実家の犬の話

【追記】つい先日母親の腕の中で息を引き取りました。

 これは私の最近の心配事の話です。Twitterに慣れてる私のような人からしたらまあまあ長文なので暇な人だけ読んで下さい。読んだらスキ!して下さい。何人がこの長文を読むのか知りたいので。

 私は今大阪で一人暮らしである。だから埼玉の実家に残してきた犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が気がかりなのだ。相当な老犬で、悪性腫瘍が見つかり手術をして、今は酸素室に時々入ったりしているという連絡が母親から入った。それが心配事である。

 というのは正確に言えば違う。

 さて、私の本当の心配事を記す前に、簡単に家族構成と犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)を飼うことになった経緯を説明しよう。

 父親、母親、2つ上の姉、そして末っ子である私の4人家族である。父親はよく知らんけどすごい大企業に勤めており、母親は看護師として地元の耳鼻咽喉科医院(いわゆる町医者)に勤めている。姉はとある国立大学生で一人暮らし、私は今年の4月から大阪勤務で一人暮らしである。つまり今埼玉の実家には父親、母親、犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が住んでいる。

 私は家族に恵まれたと思っている。物怖じせず怖いもの知らずだけど少し口下手で本当に困ったときには助けてくれる父親、人見知りで少し自信なさげに見えるときもあるが優しくてよく人に尽くす母親、幼い頃には揉み合いで腕を引っ張り私の肩を外したりとかされたがなんだかんだ仲の良い姉、そして小学6年生ぐらいの頃に母親が保健所に送られそうになっていたところを引き取った犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)の5人家族だ。さっき述べた4人家族というのは嘘である。

 そんな家族の一員である犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が今はいつまで生きられるのかわからない状態である。元々引き取った時点で成犬だったため、それから約10年間生きてきたと考えるとかなりの長生きではあるのだが。そもそも一昨年の年越しの時点で「一緒に年越しできて良かったね」と母親が言っていた。既に危険な状態だったのだ。それから一年と4ヶ月も生き延びている。私も覚悟しなければならない時が近づいてるのはよく分かっていた。

 だから先日母親から犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が危険な状態であると連絡が来たときもさほど驚きはしなかった。覚悟の準備はしておいたので。

 では私の心配事とは何なのか、それは母親である。

 母親は本当に優しくて人に尽くす人間で、それをすることが幸せであるように見える。理由こそ聞いたことはないが、だからこそ看護師という職業に就いたのではないのだろうか。私が精神的に不安定で引きこもりがちになった時期も、本当に優しくしてくれた。それがあったから私は再び社会に出てこれたのだ。

 そんな母親なので、犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)の世話のほとんどを母親がしていた。それが母親にとっての幸せの一つなのだろう。私が犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)にちょっかいを出して噛まれたとき、いつもは優しい母親に「ちょっかいを出したお前が悪い」と苦言を呈された(実際私が悪い)。

 母親の優しさは私にとって有難かったが、それに甘えていてはいつまでも自律できないと思い、一人暮らしを始めた。それは今日も続いている。姉のほうは既に一人暮らしをしている。姉も私も、心配をかけながらではあるが、何とか一人でやっている。

 だからこそ、私は母親のことが心配なのだ。犬(超かわいいミニチュアダックスフンド♂)が亡くなったら、母親はどうなるのだろうか。献身的に尽くさねばならない存在の喪失、それは母親にどんな精神的ショックを与えるのだろうか。

 私の母親がやわな人間だとは思ってはいないが、私の不安症的基質は母親引き継いだものだと思っている。なので母親の気持ちはそのへんの奴らよりはわかるつもりだ。

 やがて亡くなる命への悲しみなんかより、残された人間のことのほうが心配で仕方がない。私は薄情な人間だろうか。まあ、薄情だろうがなんだろうが、母親のことが心配なのだ。そんなことはどうでもいい。

 このご時世だから、母親のために実家に帰ることすら相当なリスクを伴う。それは避けるべきだ。どんなに心配でも私は私で何とかして、母親は母親で何とかしてもらうしかない。

 あ、そうだ。確か父親はテレワークで最近は家にずっといるんだっけ。よし、お父さん、お母さんのことは頼んだぞ! 俺よりお母さんのことよくわかってんだろ? じゃあよろしく! コロナ落ち着いたら帰るよー! じゃあまた!

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