無防備な白(ごまふ)

あの日買った白パーカーを、僕の垢が汚している。

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最近の記事

夢見

 今日はとにかく夢見が悪かった。  とある人の訃報を聞いて、でもそんなに心乱れなかったから大丈夫かと思っていたのだけれど、その人が夢に出てきて、やっぱり駄目なのかなと思った。  生きてるときに怒られたことなどないのだけれど、何故か俺は怒られていた。何か怒られるようなことをしただろうか。したかもしれない。思い当たる節は、ある。果たせなかった約束がある。返せなかった恩がある。  そのあと俺は(最近スーパーマリオブラザースムービーを見た影響か)クッパをボコボコにして目覚めた。  冷

    • とある救世主について

       私は大学生の頃、空っぽであった。  空っぽだと空っぽが集まるのだ。私の周りの人間関係は終わっていた。その中で私はかなり面倒くさくない空っぽ野郎だったと思う。誰かに縋り付いて助けてほしいとか、自分を傷つけてそれをひけらかしたりとか、そんなことは一切しなかった。私の周りにはそんなことばっかりしてる人たちばかりだったのだが。私は黙って心療内科で貰った薬を飲んで、空っぽだなぁと思いながら生きていた。  そんな時に仲良くなった人がいた。その人は私のような空っぽの人たちと仲が良かった。

      • BUMP OF CHICKEN 「aurora arc」

         タイトルのアルバムは私が大学時代の時にリリースされた。その時に何回か聴いて、とても良いアルバムだな、と思った。アルバム自体について覚えているのはそれくらい。  とある女の子がいた。たまにブロンたくさん飲んだり、腕を切ったりする、そんな女の子。  その子はBUMP OF CHICKENが大好きだったので、このアルバムも聴いているだろうと思い、リリースされてから暫く経った頃、夜の公園で私はその子にこのアルバムがとても良い、特に月虹がお気に入りだと言って、月虹をスマホから流し

        • タバコ

          眠れなくて眠れなくて 眠れなくて仕方がないので一晩で50本のタバコを吸ってやった 頭は痛くなるしクラクラするし それでも望んでいた何かに一歩近づいた気がする この文章はR18ではない 言うなれば不法投棄だ 胸を張って生きることが人生の目的なのだから

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        • 思考整理
          10本
        • 日記
          10本
        • 昔書きなぐった文章
          8本

        記事

          シリアスな笑い

          目の前でとんでもないミスをして目の前でとんでもなく怒られているところを見た。 その時の自分といえば、もう笑いを堪えるのに必死だった。こう書くと私がとても最低な人間に思えるだろうが、そうではないのだ。 こういうシリアスな場面でどうしても笑いそうになってしまうのだ。決して人が怒られているのを見て面白がっている訳ではない。 例えば小学校で先生が怒ってクラス中が静まり返っている場面、葬式のお通夜など、ここで吹き出したら最悪だろうという場面で吹き出しそうになる。 こういった空気

          シリアスな笑い

          新幹線に乗っている。 信号設備点検とかで1時間ほど遅延したため、上司に連絡、振り替えなどの手間をかけさせられた。 新幹線に乗っている時間はなんだかゆったりできるので好きだ。 私は昨日買った松本圭二の詩集を開いた。半魚まで読んだ時点で、『夏』が過ぎ去ったことをまざまざと見せつけられたような気分になり、なんだかもう読みたくなくなり本を閉じた。 今日は今朝からかなり冷える。昨日の時間を思い出す。詩集、秋の空、人、人、漫画、靴、人、ガター、ガター、ガター、ガター、ガター、競馬

          本を読むのに

          先日、村上春樹訳のキャッチャー・イン・ザ・ライを購入した。のでこれを読もうと思いページを開き、1ページ読んだところで本を閉じた。 やばい。全然読めない。本読むのってこんなにしんどかったっけ。松本圭二の詩集はスラスラ読めたのに。 そういえば社会人になってから本全く読んでないな。活字から離れすぎたか。大学生の頃は通学中に読んでたけど、社会人になってから電車乗ってる時間ずっと寝てるし、この前も電車の中で松本圭二の詩集を読みながら寝落ちして落としたんだよな。バサッと音がしたその時

          スプラトゥーン3

          ボロ負けしてコントローラーを投げそうになったところで、今お前が床に叩きつけようとしているものは7,000円以上したお高いプロコンとかいうものだ、脳内から声が聞こえて我に返った。 やめた、やめやめ。スプラトゥーン3スリープ。 怒りというのはやはり、他人が期待通りに動いてくれない時に感じるものだな。こんなことで怒るんじゃない。怒りの原因は俺にしかない。いつだって。 昔はこんな怒りっぽくなかった。FPSゲームでボロ負けしても笑ってたんだけど。 あのくそったれジジイと関わって

