見出し画像

【旅行記】パウエル’ズ ブックス ポートランドの有名本屋さんにて。

ポートランドを訪れるにあたって、カフェ以外に僕が大きく興味をそそられていたのは「パウエルズ・シティ・オブ・ブックス(Powell’s City of Books)です。

画像1


新本と古本が併設置されているユニークな本屋さんです。実際に、訪れてみると、どれが古本でどれが新本なのか、僕には見極めが難しかったです(これは僕の英語力の問題!)。

画像2

画像3

本以外にも、地元のアクセサリーや文房具、コーヒー豆なども販売していました!なんでもありみたいにも見えましたが、それもまたCOOL!!

画像4


僕がこの本屋さんに興味を持ったきっかけは村上春樹さんの「ラオスにいったい何があるというんですか?」という旅行記のポートランドの章で、このパウエルズについてのエピソードを読んだからです。村上春樹さんが好きで、ポートランドに訪れたいと思っている方はぜひこの旅行記は読んでみることをおすすめします!このパウエルズには、なんと村上春樹さんの翻訳本が本棚の3棚分を占めていましたよ!さすが、世界の村上春樹!!ファンとして感動!

画像5


少し話がそれますが、ポートランドに着いてから街中をぷらぷらしながら感じていたことがあります。それは、あまりにホームレスの方が多い、ということ。僕は東京に住んでいますが、もちろん東京にも渋谷、新宿と大きな街に行くとホームレスの方はそれなりにいます。ですが、ポートランドにおいては、そのブロック区画された街並みの中で、おおげさでなく街角ごとに物乞いをするホームレスの方がいました。僕と同じくらいの年齢の人から、年配の方まで。一見、きれいな服装をしてるんだけど、足元も見ると真っ黒に汚れた素足。さらなることにそれがとてもきれいな女性だったりするのです。

もちろん、僕は主体的に、能動的に、ホームレスという生き方を選ぶ人を否定しません。どんな生き方をしたっていいです。世捨て人をcoolだと感じる価値観があってもいいと思います。僕が気になったのは、そうではない止むに止まれずその生き方を選ばなければいいけなくなった方々についてです。ちょっと気になったので調べてみると、オレゴン州ポートランドは、その急増するホームレスの問題について「非常事態宣言」を出しているようです。ポートランドといえば、2013年にU.S NEWSでアメリカにおける「もっとも住みやすい街」ランキング1位に選ばれた街。なにもない場所から発展することを成功させた地方創生都市として有名です。今も観光業界はそういう触れ込みで宣伝をしています。紛れもなくそれは事実であり、ポートランドはとても魅力的で街並みは美しかったです。ですがその一方で2017年の現在はそういった一面も垣間見ることができました。

街の中心にあるまさに”知の現場”ともいうべき本屋があるこの街の再生を願わずにはいられません。レストランの通風孔から吹き出すの熱風で暖を取りながら眠る彼ら彼女らの姿を僕はこの旅行の思い出として、きっと忘れないと思います。

なぜ、突然こんなことを記したかといえば、Powell’sの入り口に「Help Me」と書かれたスケッチブックを抱えたホームレスの方がいたからです。

画像6

前述しましたが、本屋はまさに"知の現場"です。人生の先輩や同輩、後輩の「知」が本にはたくさん書き込まれています。それから人々は学び、発展していく。すごくシンプルです。僕はそこに純粋に興奮します。人間はすごいのだと。腕力から知力に世界はシフトしようと努力しようとしています。逆行しようとする勢力もたしかにあります。ですが、世の中の趨勢ではありません。人間は知力によって、逆境を必ず克服します。

そうでないのなら、本屋などなんの役に立たないただのゴミ箱にすぎません。でもそうじゃない。Powell’sの中にいて、僕はそんなことを考え込んでいました。青臭いかもしれませんが。


僕は、Powell’sの入り口にいた物乞いをしていた彼には何もできませんでした。その代わり、このPowell’sでオリジナルのトートバックを買いました。とてもかわいいデザインです。東京に戻ってから毎日使ってます。僕ごときが数ドル払ったからって、ポートランドの経済状況になんの影響も与えないかもしれません。完全に自己満足です。


でも、上述しましたが、あの美しい素敵な街並みが、さらなる発展を魅せてほしいという気持ちから何かをしたいと思ったのです。他人からみればただの買い物にすぎないかもしれませんが、僕にはそういう想いがあったのです。世界は、繋がってるんだもん。きれいごとに聞こえるかもしれないけどね。だってね、日本でも大人気の漫画のワンピースの翻訳本もPowell’sにはいっぱい並んでたんですよ。

画像7

画像8


もちろん他のもね!

画像9


僕は、たくさんの本とコーヒーがあれば、それで最高に幸せです。だから、パウエルズいる時間は本当に至福の時でした。そして、だからこそいろんなことに思いを馳せることができました。まさに「What is so bad about feeling good?(気分が良くてなにが悪い?)」といった感じです。気分良く生きてこそ、いろんな発想や思考ができます。自分さえ気分がよければそれでいいという考え方は僕にはありません。そもそも自分だけが気持ちがいい状態が、本当に気分がいいと言えるのでしょうか。ちがいますよね、きっと。

画像10

※この記事は2017年にオレゴン州ポートランドを訪れたときのものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?