#物語
天上の戯れ (お話)
ああ、降ってきたね。
雷もすごいな、嫌いかい?大きな音がするからね。
あれはね、神様たちが踊っていなさるんだ。
金の縁飾りのついた衣装を着て、腕や足に煌びやかな飾りをつけてね。雲間が光るのはそのせいさ。そうそう、あの音は踊りの拍子をとる太鼓だよ。
・・・まあ、時々ステップを間違うんだろうね、それで地上に火のついた足を踏み下ろしてしまうのかも知れない。
それか、悪ふざけか。存外に荒っぽくて気ま
天翔ける配達人は橇とばし聖夜の静寂に鈴響かせる
「プレゼント、何がいい?」
電話ごしに恋人は私にたずねた。
私は物欲が薄いし、必要なものはいまのところ全部あるのだ。困ってしまった。
「強いていえばあなたがここにいてほしいけど」
「それは、ごめんね」
わかっているのだ。この人は今夜が一番忙しい。
「じゃあお願いをひとつ」
「わかった、何でもどうぞ」
「世界を消滅させてほしい」
「急に怖いこと言うなあ。難しいけど、ま、やってみるよ」
「・・・