガムシャラに受けなくても好きな事だけ選ん

          フランスで就活:1

          衣装家が良くやってる、試着せずにボトムのウエストサイズを確認する方法。表示サイズが38号なら、ウエスト76cm。 首のサイズはウエストサイズの半分なので、ボトムのウエスト部分を首にぐるっと巻きつけてみる。 首サイズが合えば、ウエストも入ると言うスンポウ。 お試しあれ。

          衣装家が良くやってる、試着せずにボトムのウエストサイズを確認する方法。表示サイズが38号なら、ウエスト76cm。 首のサイズはウエストサイズの半分なので、ボトムのウエスト部分を首にぐるっと巻きつけてみる。 首サイズが合えば、ウエストも入ると言うスンポウ。 お試しあれ。

          最近のお仕事

          ここ最近、チュチュ付いてます。 渡仏後、パリのオペラ座で夢中になったパトリックデュポンとそのスターたち。 パトリックデュポンの時代は、ものすごいスターばかりでした。 まさに、エトワール。 その後、ちょっと技術重視で個性無視なのかな⁇と思われる時代に突入してましたが、総裁変わってまた違った方向に動くのか⁇期待のオペラ座。 来週から、毎年恒例のdix mois ecole et de l’operaの準備が始まります。 今年は、慣れ親しんだ振付師selinとのコラボ。 や

          2023 初観劇

          新年のご挨拶が遅れまして、もうおめでとう時期ではなくなってしまいました。 私は、年末年始も週末以外は働いていたので、いつの間にやら翌年。そして、先週の衣装リハまで残業続きの大忙しでした。 さて、そんな中、新年明けて早々にアトリエのセカンドシェフと観劇して来ました。 日本でも割とお馴染みの、ミュージカルキャバレー。 パリでムーランルージュの次に有名なキャバレー、閉まってしまったリドの跡地で上演されました。 写真のように、席は4人掛けのテーブル席で、着いてみたらほとんど

          2022年のお仕事色々

          2022年も年の瀬。 今年はあまりお仕事面では動きがなく、普段通りに進んでいました。 2023年早々からは、一世一代の大勝負があるので、今はそれに向けて心身共に準備中。 最近のパリはインフルエンザ大流行中で、私も12月初旬にガッツリ2週間、寝込みましたが、ようやく抜けた感。 そして、この秋以降はずーっとチュチュを作っている気がします😆 チュチュ大好き。 年末年始、金曜日から3日間しかお休み取れないので、今年の大掃除は(インフルエンザのせいで早めにも出来なかったし)来

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          フランスで働く:ハッタリも必要

          フランスで舞台衣装家活動をしています、megmi.です。 コネも何もない状況から今に至るまでのあれこれを思い出しては綴っていますが、最初3年位は仏語も下手で人脈もない外人を雇ってくれるところは、研修中に私の技術を認めてくれた人たちに限られていて、「仕事を見てさえくれれば必ず雇ってもらえるのに」と嘆いていたものです。 当時、パリのオペラ座にもコンタクトを取りましたが不採用。 その時、「あそこで働くときは、向こうから頼まれた時」と決意してこちらからはそれ以来コンタクトは一切

          フランスで働く:ハッタリも必要

          舞台シーズンもそろそろおしまい

          先日、2021〜22年度の製作舞台が全て終わり、夏休み前は残すところ今後の微調整に数日出勤するだけとなりました。 今期は本当に駆け抜けた!感ハンパありません。 何しろ、約2年の(コロナ対策による)劇場閉鎖後、みんな大爆発して舞台が普段の倍以上となり、また、衣装さんに関してだけ言えば、ロックダウン中に相当パリ近郊から"引退"されてて、人手不足も相当深刻でした。 私も、平日はアトリエで毎日残業して休みを増やしては(週35時間就労は契約)週末に他の劇場仕事に入ると言う、体力の

          舞台シーズンもそろそろおしまい

          仕事の必需品

          先週から、今期最後の担当舞台が始まりました。 今回の劇場の場合、アトリエで仕上げて劇場でフィッティングとお直しとなるのですが。 これがないとやってられない(時間ばかりがムダになる)必需品が、2つありまして、それがマヌカンと鏡。 (それ以外にも勿論たくさんありますが、ひとまず) マヌカンに着せて鏡で見たら一目瞭然なことが、ないとメジャーで測ったりもう一度フィッティングし直したりと、余計な手間が増えます。 で、現在の劇場には、どちらもない。 と言うか、劇場自体には山ほどあ

          仕事の必需品