存在証明
冬の風われに魔物が棲む日あり
風情も余韻もありません。読んでそのままです。この魔物が時に私を食い殺すきっかけは明白で、それは
絶対孤独(のようなもの)
です。
なんと呼べばいいか、
あなたはあの悪夢のおぞましさに、何と名前をつけますか?
高校のときからなにかとお世話になっている
Green Day
この詩を解したときの、一種抉られた心境は忘れられない。
この頃の私は、もろもろありながら、むしろ社交的でお調子者だったし、自分がここまでのデクノボーの役立たずだと分かる契機も、まだ無かった。
けれど間違いなく強烈に走った、あの電気は何だったか。
どうも私は気づいていたとしか思えないのです。
(仮想の)敵意が恐ろしい。
(仮想の)反論に怯える。
(仮想の)陰口が始終聞こえる。
(仮想の)嘲笑に身がすくむ。
(仮想の)孤独に、私は孤立する。
*
あれからまあ山ほどの本を読み、小山ほどの話を聴いてもらいにゆき、なお私のなかの the world that's been planned out は、何も変わらない、ぴくりともしない。
頑丈な鉄扉を全身全霊込めて押さえている。少しでも気を抜いたら、魔物は周到に私を取り込みます。
これはしんどい。
この魔物は、何もかもを食い尽くし壊し尽くす、それは私が一等よく知っている。
なぜ籠るか。
なぜ殻を破らないのか。
なぜもっと自分を出さないのか。
私は私なりに、知恵と良心を振りしぼって、案じているのです。
ひょんなことで、私の魔物が私の殻をかぶり、お外にひどい悪さをしないよう、私は私を一生懸命なだめているだけだ。
にっちもさっちもどうにもならないその絶対孤独が私の表皮にゆめ露出しないよう、私は(前にも書いた)実にさまざまな distractions を駆使するのです。
で。
困ったことに、今日は非常に危ない。危ない危ない。
こういう緊急時は、壁が三方から交わる点、つまり突き当たりのすみっコをじーっと見る。無の眠りが襲うのをただ待つ。
それ以外に、慰めはないです。
*
みなさん、悪魔はいるんですよ。
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