記事一覧

言わない

ここ最近平穏な日々だったが、久々に感情が大きく動く出来事があった。久しぶりに内臓がシクシクする感覚を味わう。 どうしてもひとりで消化しきれないことが起こったとき…

massangeana
5年前
11

抱きしめることの効用

息子が保育園に通っていた頃、落ち着かず色々と我慢もできない息子を見たある人から、「1日1回でいいから5分、その間は他のことは何もしないで、子どもを抱きしめて」と…

massangeana
6年前
8

父の入院

夜の11時半頃に母から電話があった。 普段かかってこない時間帯の電話は、これまでの経験上嫌な予感しかしない。 母がかけてきているということは父に何かあったのではと思…

massangeana
6年前
4

梅田ど真ん中ながら穴場のカフェ。振り向くとJR大阪駅が見える。
日本人の女の子に英語レッスンしてたらしき黒人のお兄さんが「ボクこれからうどんたべる。ぼくのおひるごはん。うどんはさいこうのぬーどるよ。みすぅおうどん」
味噌うどん?

massangeana
7年前
8

買い物帰り、信号待ちにて。

「ねえ。おかあさんはおとうさんのことどう思ってるの?」 「おー踏み込んできたね。何とも思ってないって感じかな」 「ええええ。じゃあおとうさんに好きな人ができても…

massangeana
7年前
1

おやすみの前に

息子が寝る前にはいつもぎゅうをする。 向き合って両腕で抱き締める。 何かイヤなこととか悲しいこととかあった日はちょっと長めに。ご機嫌だった一日は一瞬で終わり。 今…

massangeana
7年前
6

こんな、なんて言わないで

何気ない言葉で相手の気持ちがかいまみえるとき。 「こんな人生を歩んできたものですから」 外で働くことなく、家族のお世話をずっとしてきた私よりも年上の彼女。 初めて…

massangeana
7年前
2

さみしくない理由

さみしさを感じなくなったことを書いた後、心情にものすごくぴったりくる文章を読んだ。 離婚して、一人になることを選んだ今の私の隣には、そもそも誰かのための椅子なん…

massangeana
7年前
2

ひとりのほうがさみしくない

誰かといるよりひとりでいる方がさみしくない、ということを実感として知った。身体の底がすかすかして、どうしようもない不安感があったのに、全部なくなった。 帰ってき…

massangeana
7年前

誕生日

誕生日までもう少し。あと何日?と数え始めた息子。 誕生日は嬉しいけど、年をとるってさみしいねという。 なんで?と尋ねると、だってお母さんと一緒にいられる時間も減…

massangeana
7年前

8/8

東京での週末。 息子はお父さんと祖父母ん家で来週まで夏休みのお泊まり。 週明けは諸事情あってこちらのオフィスへ出社するけど、夏休みの気分。しばし解放感を味わう。 …

massangeana
8年前
1

すれ違いの花火

もうすぐ今のところに越してきて1年になる。 引越し屋さんを見送って、不用品の引き取りも済んで空っぽにした家を出て、タクシーを捕まえた。品川の新幹線のホームで「さ…

massangeana
8年前

正解かどうかなんてわからない

離婚して仕事を辞めて、息子だけを連れて大阪に帰ってきて3か月経った。 息子は親の心配をよそにあっさりと転校先の小学校のクラスに馴染み、だんだん大阪弁で話すように…

massangeana
8年前
4

7.24

ここで関わりができた人たちとのさようならの儀式真っ盛り。 また会いましょうと言ってくれる人が何人かいる。ここで過ごした時間にも意味が残るのだなあ。 別れることは…

massangeana
9年前

6.29

渋谷から大手町で乗り換えて後楽園まで。 丸ノ内線に乗るたびに、丸ノ内サディスティックのフレーズが流れて、ちょっとドキドキした純粋な頃もあったなーと久しぶりに思い…

