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“帰る場所”を探す

私は今、引っ越しを検討中だ。

今よりも条件の合う物件を探している。

“家”とは、“帰る場所”。

一人暮らし
実家
故郷
賃貸
仮住まい…関係なく。

自分が「ただいま」と言う場所はどこでも
紛れもなく、自分の帰る場所だと思う。

もしかしたら場所だけではなく
“人”や“環境”も、帰る場所になりうるのかもしれない。


何が一番大切か。


今よりも

家賃が安い。
駅が近い。
交通の便が良い。
スーパーが近くにある。
自然が多い。
鉄筋コンクリート造。
南向き。

など。利便性と、あれば嬉しい条件。

物件を探す時、
条件の優先順位を考えると、自分が生活の中で“何を大切に考えているか”がわかりやすい。
全ての条件を満たすのはなかなか難しいけれど
「これだけは譲れない」と思う条件。

私は
「2階以上」であることと、
「バス・トイレが別」であることだ。

その条件を満たした上で、さらに

「公園が近くにあって、散歩しやすい」とか
「独立洗面所や浴室乾燥付き」だとか
「キッチンや部屋が広い」とか…

あったら嬉しい環境や機能のあるものから厳選していく。

これがなかなか、難しい。
一方があると、一方が欠けている。ということが多い。

しかし、選ぶ時間に余裕があるうちは、楽しい。
時々変わった間取りや内装の物件があるのを発見しては、「もしもここに住むとしたら…」と思いを馳せている。


私の、私による、
私のためのインテリア空間


どこかへ出かけて、帰ってくる日々。

元気な日もあれば、
心身共に、とても疲れている日もあるだろう。

その時に、全力でくつろげる空間にしておきたい。

帰ってきたら、ホッとする。
無防備に、羽を伸ばせる。
外で何か辛いことがあった時、「早く家に帰りたい」と思える。

そんな空間。


私は“木の温もり”がとても好きなため、
できるだけ木目調のインテリアを心がけている。

好きな本ばかり並ぶ、好きなデザインの本棚。
電子ピアノとギター。
思い出のある雑貨や、快適な家具・家電に囲まれて

一つ一つは高価なものでなくても、
気づけば
学生時代から苦楽を共にしてきた、思い出のものがたくさんある。

染みや傷もあるけれど、それも“私のもの”である証だ。

どんな家に住むことになっても、
この自分の“インテリア”が、結局自分の落ち着く空間を作り出してくれそうな気がする。


いつの日か。


なんだかんだ言っても、
今の私にとって、結局一番大きいのは“金銭面”だ。

何も考えず、
自分が好きな間取り、広さ、場所、機能だけで選べたらどんなにいいだろう。
どんなに楽しいだろう。と思ったりする。

けれど、
たとえ何の制限もなくどこにでも住めるような状況だったとしても
やはりじっくり考えたい、と思うような気がする。

自分がそこへ帰ってきた時。
本当に落ち着くのか。
本当に不便なく、暮らしていけるのか。
楽しく、平和に暮らしている自分が想像できるか…。

どんなに条件が良くても、
実際に内見して、見て、触れて、何となく「違うな」と感じる時もある。
「なんか暗いな。」とか
「部屋はいいけれど、周囲が飲み屋街で夜も賑やかなんだろうな…」とか。
だからこそ、時間をかけて考えたい。
結局どんな時でも、私は“帰る場所を探す”のに手を抜くことができないようだ。


いつの日か

広いキッチンで
自分でブレンドしたハーブティーを淹れ
花を飾り
植物を育て
本棚を増やして図書館のようにしたり
音楽に没頭できる空間がひとつあるのもいいな。
間接照明もおきたいな。

と、夢はどこまでも膨らんでいく。

…しかし今回は、生活力向上の引っ越しではなく、その反対だ。
貯金のため、やむなく引っ越す苦渋の決断。


これから引っ越す先がどんな場所であろうと

「ただいま」と言う場所。
心から安らげる場所。
頑張った自分を、存分に甘やかしてあげられる空間。

どこへ行っても、大丈夫。
私には、私らしくいられるインテリアがある。

住めば都。
自分で決めたその場所が、自分の“帰る場所”になるはずだ。

少し不安もあるけれど
夢を持ち続けて、前向きに引っ越しを考えよう。


2023.11.27


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