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温かな冠

昔、昔、あるところ、ふくろう毛糸屋やっていた

風が冷たい師走の月曜、大きな鬼がやってきた
頭にかぶった黒い帽子がお店の天井こすらんばかり

大きな鬼は「毛糸ください」小さな声でこういった
「どれにしますか」
「この白色のやつください」

毛糸は買ったが鬼はもじもじ
どうしましたかとふくろう問えば
帽子の編み方知らぬという。

帽子の編み方教えてもらい、礼を言い言い鬼帰る

火曜にまたその鬼が来て、オレンジの毛糸買ってった
水曜もまたその鬼が来て、真っ青な毛糸買ってった
木曜もまたその鬼が来て、緑の毛糸買ってった
金曜もまたその鬼が来て、黄色の毛糸買ってった
土曜にもまたその鬼が来て、焦げ茶の毛糸買ってった
日曜にもまたその鬼が来て、桃色の毛糸買ってった

次の月曜また鬼が来た、七つ子の子鬼連れてきた。
子鬼が頭にかぶるのは白にオレンジ、青、緑、黄色に焦げ茶に桃色に、色とりどりの毛糸の帽子
鬼の首には虹のマフラー、余り毛糸で編んだもの。

「これをあなたに」と鬼が差し出す
暖かそうな白い膝掛け
「良いのですか」とふくろうは問う
「編み方教えてもらいましたから、そのお礼です、どうぞあなたに」

そういう訳で今日もふくろうは膝掛けかけて店番をする

時々子鬼が外を走れば頭にはあの毛糸の帽子


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高校生の時位に作ったお話のリメイクです。昔作った時はこういう風にリズムは整えてなくて、ただざっくりしたあらすじを書いたものでした。リズムを整えるために会話の流れが不自然になってるところありますね・・・反省。

それにしても全く詳しくないのに何故私のお話のイメージにはみみずくだのふくろうだのが頻繁に出てくるのか。謎。


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