かけ箸日記 -箸蔵まつかん-

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かけ箸日記 -箸蔵まつかん-

「かけ箸日記」は生活に欠かせないお箸を通して、朗らかに生きるヒントを探っていくwebマガジン。箸づくりを担うヒトやお箸の一大産地である福井県小浜市のことを発信します。◎http://goshoen1815.comhttps://www.hashikura1922.com

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最近の記事

「クマが好むほどいい木」に触れる。

近年、人がクマに襲われたというニュースを目にすることが多くなり、クマに対し「危ない」「悪者」というイメージを持つ人が以前より多くなっているのではないか。 一方でクマからすると、人間による森林伐採で、日々生活圏が曖昧になり、気づかぬうちに人里まで降りてしまう。 そして、人間との急な遭遇で、咄嗟に護衛本能が働き、牙を剥いてしまう。 人間が悪いのか、あるいはクマが悪いのか。 そういう議論はナンセンスなのかもしれない。 「クマハギ」という言葉を聞いたことがあるだろうか?クマハギとは

    • KOHARU POPUP STORE

      現在開催中の、繊維のまち愛知県一宮市のシルク製品を展開するブランド『KOHARU』のPOPUP。 KOHARUとの出会いは2023年2月、東京での展示会『大日本市』。 KOHARUブースにて、私は3つのことに驚きました。 まずひとつ目はなんと言っても肌触り! 「こんなに心地良い生地、初めて!」 製品に触れた瞬間、思わず声をあげました。 ふたつ目の驚きが、”シルク”製品だということ。 ”シルク”ならではのしなやかさ・美しさ、そして肌触りの良さはありながらも、KOHARU製

      • 小浜と発酵の魅力にどっぷりと浸かった2日間

        8月4日(金)・5日(土)に「発酵する小浜の食事会〜小浜と韓国の発酵の世界〜」を開催しました。 このイベントは、発酵文化が根付いた小浜で、新たな小浜の発酵文化を生み出すべく、発酵プロフェッショナルである金宏美氏をお招きし、発酵の魅力を学ぶワークショップと、小浜の食材を金さんのルーツである韓国風にアレンジした、この日だけの発酵コース料理として食べることのできる特別な食事会の2本立て。 かつて、豊富な若狭湾の恵みを朝廷へ納め、食を支えた「御食国」のひとつであった小浜。 北前

        • 【ドローンのことを知った日】

          8月27日(日)にWDA(若狭小浜ドローン協会)の大城戸 将司さんにお越しいただき、ドローン操縦ワークショップを開催していただきました。 ”地域の子どもたちに、ドローンの楽しさを伝えたい”という大城戸さんの思いから生まれた、今回のワークショップ。 その思いのとおり、集まってくれたのは小学校高学年の皆さま。自己紹介のあとは早速、ドローンの操縦方法を教えてもらいます。 使うアイテムの名前・起動の仕方。まずは基本から。 そこからはもうはやく飛ばしたくてたまらない… そわそわし

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        • GOSHOEN /小浜のかけはしとなる、みんなの別邸
          10本
        • 箸蔵まつかんのお仕事
          1本

        記事

          西津の新しい夏の思い出『遊日縁~YUHIENE~』

          大人から子どもまで「夜のGOSHOEN」で“食べる・遊ぶ・飲む”ことができる縁日のようなイベント『遊日縁』を2023年8月26日に開催しました。 『遊日縁』というイベント名は、夕日(“ゆうひ”)が沈み始める時間から、みんなが“遊”んで、ご“縁”のある“日”になるようにという意味を込めました。 イベント開催の17:00。まだまだ西日が強い時間ではありましたが、たくさんの方に足を運んでいただきました。 いつもならGOSHOENは17:00閉店。 この時間からのGOSHOEN

