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読書記録

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2022年1月の記事一覧

恩蔵絢子著「脳科学者の母が、認知症になる」を読んで

恩蔵絢子著「脳科学者の母が、認知症になる」を読んで

脳科学者として感情の研究を続けて来られた著者のお母様が認知症を発症。
母の介護に奮闘しながら
時に翻弄されながら
研究者目線プラス1人の人間として娘として、冷静に人間観察を続けておられる著者の、介護日記です。

以前、こちら↓で書いた、

こちらのお話↓

施設に入っているお年寄りが10人いたとして、全員に鉢植えのお花をあげ、
Aグループには「水やりなどのお世話は全てお任せしますね」と言い、Bグル

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東野圭吾著「沈黙のパレード」を読みました

東野圭吾著「沈黙のパレード」を読みました

ドラマや映画でお馴染み、ガリレオシリーズ6年ぶりの長編。
期待を裏切らない面白さでした。

映画化され、今年上映予定ということを読んでから知りましたが、
東野さんともあれば、最初から映画化を想定されておられるのでしょうか。
パレードの様子が鮮やかに目に浮かび、その陰で実行されていた対照的な物語が悲しく心に響きました。

東野さんの作品はいつも読み終わってから改めてタイトルに込められた想いに気づかさ

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綾辻行人著「十角館の殺人」孤島で次々に起きる連続殺人

綾辻行人著「十角館の殺人」孤島で次々に起きる連続殺人

次男が読み終わった本を譲ってもらい、綾辻さんの著作に初めて触れました。

ミステリなので、
あらすじなど省かせて頂きますね。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新

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清水潔著「殺人犯はそこにいる」隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

清水潔著「殺人犯はそこにいる」隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

こんにちは。
今日は、ずっと下書きに保存したままだった読書感想の記事を投稿します。
重い内容なので、スルーして頂いて大丈夫です!

「桶川ストーカー殺人事件」
をご存知でしょうか?

桶川ストーカー殺人事件(おけがわストーカーさつじんじけん)とは、女子大学生が元交際相手の男を中心とする犯人グループから嫌がらせ行為を受け続けた末、1999年(平成11年)10月26日に埼玉県桶川市のJR東日本高崎線桶

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角田光代著「対岸の彼女」生き辛さを抱えた女性達の成長物語

角田光代著「対岸の彼女」生き辛さを抱えた女性達の成長物語

昨年年末に読んだ本です。

幼い子供を抱え、
夫の稼ぎで生きては行ける。
それでも自分の力で立ちたいと
子供を預け自分の道を切り拓いていこうと奮闘する小夜子。

その小夜子と、勤務先の社長 葵の過去の話が並行して出てくる。
この手の小説は、
各章に切り替わる毎に、
一瞬迷子になるためあまり得意ではないのだけれど、
それはさておいて。

さすが直木賞受賞作(読んでから知りました)。
最後の数十ページ

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