massangeana
9年前
1

砂時計の砂が落ちた

もう十分。次行こうと、スパンとスイッチが入ったのか切り替わったのか。 今自分にある大事なものだけ持って、大事じゃないものは全て置いて、次に行こうと腹が決まった。 …

massangeana
9年前
言わない

言わない

ここ最近平穏な日々だったが、久々に感情が大きく動く出来事があった。久しぶりに内臓がシクシクする感覚を味わう。

どうしてもひとりで消化しきれないことが起こったとき、突然電話しても許してくれる友人の存在はありがたい。事情を説明して本来の問題についてひとしきり話した後、「それはそれとして」と友人から指摘されたのは母親のこと。

友人に電話する前、一応両親にも伝えておこうと実家に行った。そのときのやりと

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抱きしめることの効用

抱きしめることの効用

息子が保育園に通っていた頃、落ち着かず色々と我慢もできない息子を見たある人から、「1日1回でいいから5分、その間は他のことは何もしないで、子どもを抱きしめて」と教えられた。

以来、父親側の所へ泊りに行く以外の日は、1日1回以上、必ず正面から抱きしめる習慣が付いた。私と息子の間では、この行為は「ギュウする」と呼ぶ。

始めの頃は寝る前にしていたが、いつからか時間は関係なくお互いがしたいときに求めて

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父の入院

父の入院

夜の11時半頃に母から電話があった。
普段かかってこない時間帯の電話は、これまでの経験上嫌な予感しかしない。
母がかけてきているということは父に何かあったのではと思いつつ、電話に出る。

予想通り父が体調不良で入院したという連絡だった。
命の危険があるというわけではないので、母は自宅に帰ってきたという。
とりあえずほっとする。

翌日、母が入院のための書類に署名をしてほしいと訪ねてきた。
父の様子

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梅田ど真ん中ながら穴場のカフェ。振り向くとJR大阪駅が見える。
日本人の女の子に英語レッスンしてたらしき黒人のお兄さんが「ボクこれからうどんたべる。ぼくのおひるごはん。うどんはさいこうのぬーどるよ。みすぅおうどん」
味噌うどん?

