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#短編
黄金色の図書館(お話)
「植物園……ですか?」
「いいえ、ここは図書館です」
彼が私を案内してくれたのは、ガラス製の半球状の屋根を持った、背の高い建物だった。
扉を開けて中に入ると、民家の3階までに届くくらいの高さの木々が、石畳を敷いた通路を挟んで左右に並んでいるのが見えた。通路の行き着くところは入り口からは見えない。木々の葉はみな一様に黄金色に光り、地面は同じ黄金色の落ち葉で覆われていた。
やっぱり植物園じゃないか
天上の戯れ (お話)
ああ、降ってきたね。
雷もすごいな、嫌いかい?大きな音がするからね。
あれはね、神様たちが踊っていなさるんだ。
金の縁飾りのついた衣装を着て、腕や足に煌びやかな飾りをつけてね。雲間が光るのはそのせいさ。そうそう、あの音は踊りの拍子をとる太鼓だよ。
・・・まあ、時々ステップを間違うんだろうね、それで地上に火のついた足を踏み下ろしてしまうのかも知れない。
それか、悪ふざけか。存外に荒っぽくて気ま
天翔ける配達人は橇とばし聖夜の静寂に鈴響かせる
「プレゼント、何がいい?」
電話ごしに恋人は私にたずねた。
私は物欲が薄いし、必要なものはいまのところ全部あるのだ。困ってしまった。
「強いていえばあなたがここにいてほしいけど」
「それは、ごめんね」
わかっているのだ。この人は今夜が一番忙しい。
「じゃあお願いをひとつ」
「わかった、何でもどうぞ」
「世界を消滅させてほしい」
「急に怖いこと言うなあ。難しいけど、ま、やってみるよ」
「・・・