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スコーピングレビューを知っていますか? 多忙な臨床家でも取り組みやすい,比較的新しいレビュー論文です

明日からエビデンスの構築を始めましょう!

複数の論文の研究結果をまとめて結論を出すレビュー論文としては,スコーピングレビューのほかにシステマティックレビューがすぐに思いつくでしょう。スコーピングレビューは,システマティックレビューと比べると迅速に,スクリーニング的に結論を出しますが,システマティックレビュー同様系統だった科学的手法で行われるため,信頼性が担保されています。

臨床での疑問を解決したいときはもちろん,特定の分野で利用できるエビデンスを探したいときや,何かの研究を始める前に,その研究と似たような研究がすでに行われていないかを網羅的に確認(リサーチギャップの特定・分析)することもできます。

レビュー論文のため引用されやすく,さらに臨床データの収集を必要とせず執筆期間も相対的に短いため,多忙な医療従事者がぜひ知っておきたい手法です。

■編集 北川 孝(信州大学 理学療法学専攻)

整形外科疾患・運動機能障害,特に膝関節を専門とする。近年はスコーピングレビュー研究に励み,少人数セミナーを主催しスコーピングレビュー執筆の指導にあたる。
【主な著書】
『卒後5年までにマスターすべき 運動器障害理学療法学 上肢・頸部』(メジカルビュー社)
『スポーツ整形外科学 アスリートを支えるクリニカルスタンダード』(文光堂)


本書の内容

1章

スコーピングレビューとは何か,スコーピングレビューが成り立った経緯,ほかのレビュー論文との違いを解説。


2章

スコーピングレビュー論文の読み方を,セクションごとに実際の論文を示しながら解説。


3章

本書のメインとなる章であり,スコーピングレビューの書き方を約130ページにわたって解説。はじめにスコーピングレビュー執筆の全体像を14のステップに分けて示し,各ステップを図表や実例を交えながら懇切丁寧に説明していく。「豆知識」「うまく進めるコツ」「用語解説」などの囲み記事も充実し,多角的にスコーピングレビューの書き方を学ぶことができる。


4章

学会発表・参加におけるノウハウや,英語論文の書き方を解説。スコーピングレビューにとどまらない汎用性の高い内容である。

Xでの本書へのコメント

スコーピングレビューの本,すごくわかりやすかったですよ✨
読んだら,やりたくなりますよ,きっと笑 (たかさん @Inotaka0519)

素晴らしい内容。見様見真似で書いてた自分を恥じたい。
看護でもスコーピングレビューを書く機会は多くなっているので,是非この本を参考にしていただきたい。 (TakeshiUnoki @TakeshiUnoki)

この本を元に今進めていますが痒いところに手が届く感じで重宝しそうです。単なる考え方とか抽象的なことだけではなく,投稿までもっていける具体的なところが書かれているので確認しながら進めていける印象。 (Kei Matoba @mkei_psycho)

【目次
1章 スコーピングレビューとは何か

 1 スコーピングレビューの歴史とその他のレビュー研究との違い
2章 スコーピングレビューの読み方
 1 背景の読み方
 2 方法の読み方
 3 結果の読み方
 4 考察の読み方
3章 スコーピングレビューの書き方
 1 スコーピングレビュー作成の全体像
 2 予備検索
 3 レビューテーマの協議/レビュークエスチョンの決定
 4 適格基準の確立
 5 データベースの検索
 6 灰色文献の検索
 7 プロトコルの作成と登録
 8 1次スクリーニング
 9 2 次スクリーニング
 10 データ抽出
 11 結果の提示
 12 考察の書き方
 13 結論の書き方
4章 スコーピングレビューの公表から出版まで
 1 初学者向け 学会発表のストラテジー
 2 初学者向け 論文執筆のストラテジー

明日からできるエビデンス構築
スコーピングレビューが短期間で読める・書ける本

定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
A5判 216ページ 2色,イラスト60点,写真80点
2024年2月3日刊行
ISBN978-4-7583-2258-4
メジカルビュー社

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