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仏教に学ぶ生き方、考え方「バカ」

 ある本によると、アメリカの片田舎に住んでいた85歳の女性が、「もしもう一度人生をやり直せるとしたら」という問いに「もっとバカなことをしたい」と語ったそうです。

 また同じくアメリカに住む90歳以上の方々に「人生で後悔していることがあるならばそれはなんですか?」というアンケートを取ったところ、九割を超える方が「もっと冒険しておけばよかった」と答えたそうです。

 私たちはよく、「バカなことをしてはいけません」とか「人に尊敬されるような人になりなさい」とか「堅実に生きなさい」という言葉をかけられますが、その反対に「もっとバカなことをしなさい」「もっと冒険しなさい」とは言いませんよね?

 親や先生は、自分がどう生きたかより、子どもたちには「失敗してほしくない」と心のどこかで思っているはずです。

 親や先生という立場では子どもたちには辛い思いをしてほしくないと思うあまり、そう言うのは自然なことです。

 でも本当にそういう生き方がいいと思っているのでしょうか?

 もしかしたら心のどこかに「事勿れ主義の自分」がいてその自分に耳元で囁かれているだけなのかもしれません。

 そして安心安定の選択を繰り返し、最後になって後悔するということになるかもしれません。

 人はいつか必ず死を迎えます。そのときには、人生を通して得たすべてのものを手放すということをどれくらいの人が知っているでしょうか?

 つまり人は必ず手放すものを、汗水たらして得ようとしていると言ってもいいかもしれません。

 そう考えてみると、今何も持っていなくても、今仕事がなくなっても、今好きな人と離れたとしても、「今」という瞬間はまだまだあるわけです。

 そして今という時間があるならば、それがいつかなくなるときまで、前を向いて、進んでいけるのではないかと感じています。

 であるなら人様に「バカ」と思われるようなことも、きっと素晴らしい生き方になるのではないでしょうか?また失敗したと思っていたことが、実は人生の糧になっていることもあるでしょう。

 仏教は「自分の死」を意識し、そこから逃げずに向き合うことで、人生にとって何が一番大切なことなのかを、考え実践していく生き方であるともいえます。

 教えられたことを参考にしながら、自分が主体的に生きていく、それこそがお釈迦様の言われた自灯明(じとうみょう)の考え方なのだと思います。


 ★今日の一句★

 人生の
   主役は自分
       冒険しよう






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