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東京家族~ゴジラVSミニラ~

 かつては遠く他人事の一つのだった更年期が顔を出してきた。初期は何となくやり過ごし、そしてやり過ごせた。けれども次第にまとわりつく様に常に感じる。それは未知なるゾーンに突入したのと同じだ。学校の窓ガラスを全部割ったり盗んだバイクで走り出したり、実際にはしないししたいとも思わない。けれども頭と心はちぐはぐで心の中では割りまくりだし走りまくりだ。そしてこの未知なるゾーンに突入したのは私だけではなかった。娘がどうやら思春期に突入したみたいだ。
 更年期と思春期、同じホルモンと一括りにはできない。思春期経験済みの私の見解としては思春期とは成長する上で大切な期間だと思う。目に見えるもの全てが敵であり思い通りにはいかないジレンマを感じ、自分と自分の心に折り合いをつけることを学んでいく。そこで生じる苛立ちや理由なき反抗を親という安全圏にぶつける。頭では思春期とはこういうものなのだと理解もしているし、我が子だから愛しい。できることなら受けとめてあげたい。けれども私は私で更年期という未経験のホルモンと戦わなくてはいけない。思春期のホルモンまで相手にはできない。コントロールの効かない自身の感情と若さ溢れる感情が放たれる。そうなれは衝突は避けられない。これはまさに戦いだ。私が感情任せに何もかも破壊するゴジラなら娘はそれらの上げ足をとり、とどめを刺してくるミニラだ。この戦いはしばらく続きそうだ。

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