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よりぬきしりんさん

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存在証明

存在証明

冬の風われに魔物が棲む日あり

風情も余韻もありません。読んでそのままです。この魔物が時に私を食い殺すきっかけは明白で、それは
絶対孤独(のようなもの)
です。
なんと呼べばいいか、
あなたはあの悪夢のおぞましさに、何と名前をつけますか?

高校のときからなにかとお世話になっている
Green Day

この詩を解したときの、一種抉られた心境は忘れられない。
この頃の私は、もろもろありながら、

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めがさめて

めがさめて

めがさめて
ゆきのあかりで
めはさめて
まどをあければ
しろいまち
のどのかわきに
みづをのみ
はらもすいたが
けんしんの
あさなりたれば
ものくはず
けんしんなれば
ものくへず
きさんじせんと
そとにいで
くるまにつんだ
ゆきをかき
かたにつもつた
ゆきはらひ
しろいつしきの
まちをながめ
いまおとづれる
ふゆをおもひ
まうすぎさりし
ふゆもおもひ
「ばりうむ」をおもひ
にがわらひ
おもふあ

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親のしごと

親のしごと

さいきん出不精の娘を、半ば無理やりに膝頭運動公園に連れていった。
膝歩き、膝走り、膝自転車、膝スキー、膝バレーを堪能したぼくたちは、膝まづいてお弁当を食べた。お昼からは、特設イベント『楽しもう!殿中でござる』にも参加することができて、娘はたいそうご満悦だ。
進路に悩む彼女も、しっかり膝を使えたことで「旗本以上になる」という目標が見えてきたようだ。励みにと、帰りに『絶対突破 昌平黌』を買い与えた。膝

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告白

告白

えと、さ。
アタシもね、あなたが好き。
クールで素っ気ないとこが。話しかけても、ツンとしてるとこが。

だからさ、付き合っても構わないで。目も見ないで。知らない人のフリして。とにかく近づかないで。どっか行って。この世界から消えて。来世も、来来世も、縁なくすれちがいたいの。

よろしくね。

大好きすぎる

大好きすぎる

私が惚れたその人は、私が生まれた時には、この世界にはいませんでした。人並みの望みと失望とを繰り返し、30年余り、ごくごく平凡に生きてきたが、半年ほど前、退屈しのぎに立ち寄った小さな美術館の、肌寒い小展示室で、あの一葉のモノクロ写真と出会った瞬間から、私の内側には、狂おしさとしか呼びようがない魔が巣食ったのです。あるいは私が、そのような狂気を元々持ち合わせていたのでしょうか。彼女について調べ、はるか

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わたく詩 11/26

わたく詩 11/26

鼠色

鼠色に鼠色を混ぜて鼠色のカンバスに塗りたくる。癇癪を起こした鼠色の少年はまだ乾かぬカンバスに身を横たえる。何もかもが哀しくなった少年は鼠色のコートを羽織りお気に入りの眼鏡をかけて鼠色の穴を出る。はるか彼方には七千色の世界が見える。鼠色の百均で買った七千色眼鏡の効果である。鼠色の北風に襟を立てて少年はただ歩き歩き歩き歩く。鼠色のブーツは底が剥がれて鼠色の麦畠に脱ぎ捨てる。なぜ歩くのかと問いか

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Looking Thru Me 90s From Both Sides

Looking Thru Me 90s From Both Sides

《Side A》

はじめて聴いたのは1995年、高校2年のときで、模試A判定にかまけてバンドばっかりにかまけていた頃。ドラムスだったが、留年してた同級生の別バンのリョウジ君があまりに上手すぎて、そりゃ上手いわ、あの人大学行かずにバックバンド行ったもの、で、ともかく始めて1週間くらいで向上心は失せて、まあ何でしょう、スタジオでまあまあ練習してはすり鉢状のせっまい街中でナンパと合コンにかまけていたわ

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