新規事業、初お披露目!「ミツモア」にソフトウェアの見積もり比較サービスが誕生。短期間で1万件依頼&15倍成長を達成した「リードジェネレーション領域」の可能性
社会の多様性が進み、各企業でのサービスも複雑化しています。インターネットを経由してソフトウェアが利用できるSaaSのようなサービスの提供方法が登場し、利便性が高まりました。一方で、一体何を基準にソフトウェアを選んだら良いのかわからない? そんなお悩みを解決すべく、「ミツモア」に新たに誕生した「ソフトウェアの見積もり比較サービス」(=リードジェネレーション領域)。このサービスでは、企業が提供する複雑なソフトウェアの比較を見積もりですっきり解決することを目指しています。通称、リードジェン領域(以下同様)の誕生から、これからの構想までをご紹介します。
ベストな選択を伝える「依頼者ドリブン」というミツモアのバリュー
ー新規事業が急成長中とのことですが、まずは立ち上げのきっかけを教えてください。
大熊:ベンチャー企業の新規事業には、既存の強いサービスプラットフォームで培ったアセットを生かしていくのが大切だと思っています。そこで着目したのが、「ミツモア」のサービス領域の「税理士」です。「ミツモア」では数多くの依頼者と税理士をつなげています。その中で、会計ソフトウエアを提供する企業の営業先ニーズと、税務に関連する業務で課題を抱えている企業のニーズが合致しているケースがあることがわかりました。その発見から立ち上がった新規事業が、この領域になります。
ー最初は税理士を探してミツモアに依頼した人の中に、本当に必要としていたのは会計ソフトだったというケースがあるということですね。
大熊:そうです。税理士しかできない仕事もある一方で、会計ソフトというソリューションで解決できそうな依頼も多くいただいていました。依頼者にベストな選択を伝えてあげるというのがミツモアのバリューです。そこで、はじめはすごくスモールに、各会計ソフトウェアの会社との見込み顧客連携が始まりました。
白柳:この段階では、依頼者には依頼中に「会計ソフトの導入を検討していますか? 見積もりを合わせて取りますか?」という質問をし確認を取ります。それに「はい」と答えた人に会計ソフトの会社から連絡がくる、というようなイメージです。ただ、それだけだと、税理士からも見積もりがきて、ソフトウェアの会社からも連絡がくる。今までの見積もりの体験と違ってしまう。そこで、ソフトウェアの見積もりというのも、やっていく方針になりました。そこで問題になったこととしては、税理士の先生を比較するのと、ソフトウェアを比較するのは、比較するという行為は同じなんですが、見るポイントが全く違うことです。例えば、ソフトウェアの場合は機能面の比較表をより見やすくする必要があります。似てるんですが、既存の税理士と同じような見積もり体験にしてしまうと、比較しにくい。じゃあソフトウェアの見積もり体験をするなら、どういう見せ方をするとより比較しやすくて、より目的に合ったソフトウェアにたどり着けそうかという議論をして、今の税理士との見せ方とは違う見せ方をしよう、よりソフトウェアの比較に特化したプロダクトを作っていこうという経緯でした。
MVP(Minimum Viable Product) を意識して進めたプロダクト開発
ー見込み顧客連携は、2020年12月から開始とうかがっていますが、プロダクト開発の着手もそれぐらいですか?
白柳:そうですね、結構序盤から、ビジネスサイドの大熊さんリードで、ビジネスサイドのメンバーとデザイナー、エンジニアというこのプロジェクトのチーム全員で、どういうプロダクトを作るか議論してきましたね。
ー開発の流れを教えてください。
白柳:まず、どういう人に価値を届けるのかというペルソナを、ヒアリングしながらチームで決めていきました。どういった業界の、どういった属性の人が、何を求めているかを明確にするため、過去にソフトウェアの導入をしたことがある人にユーザーインタビューを通じてヒアリングさせてもらいました。導入した時どういう課題感があって、どういう比較をしたのか、当時は比較サイトを使ったのか、などいろいろヒアリングしていきました。どういうプロダクトを作れば良さそうかというのを、一緒にヒアリングしながら、話していきました。その中で、ある程度、こういう人たちをターゲットに、こういうものを作ろうというのが決まった段階でデザイナーに入ってもらいました。そして、画面などをデザインツールを使って仮で作り、ミツモアの税理士の見積もりとの親和性を測りながら、どういうUI にしようかといったことを決めていきました。UIができた後、インタビューした方に、プロトタイプということで触ってみていただいて、詳細を詰めていったという感じですね。初期の段階のプロダクト開発ではMVP(=Minimum Viable Product 註:必要最小限の機能を備えたプロダクト。ユーザーからのフィードバックを反映することを前提とした開発手法のこと) を意識して進めました。
ー期間はどれぐらいなんですか?