買い物帰り、信号待ちにて。

「ねえ。おかあさんはおとうさんのことどう思ってるの?」

「おー踏み込んできたね。何とも思ってないって感じかな」

「ええええ。じゃあおとうさんに好きな人ができてもいいの?」

「いいんじゃないかなあ」

「じゃあおかあさんは好きな人いるの?」

「いないし、お母さんはきみと仕事と暮らすことでいっぱいで好きな人は当分いらないなあ」

「そっかあ」

信号が変わって走り出した息子が渡った先でこちらを

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おやすみの前に

息子が寝る前にはいつもぎゅうをする。
向き合って両腕で抱き締める。
何かイヤなこととか悲しいこととかあった日はちょっと長めに。ご機嫌だった一日は一瞬で終わり。

今日は私がちょっと疲れていた。
「あのさ、明日ぼくがそうだんのるよ?」
思わず笑っちゃったけど、息子は大真面目に
「だって支えになりたいよ。」

いるだけで支えなんだよ。笑ったから元気になったし。ありがとう。おやすみ。

だって支えになり

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こんな、なんて言わないで

何気ない言葉で相手の気持ちがかいまみえるとき。
「こんな人生を歩んできたものですから」

外で働くことなく、家族のお世話をずっとしてきた私よりも年上の彼女。
初めて働く職場で手探り中。

こんな、なんて言わないでいいんですよ。
のどまで出かかったけれど、そこまで切り込んで言えるほどの長さも深さもあるお付き合いじゃない。

そこには触れず、今お願いしている業務だけでなくてきっとこんなこともお願いでき

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さみしくない理由

さみしさを感じなくなったことを書いた後、心情にものすごくぴったりくる文章を読んだ。

離婚して、一人になることを選んだ今の私の隣には、そもそも誰かのための椅子なんてない。

美しいさみしさの奥にあるグロテスクな本音と向き合う|柴原明子

そうかあ。椅子を置いてないのか。

ちょくちょく、いずれは再婚すれば?とか、再婚したらいいよと言われる時。子どもが小さいからとかは関係なく、自身にその気持ちがない

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ひとりのほうがさみしくない

誰かといるよりひとりでいる方がさみしくない、ということを実感として知った。身体の底がすかすかして、どうしようもない不安感があったのに、全部なくなった。

帰ってきた直後からなんとなくそんな気がしていたけど、疲れ切って空っぽになったからさみしさを感じないのか、傷だらけになった反動の強がりでそう思い込もうとしているのか、判断がつかなかった。さみしくないんだ!と結論を出すのは保留にして、自分の状態を観察

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誕生日

誕生日までもう少し。あと何日?と数え始めた息子。

誕生日は嬉しいけど、年をとるってさみしいねという。
なんで?と尋ねると、だってお母さんと一緒にいられる時間も減るってことでしょ。

そうね。確かに。

8/8

8/8

東京での週末。
息子はお父さんと祖父母ん家で来週まで夏休みのお泊まり。
週明けは諸事情あってこちらのオフィスへ出社するけど、夏休みの気分。しばし解放感を味わう。

深夜2時か3時に赤坂を通って四ッ谷を抜けて甲州街道へ、ってタクシーの運転手さんに説明してたなあ。
で、2時間だけ寝て、朝息子起こしてそのまま普通に定時で出社って、よくあんな生活してたな自分。無茶やわ。

車から眺めた赤坂見附前の道を歩き

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すれ違いの花火

もうすぐ今のところに越してきて1年になる。

引越し屋さんを見送って、不用品の引き取りも済んで空っぽにした家を出て、タクシーを捕まえた。品川の新幹線のホームで「さすがに疲れたわ」とつぶやくと、息子に「おかあさんはひとりでがんばりすぎだからゆっくりしたらいいよ」と言われ、思わず笑ってしまった。

「そっかあ」と笑いながら、ああちっちゃい子にこんなこと言われてしまうくらい、私余裕なかったんだなあと思っ

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正解かどうかなんてわからない

離婚して仕事を辞めて、息子だけを連れて大阪に帰ってきて3か月経った。

息子は親の心配をよそにあっさりと転校先の小学校のクラスに馴染み、だんだん大阪弁で話すようになってきた。
私も想定していたよりあっさりと仕事が決まり、働きはじめた。

息子は大事な話をお布団に入ってから眠りに落ちるまでにする。
日中どれだけアホなことをして笑い転げていても、本音はこの時だけしか言わないようだ。

最初の1ヶ月、繰

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7.24

ここで関わりができた人たちとのさようならの儀式真っ盛り。
また会いましょうと言ってくれる人が何人かいる。ここで過ごした時間にも意味が残るのだなあ。

別れることは苦手。
何気なく別れて2度と会えなかった人たちを思い出す。

6.29

渋谷から大手町で乗り換えて後楽園まで。
丸ノ内線に乗るたびに、丸ノ内サディスティックのフレーズが流れて、ちょっとドキドキした純粋な頃もあったなーと久しぶりに思い出す。

知らぬ間に絡まりあって楔となっていたものを、ひとつひとつ外していく作業の途中。

バスに乗りながら、電車を乗り換えながら、ふわふわと考える。

後悔しないように生きると決めたのに、いつの間にか死んだように生きることになっていたのは

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砂時計の砂が落ちた

もう十分。次行こうと、スパンとスイッチが入ったのか切り替わったのか。
今自分にある大事なものだけ持って、大事じゃないものは全て置いて、次に行こうと腹が決まった。

この道を進んでいっても、上手くいかないんだろうなとどこかで自身も薄々わかっていたのだと思う。
砂時計が落ちきるのを待っていただけで。

時は満ちたり。
あとは行動するのみ。