バリューの浸透を目的とした活動が、スタッフ同士の交流や切磋琢磨を促す「ミツモアバリュー浸透委員会」の活動とは?
増え続けるスタッフ、そしてリモートワーク。組織の一体感を生みづらい社会情勢の中、拡大を続ける企業ができることは? その答えになりそうな、ミツモアの取り組みの一つである“バリュー浸透委員会の活動”を紹介します。バリューを活用した取り組みが、社員同士のコミュニケーションを深め、互いに高め合う良い循環を生み出しています。
毎週バリュー体現エピソードを各部署から集める
ーミツモアには4つバリューがあり、それを浸透させるための委員会があるとCEO石川さんのインタビューで伺いました。その「バリュー浸透委員会」では、2021年9月から毎週「バリュー体現エピソード」を発表しているそうですね。
山口:第2期のメンバーが決まって、第2期として何をしていくか話している過程で、そういうアイデアが出てきました。二つ理由が大きくあって、バリューを浸透させるためには意識付けが大事で、バリューに触れる頻度を高める必要があります。良いバリューを作ってもデータベースの奥にしまって誰もアクセスしないと意味がなくなるので、とにかく触れる機会を多く持たせたかった。そこで、週一回アワードをすれば、触れる機会が多くなるというのが一つです。もう一つが、アワードをするということは、マネージャーがノミネートする人を選ばないといけない。そうすると、マネージャーは自分たちの部下がちゃんとバリューに従った行動をしているか、という目で見るようになる。それで、コミュニケーションもそうなっていくと思うんですよ。今やっていることはバリューに即しているのか、マネージャーとメンバーのコミュニケーションの間に、バリューを意識したものが生まれてくるのではないかと。その二つがあってやり始めました。
ーちなみに第2期というのは、任期はどれぐらいなのですか?
山口:僕は入社が去年の9月ですが、バリュー浸透委員会にすぐ入りまして、9〜11月の3ヶ月間の担当でしたね。委員会のメンバーは5人でした。里中さんは12月からでしたよね?
里中:そうですね。私は第3期バリュー委員会ですが、任期が12月からなので、2月いっぱいで任期が終わるという感じですね。第2期同様、メンバーは5人です。
山口:バリュー浸透委員会は基本立候補制です。第1期は12人いて、任期は2021年6月〜8月ですね。
ー毎週一人(複数人の場合もある)がノミネートされるわけですが、発表はどのようにするのですか?
山口:それはですね、15分間の月曜朝会というのを毎週やっていて、そこには月曜出社してる人が必ず参加して、会社の経営状況等を話しているのですが、その最後の時間で発表してます。まずは最初に、4つのバリューのうち今週はこのバリューの話をします、このバリューとはこういう意味でした、というようにバリューの振り返りをして、その後にバリュー体現のエピソードを話す、という感じですね。
ー体現エピソードについては、誰が何をしたか一枚でわかるようにまとめられていますが、それを週一で作成しているということですよね? 本業も忙しい中継続するのは大変なのではないですか?
山口:負荷がかかる取り組みになると絶対継続しないので、負荷はまず少なくしましょうと最初に決めました。要は各部署で回していくので、実際にマネージャーが発表しなければいけないのは、数ヶ月に1回ぐらいです。全部のマネージャーが毎週やらなければいけないわけじゃない。数ヶ月に1回だけやればよくて、かつその資料作成も、できる限り時間をかけずに作ってほしいとマネージャーたちに伝えています。今はだいぶ形が落ち着いてきて、左側にイメージできる写真が数枚パンパンと貼ってあって、右側に文章が書いてある。マックス30分ぐらいの作業だと思うので、負荷はそんなに大きくないという認識ですね。それから、最初にスケジュール立てて、今週はここの部署が発表するとアナウンスしているので、途切れようがない仕組みになってますね。
ーなるほど、継続できる仕組みも最初に作ったのですね。
山口:バリュー浸透委員会の人にも負荷がなく、会社の人全員にも負荷がかからない活動だけをやりましょうと決めてから第2期はスタートしました。バリュー浸透委員会のメンバーも、毎週30分打ち合わせしますが、極力その30分で作業や物事が終わるようにしています。
里中:私はほぼ在宅でお仕事をしているので、大体入社して1年ぐらいではあるのですが、社内の人にそんなに詳しくない。特にインターンの方とかだと、知らない方が多いというのが現状ですけど、このアワードを通して、こんな風に頑張ってくれている仲間がいるんだというのを知ることができています。
ー在宅ワークが増えた中で、社内の人を知る機会にもなっているのですね。
半年に1度のイベント化「バリューアワード」
ー最近、半期(2021年9月〜2022年2月)のノミネートの中からバリューアワードが発表になったそうですね。第1回の受賞は「積極コミュニケーション」と「ナイスエンジン」を体現してくれたインターン生の木元さんと、カテコンNPS向上委員会ですね。木元さんには、受賞の感想などいただきました。
山口:木元さん一人の業務改善点を集めるだけの活動から、カテコンNPS向上委員会という組織ができて、インターンの不安を解消する場になっていきました。研修でわからないことをまとめて、それを見てインターンが仕事ができるようになる。マニュアル作成、議事録共有の仕組みを作るなど、改めて見るとすごいですね。「情報のキャッチアップができない」という課題感を、解決まで落とし込んでいる。
里中:そうですね、仕組みをしっかり作り込んで下さった。さらに木元さんは長期に渡って、やり続けてくれていた。取り組みの姿勢とかも評価されていると思います。
