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夜の東京の街から世界を考える

週末の夜は、自分の仕事(コーヒーの焙煎)を終わらせてから、友人と街に繰り出します。僕はお酒がまったく飲めないので、食事をしてから美味しいコーヒーを探します。

昨日は、東京の世田谷区・三軒茶屋にあるオブスキュラ・カフェさんでゆっくりとコーヒーをいただいて、そこから歩いて行ける範囲内で食事。それから渋谷の方へと移動しました。友人の車に乗せてもらって、都内を移動していると東京という街は本当に狭いことを実感します。主要場所が、20~30分もあればすぐに着いてしまいます。

僕は、自分でコーヒー焙煎士として仕事をしていますから、コーヒー豆の在庫は山ほどあります。にもかかわらず、外に他のお店のコーヒーを頂きに行きます。単純に好きなんです。美味しいと評判のお店のコーヒーはどこもとても美味しいです。それに「空間作り」もそれぞれのお店の哲学が現れる部分なので興味がありますね。

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ノルウェーからやってきた「フグレン」さんもどのお店とも一味違ったお店の雰囲気が素敵です。渋谷から少し離れた比較的静かな場所で25時までやってらっしゃるので、こんなふうにお店の外に設置されたベンチに腰掛けて友人と夢を語るのが好きです。

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昨日、友人の車で、渋谷のど真ん中をドライブしました。
車窓から見える街並みから感じることは、「経済格差」「貧富の差」です。

美しくきらびやかなビル群の中で、ボロボロの服を来てアルミ缶を集めて歩くホームレスの男性。高級スーパーで高品質な食材を買っている女性と、コンビニでカップ麺と缶ビール買っている男性が並んでバス停に立っています。もちろん、その光景には、僕の印象・イメージが含まれています。当然ながら、たまたまその日はその女性は高価な食材を買い求めたのかもしれないし、たまたま気が向いてカップ麺と缶ビールを楽しみたいと思った日だったのかもしれません。僕のうがった見方だと言われてたら、たしかにそうかもしれません。

でも、その狭い視点での光景からの印象だけでなく、全体像としてもその印象が日に日に強くなっているんです。

たしかにこの国は人口がどんどん減っていく中で、仕事は探せばいくらでもある状態にあると思います。ですが、どんな仕事でも十分な収入が確保できるかといえば、それは大きな疑問符がつく部分です。

アメリカ大統領選は混沌を極めていて、この文章を書いている11月8日の午前5時現在は民主党・バイデン氏が勝利し、勝利宣言演説を行う予定だとの報道がなされています。しかしながら、トランプ氏はあらゆる手段で抵抗し敗北宣言を拒否する様相を呈しています。僕も大きな興味を持って、様子を見ていますが少し心が疲れてきますね(笑)。

でも、現時点ではっきりしていることは、アメリカは「分断している」という紛れもない事実です。ある種の「内戦」が起きているように見えるのは、僕だけでしょうか。

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そして、見過ごしてはいけないことは、あれだけ問題発言を繰り返し、批判されることが多いトランプ氏が「負けは確実」との前評判だったにも関わらず、接戦であったということです。「あんなトランプに投票するなんてどうかしている」と声も多く聞かれますね。僕も彼の差別発言や他人の感情を逆撫するような物言いや、思慮のない言動には辟易としてしまいます。

ですが、大事なことは彼に投票している人の数が、かなりの数いるという事実です。アメリカ全土の各州の投票結果のマップを見てみても、内陸部はトランプ氏。沿岸部はバイデン氏と、きれいに真っ二つに分かれています。僕たちがアメリカと聞いてすぐにイメージできる場所であるニューヨークやカリフォルニアなどは、総じて民主党の勝利。そして、聴き慣れないオクラホマ、カンザスなどの内陸部は共和党の勝利となっていますね。

