スプラトゥーン3

ボロ負けしてコントローラーを投げそうになったところで、今お前が床に叩きつけようとしているものは7,000円以上したお高いプロコンとかいうものだ、脳内から声が聞こえて我に返った。

やめた、やめやめ。スプラトゥーン3スリープ。

怒りというのはやはり、他人が期待通りに動いてくれない時に感じるものだな。こんなことで怒るんじゃない。怒りの原因は俺にしかない。いつだって。

昔はこんな怒りっぽくなかった。FPSゲームでボロ負けしても笑ってたんだけど。

あのくそったれジジイと関わって、殴られてから、人を殴りたくなるほどの衝動を覚えるくらいの怒りが湧いたあの日から、怒りっぽくなったような。

それにしても怒るのがこんなに快感とはな。少しでも気に食わないことがあったら怒っちゃえば自分の中にあった虚無とか哀愁とか全部忘れちゃう。

目の前の敵認定した相手に怒りをぶつけることで頭に上ってきた血で青く塗られた思考が塗り替えられて、スプラトゥーンならボロ勝ちもん。

ここまで書いておいてなんだけど、俺は普段優しい人間だと思われてるし、人に怒りをぶつけるようなことはないから安心してほしい。本当に、本当だよ。いや実際は臆病なだけだし、そう指摘されたこともあるけど、それで怒りを人にぶつけずに済んでるんだから優しいってことでいいだろもう。

怒りの感情なんて俺にとってはそんな大したもんじゃない。寝てる間に哀愁とか憂鬱とかが塗りつぶしてボロ勝ちしてくれる。やぐらの上に乗って俺の思考を蹂躙してくれる。

コイツラは怒りなんかよりずっと深い付き合いだから本当に強いよ。強いなぁ。