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抱きしめることの効用
息子が保育園に通っていた頃、落ち着かず色々と我慢もできない息子を見たある人から、「1日1回でいいから5分、その間は他のことは何もしないで、子どもを抱きしめて」と教えられた。
以来、父親側の所へ泊りに行く以外の日は、1日1回以上、必ず正面から抱きしめる習慣が付いた。私と息子の間では、この行為は「ギュウする」と呼ぶ。
始めの頃は寝る前にしていたが、いつからか時間は関係なくお互いがしたいときに求めて
梅田ど真ん中ながら穴場のカフェ。振り向くとJR大阪駅が見える。
日本人の女の子に英語レッスンしてたらしき黒人のお兄さんが「ボクこれからうどんたべる。ぼくのおひるごはん。うどんはさいこうのぬーどるよ。みすぅおうどん」
味噌うどん?
買い物帰り、信号待ちにて。
「ねえ。おかあさんはおとうさんのことどう思ってるの?」
「おー踏み込んできたね。何とも思ってないって感じかな」
「ええええ。じゃあおとうさんに好きな人ができてもいいの?」
「いいんじゃないかなあ」
「じゃあおかあさんは好きな人いるの?」
「いないし、お母さんはきみと仕事と暮らすことでいっぱいで好きな人は当分いらないなあ」
「そっかあ」
信号が変わって走り出した息子が渡った先でこちらを
こんな、なんて言わないで
何気ない言葉で相手の気持ちがかいまみえるとき。
「こんな人生を歩んできたものですから」
外で働くことなく、家族のお世話をずっとしてきた私よりも年上の彼女。
初めて働く職場で手探り中。
こんな、なんて言わないでいいんですよ。
のどまで出かかったけれど、そこまで切り込んで言えるほどの長さも深さもあるお付き合いじゃない。
そこには触れず、今お願いしている業務だけでなくてきっとこんなこともお願いでき
ひとりのほうがさみしくない
誰かといるよりひとりでいる方がさみしくない、ということを実感として知った。身体の底がすかすかして、どうしようもない不安感があったのに、全部なくなった。
帰ってきた直後からなんとなくそんな気がしていたけど、疲れ切って空っぽになったからさみしさを感じないのか、傷だらけになった反動の強がりでそう思い込もうとしているのか、判断がつかなかった。さみしくないんだ!と結論を出すのは保留にして、自分の状態を観察
誕生日
誕生日までもう少し。あと何日?と数え始めた息子。
誕生日は嬉しいけど、年をとるってさみしいねという。
なんで?と尋ねると、だってお母さんと一緒にいられる時間も減るってことでしょ。
そうね。確かに。
正解かどうかなんてわからない
離婚して仕事を辞めて、息子だけを連れて大阪に帰ってきて3か月経った。
息子は親の心配をよそにあっさりと転校先の小学校のクラスに馴染み、だんだん大阪弁で話すようになってきた。
私も想定していたよりあっさりと仕事が決まり、働きはじめた。
息子は大事な話をお布団に入ってから眠りに落ちるまでにする。
日中どれだけアホなことをして笑い転げていても、本音はこの時だけしか言わないようだ。
最初の1ヶ月、繰
7.24
ここで関わりができた人たちとのさようならの儀式真っ盛り。
また会いましょうと言ってくれる人が何人かいる。ここで過ごした時間にも意味が残るのだなあ。
別れることは苦手。
何気なく別れて2度と会えなかった人たちを思い出す。
砂時計の砂が落ちた
もう十分。次行こうと、スパンとスイッチが入ったのか切り替わったのか。
今自分にある大事なものだけ持って、大事じゃないものは全て置いて、次に行こうと腹が決まった。
この道を進んでいっても、上手くいかないんだろうなとどこかで自身も薄々わかっていたのだと思う。
砂時計が落ちきるのを待っていただけで。
時は満ちたり。
あとは行動するのみ。