すれ違いの花火

もうすぐ今のところに越してきて1年になる。

引越し屋さんを見送って、不用品の引き取りも済んで空っぽにした家を出て、タクシーを捕まえた。品川の新幹線のホームで「さすがに疲れたわ」とつぶやくと、息子に「おかあさんはひとりでがんばりすぎだからゆっくりしたらいいよ」と言われ、思わず笑ってしまった。

「そっかあ」と笑いながら、ああちっちゃい子にこんなこと言われてしまうくらい、私余裕なかったんだなあと思った。

8時半ごろだったか、新大阪から実家までまたタクシーに乗った。淀川の花火大会が終わった直後で運転手さんがあと20分早かったら、橋の上で花火が見えたのにねぇと話していた。花火を見終わってゆるゆると帰っていく人たちを眺めながら、来年は見れるかしらと考えていた。

来週の土曜日には今年の淀川の花火大会がある。その日は昼に父親と祖父母に会わせるために東京へ行くことになった。予定を決めた後に花火大会があることと、丁度1年経つことに気づいた。

今年も見れないけれど、まあいいか。