          スプラトゥーン3

          ロートル

          「あの人は仕事遅いしあんま期待すんな」 2つ上ほどの先輩が50歳ほどの人を見ながら僕にそう言った。 まあ仕事は遅いかもしれないけど、ミスする訳では無いし、同じことを何度も確認してくるけど、まあその分仕事は確実だし。 あーなんとなく、未来の自分がそんな感じになりそう。これのミスするバージョン。仕事遅い上にミスもする。クソみたいなロートル。 なんてこと言ってもあんな歳まで仕事続けてんのかな。仕事辞めてそう。どっかで野垂れ死んでそう。 社会に恨みを持って幸せそうな奴らを道

          電球

          出張から帰ってきた日、玄関の扉を開けて明かりをつけようとスイッチを押したのだが、何度押しても明かりはつかなかった。 ついに電気も止められたか。この前水道を止められて水道局まで料金を払いに行った経験をしたばかりの私はそう考えたが、そもそも電気料金はクレジットカード払いにしているのだからそんなはずはないとすぐに思い至り、次にブレーカーを怪しみ探ってみた。 落ちてなかった。では何だというのか。真っ暗な玄関で靴を何とか脱ぎ捨て、リビングへ向かいスイッチを押す。リビングの電気はつい

          何も思いつかない

          色々あって久しぶりに詩でも書こうかなと思ったのだが何も思いつかない あの頃感じてた虚無とか厭世観とかを思い出す方法は何も思いつかない 人生に潤いを、刺激を、安定を生む方法は何も思いつかない 頭の中に燻る焦燥とか不安を洗い流す方法は何も思いつかない 生まれながらの欠陥を埋める方法は何も思いつかない 生まれた意味を考えても考えても何も思いつかない 死んだっていいと思いながら生きてたあの頃を思い出す方法は何も思いつかない 笑って生きたいと思えたあの日に回顧する方法は何

          何も思いつかない

          とある女の子の話

          大学生の頃の話。 とある女の子と僕はすごく仲が良かった。一緒にギター弾いたり、映画を見に行ったり、カラオケ行ったり、飲みに行ったりした。 一緒に飲みに行ったときには色んな話を聞いた。色んな男とセックスしたとか、リストカットとか、ブロンとか。 そういう話を聞いてから、まれにリストカットしてしまったとかラインが来たりした。大学で会ったときにテンションが違うから今日はブロンキメてきたな……とか何となくわかるようになった。 大学で一緒に歩いているのを当時付き合ってた彼女に見ら

          とある女の子の話

          味覚

           朝に食べたレトルトカレーがクソ不味かった。  とうとう味覚に異常が出たか。俺も年貢の納め時かなと思ったのだが、昨晩飲み残したお酒を一口飲むとしっかりと気の抜けたアルコールの味がした。煙草を吸ってみると普通に美味かった。  ただ単にレトルトカレーが不味かっただけだったのだ。 「美味しいものが食べたいなぁ……」  ぽつりと呟いてから、もう一本煙草を吸った。美味い。

          実家の犬の話

          【追記】つい先日母親の腕の中で息を引き取りました。  これは私の最近の心配事の話です。Twitterに慣れてる私のような人からしたらまあまあ長文なので暇な人だけ読んで下さい。読んだらスキ!して下さい。何人がこの長文を読むのか知りたいので。  私は今大阪で一人暮らしである。だから埼玉の実家に残してきた犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が気がかりなのだ。相当な老犬で、悪性腫瘍が見つかり手術をして、今は酸素室に時々入ったりしているという連絡が母親から入った。それが心配事

          桜と鳥の鳴き声

           昨晩、喉に違和感を感じた。  さっさと寝ようと思い電気を消して布団に横たわる。嫌な想像が頭を駆け巡り、心臓の音がいつもより速いリズムで私の身体を揺らしていた。  また怒られた。私はその恫喝に怯えていた。頭の中で響くその音に立ちすくむ。涙が出そうになる。また殴られると思った。そして私はフラフラになりながら歩いた。一歩前に踏み出した。右手を握りしめ、力を込める。その手を相手に向かって思いっきり振り上げた。  目が覚めた。窓からの日差しを感じながら身体を起こす。私は安堵して

          桜と鳥の鳴き声

          悪夢の連続

           ここ最近の悩みを打ち明けさせてもらいたい。  悪夢だ。大阪に引っ越してきてから毎晩悪夢を見る。  夢の中で僕は罵倒され、侮蔑され、殴られる。  今だから言うが、大阪に来る前、毎日のように殴られていた時期があった。大阪に来れば忘れられると思っていたのだ。もう会うことはないのだから。  それなのに夢の中で、しつこく俺を蝕んできやがる。  不思議と恐怖は感じていなかった。今感じているのは怒りだ。ぶつける宛もない怒りが悪夢から目覚めたのちにやってくる。イライラしながら煙草を吸う。そ