白柳:3ヶ月はかかっていないですね。他のプロジェクトも一緒に走っていたりしたので、期間で言うと2ヶ月ぐらいです。フルコミットで2ヶ月と言うよりは、ヒアリングや課題の吸い上げをしながらと言う感じです。
ービジネス側のその期間の活動はどういう感じだったのでしょう。
大熊:ヒアリングは一緒にしていました。最初はスモールに始めたと言ったんですけど、さっき白柳さんが説明した通り、最初から見積もりでプロダクトの提供というのはしていなかったので、今使っている事業者さんの営業活動というか、プロダクトを作るアドバイスもいただいたり、そういうところを調整していましたね。あとは、いざリリースしても、ビジネス側としても、サイトのページを用意したり、コンテンツを用意したり、営業先の選定が必要だったので、白柳さんと一緒にプロダクトは作りつつ、裏では既存の営業と、今後の営業先の話や、ミツモアで作るコンテンツ作成というのを同時に進めていたという感じです。
ー当時を振り返って、難しかったことは何ですか?
白柳:開発目線でいうと、見積もりの見せ方です。自動的に、いろんな条件をもとに、より正確な見積もりを出さないといけない。基本的には依頼者に質問に答えてもらう。その質問をもとに見積もりを出したり、どのプロダクトが依頼者にマッチしているのかという、ソフトウェアの最適度合いも出します。それを、質問からどう計算するのか、どうデータを取得してくるかというところが難しかったですね。
ーソフトウェアごとの特性をしっかり理解しないと難しそうですね。
白柳:そうなんです。さらに、ソフトウェアの会社によって、料金形態が全然違います。例えば、あるソフトウェアは3人以上だったら割引きします。プロダクトを複数持ってるある企業は、2種類使ってくれたら2個目からは割引きます、など様々です。しかし、はじめのリリースで、それら全部に対応してしまうと、ちょっと時間がかかりすぎてしまう。そのため、ある程度の共通項みたいなところを見つけ出して、これを押さえておけば、大体のことは対応できて見積もりを依頼者に届けられるというところまで落とし込まないといけませんでした。そこが一番難しく苦労していました。
サービス領域のノウハウを活かし第一想起ブランドを目指す
ー取引先(各ソフトウェア会社)からはどういうリアクションがきていますか?
大熊:この領域での依頼者の最終的なコンバージョンポイントは、依頼者が見積もり依頼を出したり、資料請求することになります。ミツモアでは、コンバージョンポイントの前に、複数の質問に答えてもらっています。一定の手間をかけ依頼者の要望をきちんと掴むことがミツモアとしてのできる部分だと思っているので、力を入れているわけです。その結果、依頼者さんの導入意向が高いと取引先に言われていますね。それから、競合他社では属性情報だけ共有するのが主流ですが、ミツモアでは細かい課題感を質問で聞いて共有しています。例えば、会計ソフトだったら、現在の記帳や利活用の体制や困っていることなどです。そのため、取引先はその情報を見てセールストークを変えることができます。他社のリードは0から始まるけど、ミツモアは事前に情報をもらっているので、セールスがしやすいとは言ってもらえてます。
ーサービス領域で正しい質問にこだわってきたミツモアならではですね。
大熊:もちろん、取引先各社の商談率を追っています。100件依頼がきたら、何件商談できて、何件導入されたのか。商談を取る率が各社さんいろいろあるので、とにかく依頼者さんに寄りそってセールスして欲しいとは、お願いしていますね。それから、白柳さんが言う通りまだ改善中のプロダクトなので、「ここが不便です」「ここがどうにかなりませんか」と言われることもありますが、フィードバックとしてもらえていると考えてます。ミツモアとしてやるべきことはどんどん取り入れてやっていきたいですね。
白柳:そうですね。まだまだこれからだと思ってます。見積もり直後の画面も、見積もりがバッと出て、最低限の比較はできるようになっていて、現時点で比較しやすいところを作り込んでいます。ファーストリリースではいらないと判断した、プラス機能があることで使いやすくなることもあると思うので、そう言ったところを優先度付けしながら追加していきたいですね。「ミツモアに来たらわかりやすい見積もりですぐ決められる」というところまで持っていきたいですね。
ー1回目のリリースから微調整はしていますか?
