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【note集】はじめての麻酔科

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麻酔って、なんでそうするんだろう? はじめて麻酔の現場をみる人向けに 「麻酔科医がなにを考えているのか、やさしく解説する」をコンセプトにしたnote集📚 全35記事 1記事…
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#医師

【note集】はじめての麻酔科【もくじ】

【note集】はじめての麻酔科【もくじ】

麻酔って、なんでそうするんだろう?

かつて自分が麻酔科研修をしていた頃、疑問だらけでした。

「どうしていま鎮痛薬を増やすんだろう」

とか

「なんでこの吸入麻酔薬の濃度なんだろう」

とか

上級医によって言うことも違いました。
教科書をみても、はっきりとした答えがないこともありました。

しかし、麻酔はしなければなりません。
決断をしなければなりません。

どう考えて行動を選択していけばい

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【挿管】介助者が大事な話【ポイントは2つ】

【挿管】介助者が大事な話【ポイントは2つ】

挿管というと、
「喉頭展開」に意識がいきがちです。

喉頭鏡でぐいっ、とやるおなじみの光景ですね。

挿管する手前の一番重要なところ、
というイメージですが
他の下準備にも注目するべきです。

他の手技にも言えることですが、
成功の9割が下準備にかかっています。

きちんと計画する、ちゃんと準備する。
それでほぼ決まり。
あとのことは細かいことなんです。

挿管の下準備、
それは「流れ」をちゃんと

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【ポイントは2つ】麻酔導入直後の呼吸器設定

【ポイントは2つ】麻酔導入直後の呼吸器設定

昔、人工呼吸器がなかった頃
麻酔中は麻酔科医がずっとバックをもんで「手動で」換気をしていました。
今はこれを自動でやってもらうわけです。

その為には指示(呼吸器設定)をしなければなりません。

挿管直後の人工呼吸は「とりあえず」の設定でOKです。

なぜなら呼吸器設定はバチっとはじめから決まるものではないからです。
患者さんの状態をみながら調整していきます。

とりあえずスタートしてみて、それか

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麻酔科医は周術期マネージャーである

麻酔科医は周術期マネージャーである

麻酔科医は「周術期マネージャー」

麻酔科医と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?
やはり手術室で患者さんに麻酔をかけている姿でしょうか。
確かに「手術室で麻酔をかける」のは基本です。
しかし、麻酔科医の真価は周術期の危機管理・安全管理にあります。
麻酔をかける行為はその一部に過ぎません。

麻酔科医は内科医師のように自分で投薬治療はできません。
また外科医師のように手術もできません。
なので何

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