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声に出して笑える本

笑うことは、幸せなことだ。

笑顔でいることは、それだけで日々を豊かにしてくれる。

そして、声に出して笑うことは、とても気持ちがいい。些細なストレスなど、どこかに吹き飛んでしまう。


皆さんは、「笑える本」と聞いて、どんな作品を思い浮かべるだろうか。

「笑える本」と銘打って販売されている本は、世の中に数多くある。

しかし、本当に「声に出して」笑えるような本は、実はごくわずかだと思う。

心の中で笑ったり、少しにやけたりすることはあるけれど、思わず笑い声が漏れてしまったという本は滅多にない。


しかし滅多にないとはいっても、全く無いわけではない。

今回は、私がこれまで読んできた本の中で、自然と声に出して笑ってしまったものを、いくつかご紹介したい。



山本ゆり|syunkon日記


まずは、山本ゆりさんの「syunkon日記」シリーズ。「クリームシチュウはごはんに合うか否かなど」「スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件」だ。

山本ゆりさんは料理コラムニストで、レシピ本をたくさん出版されている。本書は、そんな山本さんの人気ブログから、選りすぐりの記事を集めたエッセイ集だ。

どの記事も、とにかくテンポよく笑える。大阪出身の山本さんの語り口そのままに、関西弁でバシバシツッコミまくる。自分が書いた文章に対して、(なんでやねん)みたいに、()を使って自分でツッコむ手法は、革命だと思った。

思わず「そうそう!」と共感してしまう、日常のあるあるが取り上げられていて、ブログの読者層であろう主婦の方以外でも、楽しめる内容になっている。

そして、何も考えずに笑えるような文章の中に、たまに心に響くような言葉が添えられていたりして、そのギャップにやられる。

日常生活に疲れたときに読むと、ふっと心が軽くなるような本だ。おすすめです。



さくらももこさんのエッセイ


笑える本といえばもうひとつ、さくらももこさんのエッセイも忘れてはならない。

さくらももこさんは、言わずと知れた、「ちびまる子ちゃん」の作者だ。

漫画だけでなく、「もものかんづめ」から始まるエッセイも、めちゃくちゃ面白い。一体どうしたらこんな面白い人生が送れるのだろうと、不思議に思うくらいだ。

さくらももこさんの、日常を面白おかしく切り取る視点と、独特なワードセンス。

そして父ヒロシをはじめとする、個性豊かな登場人物たち。ヒロシ、あんた面白すぎやしないか。

どのエッセイもシュールな笑いに満ちていて、心を空っぽにして楽しめる。随所に散りばめられた、さくらさん直筆のイラストも可愛い。



今回ご紹介したふたつの作品に共通しているのは、どちらも著者のありのままの姿が、赤裸々に語られているところだ。

人を思い切り笑わせるためには、素の自分を包み隠さずさらけ出すことが、必要な条件なのだろう。それは、お笑い芸人の生き様にも共通するかもしれない。

それにしても、さくらももこさん、水虫や痔の治療とか飲尿療法の話とか、よくここまで書けるな……と思う。


もうひとつ共通することは、笑いの中に、ほっこりとした感動があることだ。

今回紹介した2作で言えば、特に家族とのエピソードの中に、油断すると涙がこぼれそうになる、心温まるお話が多かった。

彼女たちのエッセイを読んでいると、人生とは笑いあり涙あり、ひとつの物語なのだなと実感する。自分の人生だって例外ではないのだと、小さな希望をもらえる読書だった。



こちらの記事は、以前「今日も、読書。」に書いた記事を修正・再掲したものです。


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