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吸血鬼ドラキュラ/ブラム・ストーカー 田内志文 訳



先に拝読した #フランケンシュタイン の訳者解説の中で名前が上がっていて気になったので。。。



#ブラムストーカー  の著書、 #吸血鬼ドラキュラ を拝読しました。







こちらも、『フランケンシュタイン』同様に世界的に有名な作品ですが、意外と原作を読まれていない人もいるのではないでしょうか❔
私も、今回が初読みです。



図書館で予約して受け取った時、本の分厚さを見て、正直面食らいました💫
全662ページ。
何日掛かって読了できるのか検討もつかず。




本書は、登場人物の手紙や日記、関わる記事で間接的にストーリーが展開していく書簡体で描かれています。
書き手それぞれのその時の感情がヒシヒシと伝わってくるので、感情移入もしやすくどんどん話に引き込まれていきました。



元々は、高貴で勇敢だったのに『不死身』という力を手に入れ、その力に依存し、強欲になってしまったドラキュラ伯爵。
そして、ドラキュラ伯爵により愛する人を奪われてしまった人たち、危険な目に遭わされた人たち。



お互いに護るべきものと、生きるための闘い。
ミーナが、ドラキュラ伯爵に憎悪をたぎらせる夫ジョナサンへ向けた言葉がとても印象的でした。


『このすべての悲劇の源となった哀れな魂こそ、もっと悲しい存在なのです。
彼の邪悪な部分が同じように滅ぼされ、善なる心が永遠の命を授かったとしたならば、それが彼にとってどれほどの喜びとなるのか想像なさってください。
たとえ討ち滅ぼす運命にあろうとも、憐れみを忘れずにいて頂きたいのです。』

初めからの悪は、やはり存在しない。
ただ、欲に囚われてしまったら善は消えていってしまいます。
ミーナは、善が消えたドラキュラ伯爵への憎しみに囚われてしまった夫に、
”罪を憎んで人を憎まず”
ということが言いたかったのではないかと感じました。


壮絶な闘いを繰り広げた登場人物たちを見ながら、本物の愛のカタチに触れた気がします。





本書は、ゴシックホラー小説ですが、グロテスクな描き方をしていませんし、情景の描き方がとても美しかったです。
私は、対話式小説が特に好きなのですが、書簡体小説も話に引き込まれやすいので好きなようです。
お陰で、返却期日前に読了することができました。




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