白柳:リリースした後で細かいサイクルで改善をしています。例えば、質問に答えることで、最適なソフトウェアはどれかというところを順位付けをしたりします。この人にはこのソフトウェアが最適だろうというアルゴリズムの部分などは、結構頻繁に微調整を繰り返しながら、より最適度が上がるように変えていっています。それからUIのところに関しても、こういう依頼の時にはこういう表示だと見にくいかもしれない、というところは頻繁にディスカッションしています。実際に使われ方を見た上で気づくことはあるので、そういったところは常に改善しているという感じですね。大きめの2回目のリリースはまだこれからですね。
ーやるとしたらトップページから変えていくというイメージですか?
白柳:そうですね、トップページから変えたいという希望はあります。そもそもミツモアが目指していることの話になりますが、ミツモアに来たら、税理士や社労士といったプロも探せて、会計ソフトも揃っていて、便利だからその時は見積もる予定のなかったサービスまで見積もることにした、という体験をしてほしい。LTVをミツモアで上げていく。例えば、会計ソフトを探しに来たけど、その時には見積もる予定のなかった労務管理ソフトも見積もった。最終的にはそういう体験をしてもらいたいと思い描いています。会計ソフトだけ依頼して、それで終わりというのはもったいない。会計ソフトに労務管理ソフトも組み合わせることでディスカウントが生まれる可能もありますので、そういう提案の部分ですね。そういうことを今後はすごくやりたい。
ー悩み事があったらアクセスする見積もりに特化した総合サイトになりますね。
白柳:そういうレベルを目指していて、ミツモアで見積もりすれば解決するというレベルまで持っていきたいですね。第一想起を取っていきたいという気持ちはあります。
リードジェン領域のこれからと必要な人材
大熊:これまでの「ミツモア」のサービス領域は、サービスを提供する側が結構規模の小さい事業者が主でした。税理士やクリーニング業者、カメラマンなど個人でやられていて、大きくても10、20人という規模で事業をしている。一方、このリードジェン領域というのは、サービスを提供する側が大きい。大規模な法人領域に提案していこうというところですね。主な対象の業界でいくと、いま足下で取り組んでいるソフトウェアから、電力や通信、と言う社会インフラ系も領域として見据えてやっていこうとしています。
ーたしかにインフラ系はサービスの選択肢が増えて嬉しい反面、どう選んでいいかわからないですね。
大熊:そこを見積もりで解決したいというのがリードジェン領域ですね。ソフトウェアは新規、電力や通信というのは乗り換えなどを主に提案していくことになりそうです。依頼者さんと事業者さんを繋いであげるという基本は変わらずに、業界の範囲をどんどん広げて行こうと言う事業ですね。
ーミツモア社内ではこのリードジェン領域にどれぐらいの人数が関わっているんですか?
大熊:ビズサイドで20人ぐらいですね。
白柳:エンジニアでは1チームがメインで見ていて、3名ですね。
大熊:なので、約25人規模ですね。
ーもちろんこれからも拡大していきますし、増員もしたいということですね?
大熊:そうですね、営業サイドも、もうパイプラインだけでいくと100社ぐらいあるのですが、それを2、3人で見ています。相当無理をさせているので、営業の人もほしいです。それから、世の中にソフトウェアというジャンルが数100個存在します。それに関してSEO的観点でいくと、全部このソフトウェアの見積もりが取れます! としたい。そこをリサーチして、ウェブサイトのコンテンツを作って、ということを担当しているインターンが10人弱いますが、正社員は1人なので、そこも大変そうだと思って見ています。
ーエンジニア側では増員の希望は?
