周囲の助言を受け入れられない頭の固い人は、自分の考えを構造化できていない
【ポイント】
すばらしい助言の多くは概念的である。概念を概念として理解したのではダメで、それを自分の経験や身の回りの課題に置き換え、イメージに落とし込まなければ腹落ちできない。
たとえ腹落ちできたとしても、自分の考えを構造化できていない人は助言を自分ごととして受け止めることができない。頭の固い経営者はコレだ。
自分の考えを構造化できれば、助言を自分の考えとのギャップで捉えることができ、頭を切り替えることができる。
皆さんはクレイトン・クリステンセンが著した「イノベーションのジレンマ」という本をご存じでしょうか。1997年に紹介され、一世を風靡したビジネス本なので読んだ方も多いはずです。
世の中の経営者にもさぞかし大きな影響を及ぼしたのかと思いきや、その当時も今も、日本企業の経営意識はあまり変わっていない気がします。
逆に、経営者は「敢えて、変わらないという判断をしたのか」というと、そんなはずはありません。なぜなら、この本の教えを実践していれば回避できたはずの経営危機は、数え上げるときりがないからです。
では、なぜ …
私は2つの理由があると思います。
[クリステンセン理論を実行に移せなかった理由]
クリステンセンの理論に具体的な事象を当てはめて、腹落ちするまで読み込むことをしなかった。つまり、概念を概念として理解しただけだった。
クリステンセンの理論は腹落ちしたものの、行動を変えることができなかった。そして、時間の経過とともに忘れ去ってしまった。
前者は「概念を具体的なイメージに落とし込めなかった」ということです。これは私のメインテーマのひとつなので、これからも何度も触れることになるでしょう。
そんなわけで、今回のテーマは後者のほうです。
私は「どんな人と仕事をしたいですか」と尋ねられると、次のように答えます。
「他人の意見を合理的に活かせる人です」
頭の整理や構造化であれば、私は手伝うことができます。ところが、導き出された結論を受け入れることができるのは本人だけです。成功体験からくる価値観や思考ロジックなどが邪魔をして、他人の意見を受け入れることができない人は少なくはありません。
こんな事態に陥ったとき、私は改めてこう思うのです。
「構造化は大切だ」
自分の考えを構造化できれば、他人の意見を自分の考えとのギャップで捉えることができます。
「こっちは当てはまるな」「あっちは違うビジネス環境での話だな」といった具合です。
逆に構造化できていない人にとって、意見の相違は全面否定されているのと同じで、不愉快でしかありません。
「受け入れるか否か」という硬直的な対処しかできないわけです。
こうしてみると、クリステンセンの理論を実行に移せていない理由がわかるような気がします。
この本を読んだ、自分の考えを構造化できていない経営者たちにとって、クリステンセンの理論は「他人ごと」でしかなかったのです。
最後にあえて書きますが、「他人の意見を受け入れる」と「他人の意見を鵜呑みにする」はまったくの別物なので、注意しましょう。
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