          西津の新しい夏の思い出『遊日縁~YUHIENE~』

          天然の冷蔵庫「雪室」 〜小浜の雪で熟成されたコーヒーの味〜

          JR東小浜駅から車で15分。 ぐねぐね道を登って登って車を走らせた先に見えた集落。遠敷川上流、標高300mの高地にある、かつて炭焼きや林業、畜産業などを営んでいた小浜・上根来地区。 上根来地区は、10年以上前に計画廃村となり、今その地区に暮らす方はいらっしゃらない。 集落を抜けてさらに車を走らせること5分。今日は、いつもene COFFEE STANDで使用しているコーヒー豆を雪室と呼ばれる伝統的な貯蔵方法まで届けるため、車を走らせている。 平成15年まで牛舎として使

          天然の冷蔵庫「雪室」 〜小浜の雪で熟成されたコーヒーの味〜

          待望の“みんなのミュージアム”開園から2ヶ月。 松本社長にインタビュー 

          ~インターン大学生通信~ 今年1月9日に“みんなのミュージアム”をオープンしてから、早2ヶ月が経とうとしています。 そこで、この節にミュージアム設立の発起人である松本社長にインタビューしました! まず私が一番気になったことは“みんなのミュージアム”設立の意図。一民間企業が、そのまちのミュージアムをなぜ作ろうと思ったのでしょうか? ―そもそもこのみんなのミュージアムを作る目的はなんだったんですか? 「僕はこれからを担っていく若者が、この場を通してもっと地元小浜に誇りを

          待望の“みんなのミュージアム”開園から2ヶ月。 松本社長にインタビュー 

          GOSHOENの過ごし方 ~インターン大学生通信~

          ~GOSHOENとの出会いがきっかけで、箸蔵まつかんでインターンをしてみた大学生より~ 「西津地区におしゃれなカフェができたらしいよー」 県外の大学に通う私が久しぶりに帰省した時、母が教えてくれた。私にとって、西津はただの住宅街で、わざわざ行く場所ではなかった。 西津特有の迷路のような細い小道を進んでいくと、立派な松が迎えてくれた。門をくぐり、靴を脱いで段差を上がると、一番に目に飛び込んできたのは、小浜の歴史的建造物の特徴のひとつである格子戸を抜けた太陽の光によって、き

          GOSHOENの過ごし方 ~インターン大学生通信~

          コーポレートロゴおよびコーポレートサイトリニューアルのお知らせ

          株式会社マツ勘は、1922年の創業から全国塗箸の生産量70%以上を占める一大生産地福井県小浜市で箸づくりをおこなってきました。 創業から100年を迎える2022年。これからのマツ勘は箸の専門メーカーとしてだけではなく、2021年にオープンした福井県の有形文化財である護松園(GOSHOEN)を拠点とした地域のデザインにも関わらせていただきます。 その中で、私たちの会社の象徴であるコーポレートロゴと、弊社の取り組み内容が分かるコーポレートサイトをリニューアルしました。 新ロゴへ

          コーポレートロゴおよびコーポレートサイトリニューアルのお知らせ

          生まれ変わる「護松園」のお庭

          GOSHOENにお越しいただいた方に「綺麗ですね」と言われる度、正直ちょっと心苦しかった護松園のお庭。 本館、蔵に続き、いよいよ改修がはじまりました! “護松園”の名前は、天保4年(1833年)の夏、幕末三筆の一人と言われた書家兼画家の貫名海屋(ぬきなかいおく)が護松園を訪れた際、庭に植えていた見事な古松を現在のみんなのリビングから眺め、その素晴らしさに感動して名付けられたそうです。 その護松園の由来でもある大切なお庭が、生まれ変わります。 改修予定は、今年の11月末まで

          生まれ変わる「護松園」のお庭

          「じらな仕事はできん」 生まれ変わる護松園蔵

          「そない、じらな仕事できんからなぁ」 6月の朝はこんなに暑かっただろうか。現在改修している護松園の蔵。ボロボロだった茶色の土壁は、日に日にきれいで平らな白壁になっている。 茶色の壁の上に薄いネットのような寒冷紗(かんれいしゃ)を貼り、そこにクリーム色のねっとりとした漆喰を塗る。薄く塗り重ねていく漆喰の壁。左官職人の汗の滴り方が、早朝から作業していることを感じさせる。 職人の石野さんに“じら”って、どういう意味か聞いてみると、「分からんよ。じらは、じらや」と返された。 昨年

          「じらな仕事はできん」 生まれ変わる護松園蔵

          毎月第4日曜日に『Kottoen』はじめます!

