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B2B企業がブロックチェーンを活用して新しいビジネスを生み出すためにできる事は?

テーマ毎に海外企業の事例シリーズの第五弾!

今月は、

「モビリティ関連企業が取り組むブロックチェーンビジネスに関して」

をテーマに事例を紹介します。

今回は自動車部品大手企業のコンチネンタル社が進める取り組みを参考に紹介したいと思います。

コンチネンタル社とは

コンチネンタル社は1871年に創設されたドイツハノーバーに本社を構える老舗自動車部品メーカーで、売り上げは約5兆円を越える大手企業です。

設立当初は四輪馬車や自転車用のソフトラバー製品、ゴム引き素材を製造し、1904年には世界で初めてトレッドパターンを採用した自動車用タイヤを発表します。

ゴム素材の開発を武器として取り外し可能なリムやイギリス海峡横断飛行の機体などにゴム素材の導入を行い領域を拡大していきます。

当時タイヤの開発は試行錯誤の連続ではありましたが、このような取り組みを経て、社としてのコアバリューを確立させていきます。

(出典:Continental - Research & Development History - Part I)

1930年代に入ってからはレース用タイヤの貢献が目覚ましく、搭載したメルセデスやオートユニオンが活躍を見せるようになります。

第二次対戦中は工場の空襲などで大きな被害を受けたものの、戦後はトラック用のエアスプリング、ラジアルタイヤなど領域の拡大を行います。

1968年には初めて自動運転車の実験を電子技術を活用して行い、半世紀近く前に先駆けて取り組みを行っています。

(出典:Continental History Driverless Car)

各地域におけるタイヤ事業の拡大や買収も継続的に行っており、1987年には北米のタイヤメーカー、ゼネラルタイヤ社(General Tire: GT)の買収を行います。

1995年にはオートモーティブシステムビジネス強化を発表し、独自の部門を開設します。

日本へは日清紡と共同出資し新たな合弁会社「コンティネンタル・テーベス株式会社」を2000年に設立し、ブレーキ・シャシーシステム事業の展開を進めています。

2006年には大きな転換点として、モトローラーの自動車エレクトロニクス事業部を買収しテレマティクスなどのビジネスを強化を強めていきます。

さらに2007年にはシーメンスVDOオートモーティブAGの買収により、自動車部品のサプライヤーとして世界第5位のメーカーとなります。

これによって、従来型のビジネスから大幅にビジネスエリアを拡大していくことになります。

2012年以降アメリカのネバダ州で自動運転の走行実験をスタートし、現在に至るまで自動運転含めた新領域でのビジネス開発を進めています。

(出典:Continental Automotive: Autonomous Testing License, Nevada)

モノづくりからデジタルシフトへ

コンチネンタルでは1万4000人のソフトウェア開発者を抱え、ドイツでも有数のソフトウェア部隊として戦略の開発を行っています。

・車のレンタルサービスで鍵を必要としない生体認証サービス
・自動で車のメンテナンス予測を行い適切に対応するサービス

など車と人とのタッチポイントの改善をデジタル技術を中心に取り組み始めています。

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(出典:From Products to Digital Services: Continental AG Reinvents Its Business for the Digital Age)

デジタルソリューションを通じて自動化を推し進めるだけでなく、自動運転などに紐づいた新しいサービスの設計を行っています。

自動運転の領域ではIntelligent Antenna Moduleというサービスを提供し、今後道路上での車間距離を把握するだけでなく、様々なアプリケーションが接続できる仕組みを提供します。

(出典:Car Antenna for 5G connectivity and car safety)

これまで複雑に処理されていた車載システムを簡潔にまとめるだけでなく、車載をプラットフォームにした新しいビジネスモデルの展開などが今後考えられるようになります。

コンチネンタルでのブロックチェーンの取り組み

コンチネンタルではCrossbar.ioという会社が開発する技術を活用して "Earn as you ride" という新しい仕組みを最終メーカー向けに提供すると発表しています。

ヒューレットパッカードエンタープライズ社と連携し、ブロックチェーンプラットフォーム上でデータの売り買いが行われるというものです。

ここでは駐車場の空き情報を提供することにより、リワードを稼ぐことができるというもので、運転手が作成したウォレットにそれぞれの最終メーカーからインセンティブが付与されます。

(出典:Jaguar | Earn As You Drive with 'Smart Wallet' Technology)

ジャガーでは既に "Destination Zero" ビジョンをコンセプトに運転者はデータを高速道路などの利用料の通行料と交換することができるような取り組みも始まっています。

コンチネンタルのサービスを利用する各社は独自のインセンティブ設計を元に、運転手がデータを特定の目的と交換できる仕組みを提供することができ利用者にとって新しい価値提供を実現することが可能になります。

ブロックチェーンを活用する理由

これまでは自動車メーカー各社が独自のインセンティブ設計を行っていたため、各社で提供しているインセンティブをそれぞれ交換することが難しかったのですが一つの共通基盤を導入することによって可能になります。

共通基盤を導入する際に、中央集権型で管理するモデルではなく分散型のデータベースを活用することでそれぞれが独自のインセンティブ設計を自主的に実現することができるようになります。

分散型の共通基盤を活用することで個別に独自のインセンティブの仕組みを設計することができる
データプライバシーを担保した上で、必要な情報だけを提供することができる

それぞれ基盤を活用するメーカー各社が独自にインセンティブを設計することによって新しい顧客体験の獲得を狙っています。

新規事業で参考にしてほしいポイント

今回のケースでは以下のような事業を展開している企業の方にも応用ができると考えています。

B2B企業で最終顧客を中心に新しいビジネスモデル設計を考えている
モノづくりから新しいソフトウェアビジネスを検討している

この他にも様々な分野で応用できる分野はあると思うので、是非事業を考える上で参考にして頂けると幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます!次回をお楽しみに!

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