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ちょっと泣いた。

昨日、隣町へ買い物に出かけた。電車で1駅であるそこは、自転車で10~15分程度の距離である。月曜に降った大雪は残っているものの、人や車の通る道には大方整備が行き届いていると見て、わたしは自転車で出かけた。

わたしが乗っているのは2016年の暮れに買ったマウンテンバイク。自転車に乗るのは中学生以来だったが、移動手段に便利、かつ運動不足解消を試みて購入したのだ。
(クロスバイクというもう少しシャープなモデルも検討したが、自分の運転に自信がないので、タイヤが太く、デコボコした道に強いマウンテンバイクしたのだ!)

夕方ころ、無事買い物を終えて家に帰ることに。道路には思った以上に凍った雪が残っているので、慎重な運転を心がけた。とはいえ、わたしの自転車はマウンテンバイク。砂利道などにも強いしっかりとしたタイヤなのだ。


とか思っている矢先、呆気なく転んだ。
マウンテンバイク最強説、散る。


ズシャッと右腕を下敷きに、そしてしたたかに打ち付け、『イッテェ!!』と咆哮。するとその事故現場をしっかりと目に焼き付けてくれた、散歩中のおじいさんが「大丈夫かい…?」と優しく声をかけてくれるも、信じられない速さで立ち上がり『大丈夫ですッッ!!!』と語気荒く返事をしてしまう。強がりだけは人一倍である。

そこからは自転車を押し押し、家に帰る。もう再びこの道を走る気にはなれない。その間も、腕、メッチャ痛い。この自転車捨てて家に帰りたいくらい、痛い。ものすごく元気をなくす。

マンションに自転車を置き、一歩一歩階段を上がりながら『もうダメかもしんない…』とわたしは考える。『もうベース弾けないかもしんない…』『原稿書けないかもしんない…』『家事もできないかもしんない…』『来週企画ライブがあるのに、主催なのに、ダメかもしんない…………』

部屋に入り、以前腰痛用にもらった湿布を取り出す。どうやら患部は二の腕のよう。肘から先は動かせるが、腕を上げたり、脇を広げたり…といった腕に係わる動きをすると激痛が走る。かわいそうな二の腕、湿布を張ってあげる。

そして、なんだか分からないけど、静かに泣いた。なんで泣かなければいけないのか分からないし、泣くほどのことでもないと思ったのだけど、シクシクちょっと泣いた。

メッチャびっくりしたし、恥ずかしかったし、痛かったので、ちょっと泣いた。もうすぐ27歳になるんですけど、ちょっと泣いた。いろいろ情けなくて、泣いた。あと、子どもが転んで泣くのは仕方がないと思った。だって、痛いんだもんな。痛いしビックリしたら、そら泣くよな。

大人だけど、チャリでコケたら、泣く。


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