Mariko Ishida

思い出は、思い出せなくなったら終わりだ。 何気ない日々に、少しの付箋を貼っていく。 バ…

Mariko Ishida

思い出は、思い出せなくなったら終わりだ。 何気ない日々に、少しの付箋を貼っていく。 バッドエンドなら、続きを書いてしまおう、ハッピーエンドになるまで。

最近の記事

013 アルジャーノンに花束を

この記事は、2017年1月に書いたものをベースにしている。 __________________ 今まで、勉強なんかしない方が良かったのではないか、と思う瞬間が何度かあった。知識をつけて、考えを巡らすほど、逆にわからないことが増えて、自分のちっぽけさや世の中の理不尽に気付き、哀しく、虚しい気持ちになって、生きるのが不自由になる気がするのはなぜだろう、と。 しかし、2016年が終わる頃、1冊の小説と出会い、一つの答えと思えることを見つけられた。 それが、この記事のタイト

    • 012 新卒入社後、8ヶ月で楽天を辞めた理由

      1月末に楽天株式会社を退職した。新卒入社後8ヶ月での決断だった。その経緯について書き留めておこうと思う。 なぜなら、この決断の裏にある自分の思考と意思を、忘れたくないからだ。あるいは、ここで書いたことが、誰かの参考になったり何かを考えるきっかけになればいいなと思う、それがどれだけ些細であっても。 ただし、楽天は社内で扱う情報は基本的に社外秘であり、退職後もその守秘義務はあるので、公になっていると私が確実に認識していること以外は、一般名詞まで抽象化して書く。 また、このキ

      • 011 街中を歩いていて死ななければならない理由

        大阪の中心地で、女子大生が飛び降り自殺の巻き添えになった。 この一件から思ったことを、記そうと思う。 前記事と同様、彼女個人について語るつもりはない。地元でもない場所で、友達と歩いていたら突然人が上から降ってきて、直撃して亡くなった、という事実をきいて、あなたは何を思っただろうか。 街中を歩いていて死ななければならない理由など、もちろんどこにもないだろう。 私は一つ、心底思い出したことがある。 それは、明日死なない保証などどこにもないということ。私は明日死ぬかもしれ

        • 010 飛び降りなければならない理由

          大阪の中心地で、男子高校生がビルから飛び降りた。 この一件について、思うことを記そうと思う。 とはいえ、彼という個別具体について語る、あるいは思いを馳せるつもりはない。 それはあまりに傲慢だと思うのだ。 ビルのドアをこじやぶって、飛び降りた男子高校生。 私たちはそれ以上の何も、知ることはできないのだから。自分の実感値の情報など、何もないのだから。 だから、個別具体について語るつもりはないのだ。それはただの身勝手な妄想であり、消費行為とも言える。そんなことをする気はさ

        013 アルジャーノンに花束を

          009 引き出しの中の言葉

          「大学で何を勉強してきたの?」 「どんな仕事をしているの?」 そう問われたら、自分がしてきたこと、していること、分野。用意している言葉をつらつらと並べることはできる。そして、そのどれもが、社会的な課題が絡められている。 だけど、気付いてしまった。 本当は、社会課題の解決の方法よりも、心に傷を抱えたたった一人への寄り添い方を知りたい。知りたかった。 今はまだ、未来の為にどうすればいいのか、見つけられずにいるけど。 それでも少しずつ、今まで言えずにいたことを、言葉にしよ

          009 引き出しの中の言葉

          008 公衆電話

          ここに椅子を置いた人間は、公衆電話で長電話をする人を想ったのだろうか、誰もがスマートフォンを握りしめるこのご時世で。 小銭と引き換えに得る会話は、どんなものなのだろう。LINEの通話ボタン一つ、電話帳のコールボタン一つで済むはずなのに、人はどんな気持ちで番号を打つのか。コミュニケーションの手段なんて五万とある中で、公衆電話でなけれならない理由があるんだろうか。 LINEが無かった頃の思い出、期間にしては2年半くらいの頃を、思い出す。 メールアドレスが書かれた紙を交換して、

          008 公衆電話

          007 プログラミングで得た人生の糧

          プログラミングの経験のない、むしろプログラミングに対して若干のアレルギーを持っていた私が、3週間プログラミングと向き合った。 この経験を通して、重要なエッセンスを得られたので、備忘録として残しておこうと思う。 プログラミングの具体的なコーディングや開発したアプリについて書くつもりはないが、基本情報に触れておくとこうなる↓ ・言語:Java,HTML,CSS ・フレームワーク:Spring Boot ・開発環境:IntelliJ ・期間:3週間 ・内容:2週間は毎日6時間ひ

