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『護松園(旧古河屋別邸)』を『みんなの別邸』に

私たちの会社・株式会社マツ勘から歩いてすぐのところに「護松園(ごしょうえん)」と呼ばれるお屋敷があります。

高い塀に囲まれて中は見えませんが、塀の向こうの瓦屋根を見ると普通の古民家ではないことが伺えます。実はこの場所、県の指定有形文化財にも関わらず、長年近所の人でさえも立ち入れませんでした。

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塀の向こうに聳える護松園の屋根。家紋や巴の瓦が見える。

創業の地で100年の歴史を紡いできたマツ勘では、2020年にこの場所を取得。

マツ勘の本業は箸メーカーですが、まちの主産業でもある箸産業に活気があって、産業を継いでいくことへ希望が感じられる未来を作りたいと思っています。それが箸産業だけじゃなくて、この地域全体に広がって地方地域で豊かに生活することにつながるのではないかと。同時にこの地域で充実感を持って暮らす人の輪を広げるためには、人が集える場所の必要性を感じました。

私たちが護松園を舞台に始めるGOSHOENも、「小浜のかけはしとなる、みんなの別邸」がコンセプト。近所の人も、観光に来た人も気軽に集える場所を目指して運営していきます。

護松園とは

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護松園・書院一の間から二の間を見る

この「護松園」は江戸時代に現在の福井県小浜市を拠点に活躍した北前船の商人「古河屋」の五代目・古河屋嘉太夫の時代・文化12年(1815)に建てられました。各地の厳選した建築材を集めて建築され、賓客をもてなす洗練された美しい場として使われたとされています。
「護松園」という名は、天保4年の夏、幕末三筆の一人と言われた書家兼画家の貫名海屋(ぬきなかいおく)が訪れた際、庭の見事な古松を賞でて名付けられたそうです。日本遺産「北前船寄港地・船主集落」の構成文化財になっています。

古河屋とは

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護松園の見所の一つ・秋田杉の一枚板でできた縁側で
談笑する小浜市役所文化交流課の下仲さんと
マツ勘の会長・松本喜代司。

その北前船の寄港地の一つである小浜市で最も大きな規模を誇ったのが西津長町を拠点に活躍した「古河屋」です。
古河屋は北前船の運行で得た富を用いて酒造業など様々な商売を手掛けて巨万の富を築き、全国でも有数の北前船の商人に成長。小浜藩主の酒井家とも関係を深め、藩の財政を支えると共に城下町の公的な仕事を担い、地域の経済に大きな影響を与えました。
「護松園」の建物は数奇屋風の商家の建物として一見派手さはないものの、北前船船主らしく秋田杉を筆頭に全国の銘木を建物の随所に用い、建物の細部にまでお殿様を迎え入れる“意匠”が見られます。

地域の誇り!みんなの別邸!

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護松園の改修に携わってくださった職人の皆さんと記念写真!

約200年の間まちを見てきたこの場所は、まさに地域の誇る宝と言えます。そんな場所が人目に触れることなく、数十年眠ってしまっていました。
2022年に創業100年を迎えるマツ勘では、護松園がこれからの時代にもう一度人の集いの場になれるよう願いを込めて、施設の名称を「GOSHOEN」とアルファベット表記に改め、活用をはじめます。
施設の中にはマツ勘の直営店「箸蔵まつかん」、コーヒースタンド「ene」、庭を眺めながら自由にお寛ぎいただけるリビングスペース、勉強や仕事にお使いいただけるワークスペースなどが入ります。

200年前にお殿様を迎え入れていたこの場所は、まちのみんなが自由に出入りできるような「みんなの別邸」として生まれ変わるのです。

かけ"はし"に
例えば箸蔵まつかんの店舗では、お買いものに来た人がつくり手の人と話せる時間ができたらいいですね。
それから小浜に観光に来た人が居合わせた地元の人から小浜のコアな情報を聞いたり、夕方には子どもたちがランドセルを投げ出して遊んだり、勉強をしに来た高校生が仕事をしに来ていた大人に仕事の話を聞くことができたり、そんなかけ"はし"となるような場所になることを目指していきます。

オープンについて
オープンは2021年5月25日(火)を予定しています。
詳しい情報はGOSHOENのウェブサイトをご覧ください。

▽GOSHOEN WEBSITE▽
https://goshoen1815.com

どうぞお越しください!と声を大にして言うことは難しい世の中ですが、皆様の気持ち良いと思えるタイミングでお越しいただけることを心よりお待ちしております。



text :嶋田愛梨
photo: 堀越一孝

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「かけ箸日記」は生活に欠かせないお箸を通して、朗らかに生きるヒントを探っていくwebマガジン。箸づくりを担うヒトやお箸の一大産地である福井県小浜市のことを発信します。◎http://goshoen1815.comhttps://www.hashikura1922.com