白柳:ほしいです!(笑) 先ほどの話にもあったんですけど、より正確な見積もりを出そうとすると、より細かい条件まで対応できるようにする必要があります。あとで、それは見積もりに入っていなかった、ということが起きてしまうと、ガッカリな体験になってしまうので、より正確なものをお届けしたい。そこの改善はもっともっとやっていきたいというのはあります。
大熊:そうですね、さっき白柳さんが言ったように最低限の機能だけ実装して出していて、まだそこに対して世の中の人がどう思うかとか、インタビューとかアンケートとかもこれから本格的にやり始めるんですね。そうすると、きっと今とは全く違った形に、半年後や1年後にはなっているはずなんです。そのために何が必要かというと、多分デザイナーと開発の人なんですよ。いないなーと思いながら見てますよ、白柳さん(笑)。
白柳:そうなんですよね。トップからの導線は、まだ本格的に導入していないので、使いにくい部分をブラッシュアップしてこれで届けられるとなった段階で全面展開していきたいとは考えています。ミツモアのトップページからはまだわかりにくいですし、気づかない人も多いのかなって思います。
ーそれにもかかわらず、現状どんどん利用率も増えているわけですよね。数字的な伸び率を伺ってもいいですか?
大熊:依頼数は累計1万件を突破しましたね。売り上げも、2020年12月と2022年3月を比較すると15倍になりました。
ーそれはすごいですね。急成長中のリードジェン領域の新メンバーにはどういう人が向いてると思いますか?
白柳:今は1チームでやっていて、本当に少数精鋭で作っています。それこそ、ビジネス側とのやり取りをしながら、どう見せていこうとかの仕様のところから、エンジニア側も携わって決めています。そのため、自分で作りたいものを持って、それを自分なりに「こういうのがいいんじゃないか」、と言える人が向いていると思います。UI, UX も Designer と一緒に考えつつ実際に開発もするみたいな感じでやっているので、開発だけやりたい人よりは、一緒に体験を考えて、より価値を最大化できるみたいな発想のある人がいいですね。まあエンジニアリングとしても結構複雑なところもあるので、それを実際開発していくみたいなことをトータルでできる方を期待してるというところです。
ーチームプレーができるタイプですね。
白柳:そうですね。もちろん、開発だけ強い方もウェルカムですけど、やっぱり一緒に作っていきたいみたいなのがあるので。そういうところもやりたいというエンジニアがより合ってるかと思います。
ーではビジネスサイドではどうですか?
大熊:難しいですね。スキルセット的なところはそんなに重要じゃないかなと思っているので、マインドセット的なところかなと思っています。この領域には、いろんな会社があって、いろんな料金形態があります。かつ、各社いろいろ特徴があって面白いんですけど、実際の仕事ではリサーチをとにかくやります。そういうところで、知的好奇心が強いというか、どんどん追求していきたい人がすごく向いているのかなというのが一つです。それがプロダクトを作る側ですね。営業側でいうと、まだまだ業界でも競合他社より名前も売れていないので、自分の力で切り開きつつ、そこを楽しみ、苦に思わずやっていける人がすごく良いかなと思っています。最初のハードルをクリアした後に、ようやく体験で勝負してもらうというところがあるので、ネームバリューがないのなら、逆に自分なりの営業スタイルでどんどん開拓していきたい人はすごく向いてると思います。
ー看板がなくても自分の力でやっていけるタイプですね。最後に今後の目標を聞かせてください。
大熊:比較するのが大変といったことは、サービスを提供する側が法人になればなるほど起こりがちです。ですから、ソフトウェアのみならず、社会インフラのようなところにも規模を広げていきたいと思っています。サービスを提供する側が法人、つまりtoB向けサービスは、ミツモアが今までやってこなかった領域です。ですが、既存の領域を凌ぐような規模の売り上げや知名度を作っていけたらなと思ってます。
白柳:先ほどと重複しますが、まだまだ完璧ではないので、本当に見たらすぐに決められるレベルの見せ方にしたいですね。プラス、現時点で困ってるソフトウェアだけじゃなくて、周辺ソフトも含めてトータルで見積もりが提案できるところまで持っていきたい。すべての見積もり業務の効率化に向けて、機能追加や、既存のUI、UXをより良くしていくというのをやっていきたいですね。
ー見積もりの可能性がますます広がりますね。ありがとうございました。
(取材・ライティング:字と図 吉田千枝子)
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