マサカカオルコ

マサカ カオルコです。 たまに、娘の作品もあります。

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最近の記事

東京家族~夫とは、父とは~

 夫が家出をした。理由は家の中での自分の扱いに不満がるとの事だ。なぜ夫がそう思ったのかを考えてみると、思い当たる節が多々ある。しかし、それには理由がある。  結婚して十六年、親になって十年、夫は良くも悪くも結婚前から変わらない。自分中心で物事を見ている。だからと言って横暴だというわけでもない。外で美味しいものを食べれば私や娘にも買ってきてくれる。ただ、その食べ物が私や娘が苦手なものだったとしても、それは夫には関係ない。夫は自分が良いと思ったものはきっと私や娘も同じように思って

    • 東京家族~立ち向かう強さ~

       私が行くスーパーマーケットは曜日によって買い得品が違う。火曜日は畜産が安い日なのだ。娘は唐揚げが好きなので鶏肉をよく買う。その日も鶏肉を目当てに買い物に行くと、何とお目当ての唐揚げ用の鶏肉が八〇〇ℊと大容量でお買い得になっていた。私は迷うことなく手に取った。そして他に必要な物を買い、家に帰った。  買い物とは頭を使うので疲れる家事の一つだ。うる覚えの冷蔵庫の中を思い出しながら様々な食材と組み合わせたり、明日やその先のことまで考えながら買う物を決めなければならない。なので買い

      • 東京家族~迷彩服~

         家事の一つに洗濯がある。洗濯を辞書で引くと「汚れた衣服などを洗って綺麗にすること」と書かれている。しかし、家事としての洗濯は洗濯機で洗った衣服を干し、乾いたら取り込み、たたみ、それぞれの場所に収納するまでを言う。  衣服を洗うのは洗濯機がしてくれるのでそこまで大変ではない。その後が本当の洗濯だと思っている。我が家は三人家族だが洗濯物は割と多く出る。その理由は夫だ。夫は朝と夜にお風呂に入り、外から帰ると必ずパジャマの前に別の洋服を挟む。すぐにお風呂に入ってくれれば一着分の洋服

        • +16

          わすれんぼうポポちゃん

        東京家族~夫とは、父とは~

          東京家族~ゴジラVSミニラ~

           かつては遠く他人事の一つのだった更年期が顔を出してきた。初期は何となくやり過ごし、そしてやり過ごせた。けれども次第にまとわりつく様に常に感じる。それは未知なるゾーンに突入したのと同じだ。学校の窓ガラスを全部割ったり盗んだバイクで走り出したり、実際にはしないししたいとも思わない。けれども頭と心はちぐはぐで心の中では割りまくりだし走りまくりだ。そしてこの未知なるゾーンに突入したのは私だけではなかった。娘がどうやら思春期に突入したみたいだ。  更年期と思春期、同じホルモンと一括り

          東京家族~ゴジラVSミニラ~

          禁煙

           散歩と言って抜け出そうか、買い物と言って抜けだそか。好きにすればいいものの、何をそんなに言い訳を考えているのだろうか。誰に何を言われる事も咎められる事もない。私は十分に大人だ。  今もこうして言い訳を考えている。あぁ、煙草が吸いたい。

          東京家族~うる覚え~

           無意識に何度も耳にしている音楽は記憶に定着している。そしてふとした瞬間に口から出る。そして初めてそれが気に入っているのだと認識する。それは大人でも子どもでも同じだと思う。  娘が幼稚園の頃、自転車の後ろに乗せ買い物に出たところある歌を口ずさんだ。  トットロ~、トットロ~♪ 映画を見せたことはなかったが、きっと幼稚園で習ったのだろうと微笑ましく聞いていた。歌詞を全部覚えていないのか同じフレーズを永遠と歌っていた。信号が赤に変わったので私は自転車を止めた。娘は相変わらずト

          東京家族~うる覚え~

          胃炎

          体の内から込み上げてくる 不愉快な感情を誕生させる 胸は熱くなり、じわじわと焼き尽くすように体を襲う 逃げるように目をつむり、過ぎるのを待つ #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

          無題

           それぞれに言い訳がある様に、その行いに理由がある。 見方を変えれば悪にもなり、善にもなる。 何をもって裁くのか、裁かれるのか。 導かれるままに、歩むその先に幸せはあるのだろうか。  法律に反する事は裁かれる対象となる。 明確に線引きがあるのなら、理解できる。 感情で動くものには、答えはない。  救える感情は限りがある。 神に委ね、裁きを待つ。 地獄への入口に立つ足は、重たい。 繰り返される日常によって、足場は今にも崩れてしまいそうだった。 一歩を慎重に踏み出し、また一歩と前

