正解かどうかなんてわからない

離婚して仕事を辞めて、息子だけを連れて大阪に帰ってきて3か月経った。

息子は親の心配をよそにあっさりと転校先の小学校のクラスに馴染み、だんだん大阪弁で話すようになってきた。
私も想定していたよりあっさりと仕事が決まり、働きはじめた。

息子は大事な話をお布団に入ってから眠りに落ちるまでにする。
日中どれだけアホなことをして笑い転げていても、本音はこの時だけしか言わないようだ。

最初の1ヶ月、繰り返しやっぱり東京がいい、おとうさんも一緒がいい、とささやくように話していた。
私も繰り返し一緒に暮らせない理由をわかるように話した。

だんだんとその話をすることが減ってきて、寝るとき以外は相変わらず調子のりで、けれど、泣きわめく訳でもなく静かに話をしてくれた気持ちはまだずっと彼のなかにあるだろう。

これでよかったのかはわからない。
よかったと思えるとしたらおそらくずっと先のことで、その時息子は大人になっているんだろう。

そう思えるようになるまで、多分なった後も、ささやくように話した息子の様子や言葉は忘れられないんだろう。