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インターネットで出会った女性に二度救われた話

高校1年生くらいの頃、
雑誌「セブンティーン」を読んでいると、読者モデル紹介のページがあった。可愛くて、華々しい同世代の子たちが最近はまっていることとか、お気に入りのものを紹介するようなものだったと思うが、

そのなかの一人の女性が「ブログを書いています!」とURLを紹介していた。とっても小さい文字で書かれていたのだが、その頃私たちの世代ではブログがとても流行していたこともあって、すぐにアクセスしてみた。

驚いた。
自分と同世代の女の子が、これほどに引きつけるブログを運営しているのかと、軽く衝撃的だった。
仲の良い彼氏とのデートの話だったり、学校生活の話だったり、悩みだったりという、等身大の彼女の毎日がわたしよりちょっと大人びた言葉などで記録されていた。

ずっと読んでいたいと思い、わたしはそのページをすぐにブックマークして
毎日毎日、更新を楽しみに待った。
雑誌で紹介したことも後押ししたのだろう。アクセス数は連日そのブログサイトのカテゴリーで1位を連続してとるようになり、人気になった。
その後、世間のブログの人気自体が下火になったとしても
彼女はサイトを転々としながらもブログを続け、ツイッターをしたりインスタを開設したりしながら日々を綴っていった。

住んでいる場所も違えば、人生の経験も全然違う。
同じなのは年齢とか性別とかだけ。

でも、なんだか彼女の感性と自分の感性が重なる部分があって、
ずっと彼女が発信するものを読み続けている。今もずっと。

そんな会ったこともない彼女に、二度、助けられたことがある。

1度目は大学受験の第一志望に落ちた時だった。
今思えば大して勉強もしていなかったが、当時のわたしは落ち込むのは一丁前。
必然的に第二志望の大学に行くことになったのだが、その落ち込みと、行き場のない恥ずかしさに悶々とした日々を過ごしていた。

そんな時、彼女がブログを更新した。
当時も人気ブロガーだった彼女は
「相談がたくさん来ているので、相談コーナーします」と呼びかけた。
わたしのことを何にも知らない人に相談したい気持ちと、彼女だったらどう考えるのだろうという気持ちが合わさり、気付いたらコメントを書いていた。

「大学受験の第一志望に落ちてしまって悲しいです。●●ちゃんがこの境遇ならどうしますか?」

次の日、彼女は何ページにもわたって沢山来ていた質問に的確にまっすぐ応えていた。
ページをスクロールするとわたしの質問が表示された。
「第二志望でもいいじゃん!今から正解にすればいいから大丈夫!これから、自分がこれで良かった!って思えるようにするんだよ」

正直、どんなに身近な人から励まされるより、会ったことのない彼女の言葉に心が救われたのを今でも思い出す。

その後、彼女はわたしと同じ時期に同じように会社員になり、
私がブログを読み始めた時から付き合っていた彼氏と結婚し、今は子どもを育てていて、その日々をさまざまなSNSで綴っている。

救われたもう一つは、実は2年前だ。
私はその頃、今の彼と遠距離恋愛中で、結婚の話が出ないまま日々がただ過ぎていくことに無性に不安を感じていた。

一方で、彼女のインスタやブログを見ると、子どもを育てたり、ご主人との温かい日々を過ごしたりしていて、なんだか私のちっぽけな(自分にとっては大きい)悩みとは無縁の日々を過ごしていそうだった。
SNSなんて、見ているものはほんのちっぽけで、彼女には彼女なりの悩みとかもあるはずなのにね。

悩みがピークになった時、わたしは彼女のインスタにDMした。
会ったこともない彼女に突然、だった。
わたしはDMで、高校生から彼女のブログを読んでいること、質問コーナーの言葉で救われたこと、こんなこと急に相談して申し訳ないが、彼との今後に悩んでいることを書いた。そして、昔の私と同じように
「●●ちゃんならどうするかな、と思って書いてしまいました」と書いた。

今思うと、突然来たDMで悩みを吐露されたんだから、無視しても決しておかしくない。でも、どこかで返事が来たらいいな、と願った。

まさかの1時間後くらいに返事が来た。はやい。
DMを開けると、自分と同じように長文の返事が来ていた。
ブログを読んでくれていて嬉しいという温かい感謝の言葉と共に、具体的に自分だったらどうするか、という言葉が綴られていた。

沢山のすてきな言葉が綴られていたのだが、そのなかでこんなことを(これが直接的な言葉でなく、あくまでこういった趣旨の内容ということです。そのまま載せるのは彼女の了解がいるので…)
「今の主人と絶対に結婚したかったので、もし彼が結婚する気が無ければ、私が今どれだけ結婚したいのか、私と結婚したらどんなことがあるかというのを一生懸命プレゼンしますね!」とコメントの中で話してくれた。

存分に彼から愛されて順調に結婚へと進んでいたように見える彼女だったけど、実際の私の立場だったらガンガン行動していく気概を持っていることに、勇気づけられた。
そうだよな、自分から動かないと結局進まないんだもんな。
彼女が仕事やプライベートのことでいろいろ行動しているのをブログで知っていたから、そういうのも相まってその言葉のどれもが説得力もあった。

私が彼と結婚するための選択肢をとった(それに向けたアクションをとった)のは、間違いなく、彼女のおかげがあると思う。

自分の身近な人には相談したくなくて、
でも自分の中ではどうにも答えが出なくて、ぐるぐる悩み続てしまうパターンの悩みというのは時々訪れる。

「こんなことで悩んでいるのを知られるのがちょっと恥ずかしい」
「自分のこの気持ちを詳細に伝えられる気がしない」
「相談を受けた側も迷惑だろう」
って、自分のちっぽけな自尊心と、わたしの相談を受け取った相手の感情を先回りして考えて、相談するのをやめる。

そういう時、「こんな人になりたい」と憧れる人がいれば
少し心が楽になる。
「あの人だったらどう考えるのだろう」
「こういう時、どう行動するのだろう」と想像してみる。

わたしの場合は、彼女だった。
身近な人のほかに芸能人でも作家でも、そういう人がいると、
進むべき道というか、どう行動すればいいのかなっていうのが少しわかりやすくなると思っています。


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