ー半年に一度社内で盛り上がれるというのは、なかなか良い試みですね。木元さん、カテコンNPS向上委員会の皆さん、改めておめでとうございます。
ノミネートされた体現エピソードが他部署でも活用される
ー木元さん以外のノミネートも素晴らしいものばかりでしたね。バリューごとにピックアップして取り上げてみたいと思います。「依頼者ドリブン」でノミネートされた石井さん。ノミネートされた感想もご本人からいただいています。
ーこんなに教えてもらったらプロが困るのでは?というぐらい、有益な時短掃除や放置掃除法をインスタで紹介してくれていますよね。
里中:SNSを使った集客までなかなか手が回っていなかった中で、よりミツモアを使っていただきやすいように入り口を広げて下さった、というのはすごいなと思いましたね。
山口:企画からネタ出し、撮影、全て一人でやっているそうです。有益な情報を惜しみなく出していくことで、依頼者はミツモアのファンになってくれて、「本当にできないことはプロに頼もう」となってくれる。そういう本質的な活動をしてくれていますね。
ー次は「ナイスエンジン」でノミネートされた小川さんと中林さん。
里中:業務をする上で、目先の目標に一生懸命になりがちだと思うのですが、こういうマップがあって、どういう手順を辿って、どうなることがゴールなのか最初から明確に示してもらえる。こういうのがあると楽しく仕事もできるし、なんのために目の前のこの業務を理解しなければならないのかとか、わかりやすいので、すごくいいなと思った記憶があります。
山口:この発表を見せられて、僕のチームも拡大する時期だったので、「あ、こういうことが必要なんだ」とわかって、真似しました。バリューを週1回発表するという効果は、こういう波及効果もありますね。
ー良いものが社内でどんどん真似されて活用されていく、本当に良い循環ですね。最後に「テクノロジーでシンプルに」でノミネートされた王さん。
山口:今までのテクシンは、どちらかというと開発メンバーやエンジニアが作ってくれる、というところが多かったのですが、これはエンジニアじゃないビジネス側のインターン生である王さんが、自主的に勉強して手を動かし、業務をすごくシンプルにしてくれた。それにテクノロジーを使った。インパクトがありましたね。
部署の垣根を超えたコミュニケーションを生む
ー里中さんもノミネートされたことあるそうですが、その時どんな気持ちでしたか?
里中:一言で言えば嬉しい!ですが、委員会の一員としては驚きましたね。バリュー浸透委員会としては、バリューを浸透させるために社員に声をかけたり、みんなを目立たせるための活動をしている立場でした。そこでまさか自分がノミネートされる、という驚きもあり、でもやはり普段の自分の業務を見ていただいて、評価していただいたことは嬉しかったです。
ーやはり自分の仕事を認めてもらうというのは嬉しいですし、これからもがんばろうと思いますよね。そういう方が毎週増えていくというのは会社全体のモチベーションも上がりそうです。ところで、バリュー浸透委員会として日頃気をつけていることはありますか?
里中:まずは自分の周りからということで、チームの中でもプチ・バリュー浸透委員会ということをしています。チーム全体がこの感覚に乗ってくれば、社内のバリュー浸透委員会の活動にも抵抗なく参加しやすくなると思うので、まずは自分の部署からどんどん積極的になってもらえるように声をかけたりしてますね。
山口:僕は前職でどちらかというとテクノロジーの会社ではないところからきているので、「テクシン」を気にしていましたね。手動でやってしまいそうなところも、実はこれ自動化できるんじゃないか?というのを一度考えてみる。そうすると、周りの人がそれを聞いて、コードを作ってくれたりします。テクシンという自分の中になかったバリューを、ここで使いこなせるようにしようと日々意識していますね。
ーミツモアのSlackを見ると「ナイスエンジン」や「テクシン」などバリューのスタンプがありますね。
山口:実は、Slackのスタンプだけではなくて、Slack内でそのスタンプが押された内容は、専用チャンネルに自動的に拾い上げるようになっています。それを見ると、最近の「ナイスエンジン」なエピソード等をまとめて見ることができます。
里中:バリュー浸透委員会第1期の方がスタンプとチャンネルは作って下さっていましたが、あまり広がりきってはいませんでした。せっかく作った機能を皆さんにもっと見ていただけるように、全員参加してもらうチャンネルにして、入社フローに組み込んでいます。バリューと言われると、人によってはハードルが高く感じてしまいます。「私はそんなすごいことしていない」とか。それが、他の方のこういう活動を見ることによって、こういう感じでもいいんだ、とか、こんなこと私もできそう、と参考になります。そんな風にもっと使って貰いたくて、入社フローに組み込んでみんなが日常的に見るチャンネルにしています。
ー他部署の小さなバリュー体現を、気軽に知ることができる。それはバリューが身近になるし、他部署の人も知ることができて、とてもいいですね。
里中:そうですね、顔を知ってる人が増えるので、仕事をする上でも、あの部のあの人に聞いてみようとか、円滑化にも繋がっていますね。
山口:バリュー浸透委員会では、とにかく負担にならないようにバリューが浸透していく、というのを目指していますね。
ーあまり無理することなく、ミツモア社内の交流が促進されているのは驚きです。ありがとうございました!
(取材・執筆 吉田千枝子 字と図)
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