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アメリカの経済格差は、上位1%のもつ資産は、残りの99%がもつ資産の総量よりも多いようです。これはやはり異様ですね。富裕層はバイデン氏、貧困層はトランプ氏に投票しているという分け方は大雑把すぎるかもしれませんが、その側面は否めないと感じます。

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さらに、トランプ氏の"惨敗"を予測していた日本国内のメディアに対する国内の批判の声が多く聞かれますね。日本国内のメディアの情報収集の方法はよくわかりませんが、アメリカの主要メディアABC、NBC、CBSの3つは民主党支持メディアです。日本のように中立的な報道ではなく、あきらかなリベラル寄りの報道があり民主党寄りの報道がなされているようです。一方でFOXは、保守系共和党寄りの報道。仮に、ABC、NBC、CBSの報道を元に、日本国内の報道が構成されていたとすれば、バイデン氏圧勝、トランプ氏惨敗という予測構図で報道なされていたとしても、それは理解できるところです。その情報収集手段の是非は別にして。

でも、その予測を見誤った日本のメディアを批判する多くの人も、情報収集手段としては大差はないでしょう。日本のメディアは99%国内の情報で構成されているので、海外のことを知るには自分で首を突っ込んで調べるしかないのです。そうでないと未来を大きく見誤ることになることが、この現在進行形の事実からも理解できますね。前回のアメリカ大統領選のヒラリー・クリントン氏圧勝の予測の中で、トランプ氏が買ったという事実の理由がわかっていれば今回の接戦はある程度の予測ができたことです。なぜなら、アメリカの経済格差は解消されるどころか、道半ばであり、貧困層のトランプ氏への期待はまだ薄れていないことは想像に難くないからです。”あんなトランプでも俺たちの生活をどうにかしてほしい、助けて欲しい”それがアメリカの決して少なくはない数の人の願いであり、希望なのだと読み取ることができます。

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そして、貧富の差は、実際には見えない大きな壁となって現実に存在し、アメリカを大きく二つに分けてしまっています。

僕は渋谷をはじめとする都心で、ちょっと俯瞰的にある意味他人事として街を歩く人々を観察していると、心がかなりざわつきゾッとする未来をイメージしてしまうのでした。

そして、先日読んだ本の一節より身に染みた

いまは、世界のあちこちで生まれるさまざまな構造を、正しく理解できる者が美味しいトコ取りをできる時代だ、ということ。「よくわからない」と人任せにした瞬間、あっという間にババをつかまされる、というわかりやすい時代。それは、時代や事案を自分の目で確かめて正しく考える人と、テレビやウェブでの情報収集を中心としている人との間に埋めようのない情報格差が生まれはじめている。(引用:オーガニック革命 高城剛著:集英社)

ということを強く強く肝に銘じることだと強く意識しておきたいと思います。

「踊らされるな、自ら踊れ。」

僕に生きる上でのモットーですが、そうするためには
もっと街に出て、海外に出て、実際に目で見ること、
そして座学としての勉強を欠かさないことだといまさらながら思います。

僕はロクな学生生活は送らなかったけど
いま、思うことは本当に大事なことは学校では学ぶことはできず、身銭を切って経験したことしか身につかないし、本当の意味で勉強にはならないということ。

僕は今年で38歳になって、決して若いとは言えないけど老いてもいない。
でも、気がついた時が「一番若い」という事実を何よりも大事にしたいと思う。

激動の時代において、守りの姿勢は下手をすれば命を取られてしまいます。
主体的に、能動的に生きていきたい。だって、いろんなことがあるけど、やっぱり生きるってことは刺激的で楽しいことだと思いますから。

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写真はすべてアメリカ・オレゴン州・ポートランドを訪れたときのものです。アメリカにおける栄華の凋落の一端として、人気を極めたポートランドの姿はなかなか厳しいもののようですね。とはいえ、また訪れたいと思う町の一つです。国家レベルは別にして、やはりその場所の人の温かさにはまた触れたいと思ってしまうのです。

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