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医療 製薬業界|1月の月間注目記事

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は 1月の1ヵ月間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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小野薬品 社長交代 オプジーボ特許切れ克服へ

日刊薬業(2024年1月12日)https://nk.jiho.jp/article/186944

小野薬品は4月1日付で代表取締役社長COOに滝野十一取締役専務執行役員研究本部長(55)を昇格させる人事を決めた。滝野氏は研究者出身であり、「オプジーボ」の特許切れ克服に向け、海外経験や研究開発、事業開発、加えてオープンイノベーションに明るい滝野氏に社長を託した。

小野薬品の主力製品である抗ヒトPD-1モノクローナル抗体「オプジーボ」は2031年に特許が切れる予定です。現時点で「オプジーボ」は小野薬品工業の総売上高の約3割を占めているため、この特許切れによるパテントクリフは大きなものになることが予想されます(小野薬品の企業分析記事)。小野薬品工業はこのオプジーボクリフをどのように乗り越えていくのか、今後も注目していきたいと思います。

大正製薬 経営陣によるTOB成立 4月に上場廃止へ

日刊薬業(2024年1月16日)https://nk.jiho.jp/article/187058

大正製薬ホールディングスは、経営陣による自社買収(MBO)に関連した株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。狙いは株主を意識した経営による短期的な利益確保・分配への配慮を排除し、中長期的な施策実行に取り組むためであるとした。

株価を意識した経営から離れ、意思決定の自由度を高めることで、中長期的に経営を立て直すことを目的としているようです。大手企業の上場廃止の記事を読み、現在製薬業界で安定した実績を上げている企業も、この先ずっと安定しているとは限らないと改めて感じました。従って、企業の経営状況は常に把握しておく必要があると思いました。

サワイグループHD 米国事業から撤退 国内の品質問題解決に集中

ミクスオンライン(2024年1月17日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75958

サワイグループHDは、国内の品質問題の課題解決と需要拡大への対応に経営資源を優先投資していくため、米国子会社のSawai America LLCおよびUpsher-Smith Laboratories, LLC(USL)の全株式等を台湾のBora Pharmaceutical Holdings, Inc.に譲渡することを決議した。業績が悪化していた米国事業から撤退する形となった。

サワイグループHDの傘下である沢井製薬は、2023年10月にテプレノンカプセル50mg「サワイ」の不正が発覚したことを受け、厚生労働省から総括製造販売責任者の交代命令処分を受けました(関連記事)。経営改善や信頼回復に向け、日本国内に経営資源を集中させるために米国事業を撤退せざるを得ない状況となったと考えられます。

国立長寿医療研究センター レカネマブ治療を2月13日から開始

ミクスオンライン(2024年1月24日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75982

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」による治療を2月13日から開始すると公表した。適応患者は「初回のみ1泊入院」で点滴注射し、2回目以降は2週ごと専用治療室で点滴注射するとした。費用は患者の体重が60kgの場合、1回あたり「200mg×1瓶」の使用で8万176円とした(3割負担、薬剤のみの費用で診療や検査等を除く)。

昨年12月20日にレカネマブが発売されました(関連記事)。これを受け、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは専用治療室の整備や必要な検査体制などの準備を行ってきました。
同院は「レカネマブ」は2週間に1回の投与で原則1年半治療を続ける必要があるとしています。また、投与開始後は脳の腫れや出血などの副反応が生じる可能性があるため、初回のみ1泊入院し、それ以降は定期的な脳MRI検査を実施するとしています。薬剤投与量は体重や進行具合で変わるため、負担額は患者によって様々ですが、60㎏で、1回あたりの使用薬剤が「200mg×1瓶」の場合の1か月負担額は、薬代のみで約8万円(3割負担の場合)となります。これは1年で96万円と多額の費用となります。

生成AI製品「Scopus AI」販売 論文から迅速かつ正確に情報入手が可能に

ミクスオンライン(2024年1月26日) https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75989

世界最大級の医学・科学コンテンツを有するエルゼビア社(本社・オランダ)は生成AI製品の「Scopus AI」の発売を開始したと発表した。Scopus AIを用いることで、研究者や研究機関は2万7000誌以上の学術ジャーナル、18億以上の引用文献の中から必要な情報だけを迅速かつ正確に入手することができる。

Scopus AIを用いることで、ネット上にある大量の論文データから必要な情報だけを抜き取ることができるようになりました。これにより、論文執筆や研究活動の効率化や大幅な時間短縮が可能となると考えています。このようなAIを用いた業務の効率化の流れは製薬業界においても広がっており、中外製薬や小野薬品工業は業務内で生成AIを活用している(関連記事)。

28年医薬品市場予測 日本はマイナスまたは低成長

ミクスオンライン(2024年1月31日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=76023

IQVIA INSTITUTEは、日本の医療用医薬品の市場規模における、2024年~28年の5年間の年平均成長率はマイナス2%~プラス1%になると予測した。世界全体の5年間の年平均成長率はプラス6~9%。国別では米国がプラス6~9%、西欧がプラス4~7%になる見通し。

日本の医療用医薬品市場はこれから成長していかないという予測に対し、全世界では年平均成長率はプラス6~9%と持続した成長が見込まれています。これはかなり深刻な問題であると考えています。理由は、日本の医療用医薬品市場は国内外の製薬企業にとってあまり魅力的ではないものになってしまうことで、新薬が日本以外のアメリカやEU諸国のほうに流れてしまい、国内のドラッグラグ・ドラッグロスが加速すると考えられるからです。ドラッグラグ・ドラッグロスが進んでしまうと、海外では治せる病気も日本では治せないといった状況になりかねません。日本は現在、薬価を下げて医療費を削減しており、これにより医療用医薬品市場が停滞していると考えられます。国内の創薬基盤の構築に力を入れることも必要ですが(関連記事)、医療用医薬品市場を成長に転じさせ、海外から見ても魅力的な市場に見えるような施策を打ち立てていくことが求められます。

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