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観劇/感想

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記事一覧

生きるも死ぬも、自らの手で。 Anonymous Gods

生きるも死ぬも、自らの手で。 Anonymous Gods

神に何を祈ろうか。

明日いい事がありますように。

ごはんを美味しくたべられますように。

美しい木漏れ日を浴びられますように。

あたたかい布団で眠れますように。

あなたが、幸せでありますように。

サラサ

美しくあることを求められ、応えようと努力し、美しくあり続けた。しかし世間も母親も彼女の美しさに答えてくれなかった。恋人も「きれいだよ」と声をかけることもなかった。

だから彼女は自らの

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リフレインに塗る薬 ーエリア51「ハウス」

白く四方を囲まれたマイ・ハウス。

そこで繰り広げられる、生活という名のリフレイン。

リフレイン生きていかねばならない。食べなければいけない。

そのために働かねばいけない。

生かし続けなければいけない命が目の前にある。

この子の生殺与奪の権は私にある。しかし選ぶ余地はない。

生かし続けなければならない。食べさせなければいけない。

そのために働かなければいけない。

私とこの子の生活を遂

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かながわ短編演劇アワード2022 〜公開審査会を見て〜

かながわ短編演劇アワード2022 〜公開審査会を見て〜

かながわ短編演劇アワード2022、2日目の演劇コンペ&公開審査会を観てきました。

グランプリのMWnoズ、観客賞のエリア51、おめでとうございます!!!

また、かまどキッチン・じゃぷナー観という初めましてのカンパニーの作品を観れたこと、エンニュイさんを知れたことを嬉しく思います。コロナ禍での開催に尽力してくださった皆様に感謝します。

…以下は現場で公開審査会をみて、いち観客として感じたことで

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かながわ短編演劇アワード2022 〜演劇コンペ1日目雑感〜

かながわ短編演劇アワード2022 〜演劇コンペ1日目雑感〜

かながわ短編演劇アワード2022 演劇コンペ1日目を見てきました。

1日目の感想をザクザク書いていきます。

※記載は上演順

※団体名「タイトル」

かまどキッチン「あ、たたかい(の)日々」ミリな事象、自分内面をムクムクふくらませていく。

実際に7つのSNSアカウントを使い分けているという衝撃の掴み(掴みというか事実なんだけど)、それを板の上で肉を纏って展開させるという試み。属すコミュニティ

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いつか、糸を結ぶ日まで。―舞台「粛々と運針」

いつか、糸を結ぶ日まで。―舞台「粛々と運針」

粛々と運針 PARCO劇場

2022/2/13 PARCO劇場にて。

※1度の観劇のみなので、台詞はニュアンスです

私として、母として

人生は選択の連続で、その選択で分岐した世界に進んでしまったら別の世界線に行くことは叶わない。いつだって悩んで、流れに身をゆだねるしかなかったり、決断したりして人生を進めていく。人生という時計の針は止まらない。でも人の心はどうだろうか。

長女・次女を妊娠し

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舞台 グリーンマイル  10/22レポ・感想及び咀嚼のためのメモ

舞台 グリーンマイル  10/22レポ・感想及び咀嚼のためのメモ

[2017/11/6の記事です]

ラジオにて、難しいと思ってたけどストーリーはわかりました!と寄せられた感想に対して「そんなに難しい話ではない、結構シンプル(ニュアンス)」と返していたシゲアキ。

実際、この”グリーンマイル”という話は、

①コーフィとポールの心の交流を描く:ヒューマンドラマ

②謎解き要素:だれが真犯人か?

③死刑制度を考える

という3つの大きな柱がある。それぞれはわりと

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”ラヴ”に狂え!舞台「ラヴ戦争」観戦記

”ラヴ”に狂え!舞台「ラヴ戦争」観戦記

[2018/9/9の記事です]

皆さんは「ホリケン演劇の会」をご存知だろうか。

昨年まで「堀内夜明けの会」名義で開催されていた、「演者たちが堀内の頭の中にある物語を芝居で忠実に表現する」という舞台。この時点でもうヤバイ。ホリケンの頭の中は無限のホリケンサイズだってのは毎週「笑う犬」を見てた人ならだれでも知ってる。

そんなヤバイ舞台、「ラヴ戦争」に推しが出る!!ブリリアン!!!私の推し!!!!

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「女ME」によせて

「女ME」によせて

[2021/7/9の記事です]

エリア51演劇公演、原案:アントン・チェーホフ、作・演出:神保治暉の「女ME」を配信で見ました。

www.area51map.net

かもめは知ってた、知ってたのに見終わったあとものすごいクソデカ感情を食らってしまい、もう今日はずっと「女ME」のことばっかり考えてる。この抱えておくにはあまりに大きな初期衝動をここに吐き出しておく。

※IGTVでの配信1回ぽっ

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胎内 ―宣誓、これからを生きる者たちへ―

[2021/11/18の記事です]

演劇人コンクール2021奨励賞受賞作品、エリア51:神保治暉 演出の「胎内」をYouTubeにて観ました。
www.youtube.com

概要
演劇人コンクール2021の上演審査では、課題戯曲6つのうちよりひとつを選択し、60分以内にて上演。

課題戯曲のひとつ、三好十郎の原作は青空文庫に掲載されている3時間を超える戯曲。

この課題戯曲「胎内(三好十郎作

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とけない、とかさない、とけない。

とけない、とかさない、とけない。

[2022/3/13の記事です]

厚さ13cm。

サンシャイン水族館のメイン水槽:サンシャインラグーンが湛える240tもの水量を支えるアクリルガラスの厚み。目の前にたゆたう、触れることができそうな水生生物たち。しかし彼方と此方ははっきりと、13cmの隔たりがある。彼らのためにも、私のためにも。

とけない
人の中には感情がある。感情、の2文字ではすまない、矛盾もふくめてがんじからめの想い。堰を

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傲慢に血を吐く 舞台「カモメ」

傲慢に血を吐く 舞台「カモメ」

[2021/12/18の記事です]

笑みとともに円陣、掛け声。

「お願いします」と舞台に一礼し歩を進める俳優たち。

”神保”が扉を閉める。

『劇場』が切り取られる。

問い
神保「演劇を続けるべきでしょうか」

”神保”が問う。

神保「劇場は自由な場所ですね。何をしたっていい。じゃあ何をするか。なぜ、するか。」

神保「理由なんてなくていいと思うんですよね、本当は、なにするにしても。でも

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