          007 プログラミングで得た人生の糧

          006 本当に戻りたい夏

          本当に戻りたい夏とはどんな夏だろう。 少なくとも、iPhoneはいらない、MacBookもいらない。GoogleマップもLINEもいらなければ、クーラーのきいたオフィスは不要だし、Netflixに甘やかされる必要もない。絶対ない。 本当に戻りたい夏とは、自分の足で道を走り抜けて、自転車があれば何処へでも行ける気がして、畳の上で戯れあって、小学生が将来の夢を話す時のような素直さを取り戻した夏かもしれない。 シャッターを切ろうとして諦めた花火とか、汗ばむ肌とか、飛び込んだ海

          006 本当に戻りたい夏

          005 写真

          なぜ写真を撮るのか。 写真を撮るのは、多分、いつか消えるとわかっているからだ。 なんでもない日のなんでもないことが、いつかどうしようもなく恋しくなるのはわかりきっている。でもそうゆう月並みを撮るのは簡単ではない。それがいつか本当に消えるとわかっていなければシャッターは切れない。 なんでもない日のなんでもない光景を撮れる人は多分、何かを何の前触れもなく失った経験がある人なんだろうな。 ー 写真撮るの、好きだったんですよ。iPhoneが5とかの時代から。 頭を経由せず

          004 新宿

          https://www.facebook.com/laughseejapan/videos/466209320606852?sfns=mo 私が終電後の新宿や渋谷を嫌いになれない理由はこの動画に集約されている。 終電逃しちゃいけないのなんて皆知ってる。逃さない方がいいのなんてわかってる。それでも色んな理由でそこにいる。 どんなことであろうと、人には、そうあらざるを得ない理由が必ずあると思っている。 部屋を片づけられないのもゴミを捨てられないのも仕事辞めちゃうのも歩けな

          003 ソーシャルマーケティングとは何か

          ソーシャルマーケティングとは何か、私が大学生活で見つけたことを記す。 大学の専攻は何? に対する私の答えは、「ソーシャルマーケティング」 になる。 様々な分野が存在するSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)で、横断しながら学んできたけど、最後に選んだ分野は、ソーシャルマーケティング。ゼミに在籍した2年間、このテーマと向き合ってきた。 では、ソーシャルマーケティングとは何なのか? 「企業のソーシャル・マーケティングとは企業が資源を利用して、公衆衛生、安全、環境や地域社

          003 ソーシャルマーケティングとは何か

          002 卒業論文

          社会人1日目にして卒業論文について書くのは不思議に思われるかもしれない。けど書こうと思う。 卒業論文とは、文字の通り「卒業研究の成果として提出する論文」である。 それはつまり、4年間の集大成であり、生きた証だとさえ思っている。なぜならば、論文は一夜にして書くことはできないから。執筆に至るまで、膨大な思考プロセスを踏んで、実践して、数々のPDCAを回す。学生生活におけるあらゆる時間と精神と体力を注ぎ込んだ産物が、卒業論文だと思っている。 では、私は何を書いたのか。タイトル

          002 卒業論文

          001 問題意識について

          「問題意識」この言葉は、SFC生の共通言語だと思う。自己紹介で組み込まれるほど、重要な話題。 「あなたの問題意識は何なの?」 事あるごとに問われ、自身でも問い続けた一文だと思う。そしてその答えは4年間を通して変わり続けた。どれもその時々の最善ではあったと思う。それでも自分が発することに我ながら違和感を持ち続けていたのも、事実だと思う。 でもここ一年でようやく納得できるものを見つけられたから、それについて書こうと思う。 結論から言うと私の問題意識は、「自分の生活が誰によっ

          001 問題意識について

          日々移り変わる感情や思考の何割をそもそも認知していて、その何割を、言語化できているのか。 自分も周りも、常に変わっていく。今日考えていることが、明日には変わっているかもしれない。今日大切にしていることを、明日失うかもしれない。そして大半のことは忘れていく。忘れたことさえ忘れる。感情も劣化する。 だから、言葉にするという行為を、意識的に行う必要がある。変わっていくスピードの中でも、自分で見た世界くらいは、自分で表現できるようにしようと思う。私なりの形容の仕方で。 そして、