          東京家族~ご対面~

           その日私はコストコに行く準備をしていた。妊婦の私は臨月を迎えていた。初産とあり周りからは出産予定を過ぎると言われていた。予定日まで二週間もあった。だからと言って余裕をかましていたわけではないが、家に居るのも退屈なにで弟夫婦の車に同乗してコストコに行くことにした。夫はと言うと、ゴルフに出掛けていた。そんな夫のことなど気にすることもなく、家を出ようとしたとき下半身に違和感を覚えた。お下からちょろちょろと水が出ているのを感じた。妊娠すると頻尿になった何かと下半身のトラブルが起きる

          東京家族~ご対面~

          東京家族~優しさ~

           私の夫は決して意地悪でも、不親切でもない。どちらかというと優しい人だ。ただ、その優しさが偏っている。一度でも心を許したら例え相手に裏切られようが関係なく自分がしてあげたい事をする。求めることはない。そんな夫に子どもが出来たと伝えると、喜んでくれた。けれども私と違い自分自身に変化が現れるわけでもないので、当事者という自覚がない。私が悪阻で苦しんでいても、どこか他人事だったり妊婦へ配慮の足りない言動は多々あった。ホルモンに支配された私は何度も夫を恨み、今もそれらの言動は忘れるこ

          東京家族~優しさ~

          東京家族~娘と携帯電話~

           子どもというのは本当に周りをよく見ている。特に親の言動は見るだけでなく、真似までしている。この真似も家庭内なら笑いごととして扱えるが、親から離れた場所、つまり幼稚園や学校でされると大変だ。目のあたりにしていない分、周りがどのように受け取っているかも分からないし、又聞きの要領で別の子どもが各々の家庭で真似をしていたら、大元である我が家に対してどう思っているのかと考えるだけで恐ろしい。うかうか笑顔で挨拶を交わす事すらままならない。  他にも私としては無意識な行動であっても娘の目

          東京家族~娘と携帯電話~

          東京家族~娘と携帯電話~

           子供に携帯電話を持たせる論争、我が家もその渦中にいた。結論から言うと、持たせることにした。悩みに悩み、持たせることにした理由は習い事を始めたからだ。幼稚園に通っていた頃は習い事の時間もそう長くはなく、習い事側も子供を一人で外に出すことがそもそもなかった。教室まで送り届け、教室で引き渡していた。何かあれば習い事側から私に連絡がきていた。しかし、小学生になると変わって来る。一年生から六年生までを小学生と括る。一人で来て、一人で帰る子も多くいる。ついこの前まで幼稚園生だった娘も同

          東京家族~娘と携帯電話~

          東京家族~伝説のキャバ嬢~

           うちの夫は家に居ない。平日は勿論仕事をしている。だから家に居ないと指すのは週末のことだ。夫は会社勤めなので土日祝日がお休みだ。このご時世、有給なんかも取りやすい。けれども夫は家に居ない。趣味のゴルフに行く事もあるが、毎週ではない。けれども毎週末、夫はいない。では何をしているかというかと、誘いが多いようだ。仕事繋がりもあれば単純に友人からの誘いもある。家庭を持って、一桁の年齢の子どもがいる人をこうも誘えるものかと疑問に思っていたが、それは夫が結婚をしていて、子どもがいると知っ

          東京家族~伝説のキャバ嬢~

          東京家族~夫、父になる~

           娘が四歳になるまで、夫が自分に子どもがいることを受け入れられなかったらしい。私が不貞を働いたとかそういうことを疑っているわけではなく、小さな子が家に居ることが不思議だったようだ。夫はどちらかというと子どもは苦手な方で、身近に子どもがいない大人生活を送ってきている。だから、私が妊娠したと分かった時、無知ゆえの配慮のない言葉を悪気もなくかけてきた。ではなぜ四歳以降、娘を子どもとして受け入れ始めたのかというと、それは幼稚園に通い始めたからだ。  幼稚園に通うことで見える成長や同年

          東京家族~夫、父になる~

          東京家族~夫と娘~

           我が家の構成員の一人である娘は一風変わった小学生だと思う。顔や性格は母親である私に似ているが、性格の根幹は父親に似ていると思う。普段は隠しているのかほぼ私だが、ふとした瞬間に夫の片りんが見える。  夫はいいか悪いかわからないが、人に執着がない。そういう人に限って相手から執着される。けれども夫は興味のない人に対して冷たい。見ているこっちがヒヤヒヤするほどにだ。そして娘はそれを軽く引き継いでいる。まだ子供だからそこまでではないが、大人になった時を考えると少し怖い。  娘はのんび

          東京家族~夫と娘~