          物と情報が溢れる時代だからこそ、一品もの。限定品。なかなか手に入らない、希少価値に魅力を感じることが多くなってきたかもしれません。 わたしたちが運営している護松園も、江戸時代に建てられ、時代の移り変わりから一度は使われなくなり、今の時代に合わせて生まれ変わった希少価値のある建物のひとつ。 そんな護松園で、新しい物とはちょっと違った魅力を持つ『骨董品』をメインとしたマーケットを開催します! マーケットの名前は『Kottoen』。今月から毎月第4日曜日に開催を予定しています。第

          毎月第4日曜日に『Kottoen』はじめます!

          "生活の花"を暮らしに飾ろう

           いつも通る道に生えている季節の野花や、子どもと散歩している時に見つけた名前のわからない草。そういう花を摘んで帰って、例えば家族を出迎える玄関に、普段使うキッチンに、飾ることが出来たら素敵だなあと思いませんか。  GOSHOENで新しく始まったお花の教室『暮らしと季節に花を飾る』は、まさにそんな身近な草花を楽しむための教室です。  教室の会場は護松園の書院の間。江戸時代に小浜を拠点に活躍した北前船の商人が、賓客をもてなすために建てた建物。数寄屋風に作られた書院の間は格式高い

          "生活の花"を暮らしに飾ろう

          みんなを見守る八朔(はっさく)の木

          GOSHOENは、1815年に建てられた護松園をリノベーションして、“みんなの別邸”として新たな歩みをはじめたばかり。 そのGOSHOENには、もうひとつ新たな歩みを踏み出したばかりのものがあります。 「ene COFFEE STAND」の前にある一本の木。もうお越しいただいた方は、なんでこんな所に一本だけ木が立っているんだろう?と、思われたかもしれません。 この木は、八朔(はっさく)の木です。 ene COFFEE STANDの目の前にある写真左の木が八朔の木 元々こ

          みんなを見守る八朔(はっさく)の木

          気持ちが改まるおりんの音色

          庭園が美しく見えるよう設計された護松園「書院の間」では、四季折々の植物たちの表情を楽しむことができます。そこに風が吹くと、なんとも気持ちが良い澄んだ音が部屋に響きます。音の正体は風鈴です。 この風鈴「REN」は京都・宇治市で「おりん」を製造する「南條工房」の新しいブランド『LinNe』のもの。 「おりん」と聞いてもすぐにピンと来ない人もいるかもしれません。 お仏壇に置かれている「チーン」と鳴らす梵音具、一度は触れた記憶があるのでは。あれがおりんです。 南條工房は創業から1

          気持ちが改まるおりんの音色

          『護松園(旧古河屋別邸)』を『みんなの別邸』に

          私たちの会社・株式会社マツ勘から歩いてすぐのところに「護松園(ごしょうえん)」と呼ばれるお屋敷があります。 高い塀に囲まれて中は見えませんが、塀の向こうの瓦屋根を見ると普通の古民家ではないことが伺えます。実はこの場所、県の指定有形文化財にも関わらず、長年近所の人でさえも立ち入れませんでした。 塀の向こうに聳える護松園の屋根。家紋や巴の瓦が見える。 創業の地で100年の歴史を紡いできたマツ勘では、2020年にこの場所を取得。 マツ勘の本業は箸メーカーですが、まちの主産業

          『護松園(旧古河屋別邸)』を『みんなの別邸』に