第27回 胸部X線写真の巨匠:ベンジャミン・フェルソン
Benjamin Felson(1913〜1988)
前の職場で長く一緒に働いていた外科の友人から「先生,フェルソン直筆のサイン入りの本をもらってください,父のものなんです」というメールを受け取った。添付されてきた写真は深紅の表紙のハードカバーで『Chest Roentgenology』というタイトルであった。見返しにフェルソンのサインが書かれていて,宛名は「Dear Tohru Ishikawa」であった。これは友人の父の名前ではなく,私が学生・研修医とお世話になった聖マ