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【岩石マニア】石垣島巨石めぐり vol.5|by 鈴木邦彦@石垣島|崎枝の柱状節理 & 屋良部の大トンネル

【石垣島巨石めぐり】をご覧いただきありがとうございます!ギャグ漫画家兼 クライマー兼 岩石マニア の鈴木邦彦と申します。
  
このコラムでは、石垣島の知られざる魅力【巨石スポット】をご紹介してまいります。
毎回だいたい2ヶ所の巨石・巨岩の情報と、大まかな位置情報を記載します。
今回は大地の奇跡とも言える、石垣島の柱状節理をご紹介!
 
島の大地のアート、巨石・巨岩・奇岩の世界を一緒にのぞいてみませんか?

▼過去記事集

(ちなみに岩と石の区別には明確な定義はないですが、一説では地面から生えているものを岩、地面に接している・あるいは浮いているものを石と呼ぶようです。この記事のタイトルは巨石めぐりですが、岩もめぐります。文中ではどちらも用います。)

絶景と言えば崎枝!

崎枝の岩は凝灰岩で溢れかえっていることには、過去の記事で触れました。

凝灰岩は灰のかたまりだけあって風雨や波などの侵食に弱いため、さまざまな形に侵食され、風光明媚な地形を象ることで知られます。吹割の滝(群馬県)や鳳来峡(愛知県)などの全国的に著名な景勝地が一例です。

そんなわけで、石垣島でとにかくド派手なロケーションを味わいたいなら崎枝に行くべきです。
海岸線にはまるで怪獣のような様相の凝灰岩の岩塔が立ち並び、海には荒波が絶え間なく押し寄せます。この地においては「のどかな風景が続く牧歌的な石垣島」はすっかり影を潜めます。

今回はそんな崎枝の中でも、特に目を引く巨石ポイントをご紹介いたします。

御神崎灯台を下から見上げた景色

崎枝の柱状節理

溶岩やマグマ全体が、冷えていく過程でぎゅーっと縮むときに、きれいな5角形や6角形の柱状の割れ目ができます。 これを柱状節理(ちゅうじょうせつり)といいます。

日本のあちこちにありますが、その幾何学的・神秘的な造形美はいずれも景勝地として讃えられています。

かの有名な福井県の東尋坊の柱状節理

沖縄県ではこれまでおそらく久米島のもの(久米島町奥武島の畳石という名勝で、国の天然記念物)しか知られていませんでしたが、なんとここ石垣島にも柱状節理の岸壁が存在するのです!

崎枝の柱状節理も、文化財などに今すぐ登録されるべきスケールと美しさ、そしてジオサイト的な重要性を備えていると思います!

崎枝の柱状節理、大迫力!

先にご覧いただいた、福井の東尋坊と比較してもまったく引けを取らない、見事な‥神秘的な景観ではないでしょうか。

これを見たとき、僕は石垣島にはジオパーク認定を受けられるポテンシャルがじゅうぶんにあることを確信しました。

とにかく圧巻なので見てみてほしいです!大干潮時は歩いていけます。
(歩くには気合いとすべらない靴などの準備、また水をいっぱいお持ちください。)

▼場所:だいたいこのへん

屋良部の大トンネル

屋良部崎の奥に、自然にえぐられてできた凝灰岩の大トンネルがあります。

常にごうごうとトンネルを強風が吹き抜け、また満潮時は荒波がトンネル内を駆け巡り、「石垣島離れ」した圧倒的なスケール感の自然を楽しむことができます。

ここもぜひとも訪れてほしい崎枝のスポットです。於茂登トンネルと屋良部トンネル、石垣島には2つのトンネルがあったのです!

トンネル遠景

こんな大規模なトンネルをこの大岸壁にくり抜く、大いなる自然の力には心底驚かされます。
そしてこの地を訪れるたび、何万年という、この大工事に費やされた悠久の時間を感じずにはいられません。

とにかく圧巻なので見てみてほしいです!

▼場所:だいたいこのへん

まとめ

今回は石垣島がジオパークに登録されるべき!と熱弁しつつ、「崎枝の柱状節理」と、「屋良部の大トンネル」についてご紹介させていただきました。
いかがでしたでしょうか。
かなりディープな内容かと自覚しておりますが‥
また次回も、島の巨石スポットをいろいろご紹介できればと思います。
拙文にお付き合いいただき、ありがとうございました。


▼「石垣島巨石めぐり」記事集です!


この記事を書いた人

鈴木邦彦
ギャグ漫画家/クライマー
日本最南のギャグ漫画家として活動。
また、ボルダリングジム&ガイド「TOP OUT」運営。
石垣島のボルダリングエリアの新規開拓や、山や滝へのトレッキングガイドも行う。

■連載中
八重山日報「アフロくん」
月刊やいま「まじむん日記」
月刊まーるマガジン「マーロくん」
フリーファン「くにくにのぐだぐだ」など。
4コマ漫画がメイン。

経歴
国民体育大会スポーツクライミング競技 出場多数。
野底マーペーを崖側から登頂。
野底ボルダー最難ルート「ティンガーラ」初登。
2023年 40歳にして沖縄県総体スポーツクライミング競技 男子総合準優勝。
スポーツクライミングにおいて日本代表選手を含む多くの選手の指導経験を持つ。
座右の銘は「下には下がいる」。

Instagram:@topout.guide


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