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Behind The Scenes メジカル裏ばなし

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書籍が刊行されるまでには,さまざまな困難があります。 その困難は別名「幸せへの通り道」。 書籍が書店に並んでいる様子を見ると,とても幸せな気持ちになります。 お忙しいドクター,メ…
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『カンゲキするほどわかる頭頸部間隙の画像診断』

右も左もわからない程度ならまだ可愛げがある。当職は東西南北中央不明,アリアドネの糸と間違えて鶏卵素麺を携えて迷宮に潜ってしまったテーセウスのごとく迷走していた。まだ『カンゲキするほどわかる頭頸部間隙の画像診断』の企画を練り始めてもいないころの話だ。 ところで開始早々まったくの余談になるがこの本ができあがるまでに「ヒデキ,カンゲキ!」みたいなことを耳にタコの養殖場(2021年にカナリア諸島に世界初のものが完成)ができるくらい聞かされたので,書籍の編集をする機会があったらタイト

『IVRのすべて』

 カレーライスと炒飯とカツ丼を注文し,カレーライスと炒飯とカツ丼が出てきて多すぎると怒る客はいません。客の望んだものだからです。ソースカツ丼派だった場合は考慮しないものとします。  同様の論法で,IVRに関する現時点でのあれやこれを漏らさず全部盛った本をお願いしますと依頼申し上げ,注文通りに全部盛っていただいた本ができました。本書『IVRのすべて』誕生の縁起となります。 刊行に至るまで 弊社では過去に『改訂版IVR 手技,合併症とその対策』という書籍を刊行し好評をいただい

『本当は教えたくない カテーテルアブレーションがうまくいくカラクリ』

メジカル裏ばなし 編集:深水誠二 先生/担当:循環器担当10年目T 刊行に至るまで  「カテーテルアブレーション」を成功に導くための考え方,コツ,テクニックをまとめた書籍を企画したいと長年考えており,以前企画しました「これから始めるカテーテルアブレーション」の編者である大塚崇之 先生に深水誠二 先生をご推薦いただき,刊行に至りました。  深水先生は,有能な循環器内科医であることはもちろん,わかりやすい原稿,なおかつ原稿締切を守ってくださる編集部にとってはまさに神様でありまし

『ゼロからマスター 脊椎超音波ガイド下ブロック』

メジカル裏ばなし 編集:高安正和先生、竹内幹伸先生/担当脳神経外科 担当K ※書籍のご購入はこちら 刊行に至るまで  とある本にご執筆をいただいた縁から,後に本書を編集いただくことになる竹内幹伸先生に「脳神経外科の先生に向けた超音波の本を作りたいんですけど,どんな内容が必要でしょうか?」といったようなことを訊ねた際に「超音波装置の電源の入れかたから」とお答えいただいたのがはじまりでした。  「そこから!?」と思いましたが,こうして本の形になった今では「そこから」が載ってい

『改訂第2版 ゼロからマスター 肩の鏡視下手術』

メジカル裏ばなし 著者:中川照彦 先生/担当:整形外科 担当Y ※書籍のご購入はこちら 刊行に至るまで  いわゆる「腱板断裂」など,肩の手術では鏡視下手術が大活躍します。本書は2007年に初版が刊行されましたが,著者の中川先生から,「最新の器具・手技を紹介するために改訂したい」とご連絡をいただいたのが,始まりです。  書籍を改訂する場合,どの程度新しい情報が入るのかが重要です。実際に先生にお会いして(私は初めてお会いしたのですが),じっくりお話を伺い,ほとんどの項目が新し

『膝痛 こだわりの保存治療』

メジカル裏ばなし 著者:宗田 大 先生/担当:整形外科 担当Y ※書籍のご購入はこちら 刊行に至るまで 整形外科を受診する患者さんの主訴は,「痛み」がほとんどです。著者の宗田先生は,「膝痛」に長年向き合ってこられ,当社より2007年に『膝痛 知る,診る,治す』を刊行しました。あえて痛いところを押す「痛点ストレッチ法」を提唱し,これが広く受け入れられ,多くの読者の支持を得ることができました。  刊行から11年が経過し,2007年当時の収載内容に科学的な裏付けが取れたり,新し