003 ソーシャルマーケティングとは何か

ソーシャルマーケティングとは何か、私が大学生活で見つけたことを記す。

大学の専攻は何? に対する私の答えは、「ソーシャルマーケティング」 になる。

様々な分野が存在するSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)で、横断しながら学んできたけど、最後に選んだ分野は、ソーシャルマーケティング。ゼミに在籍した2年間、このテーマと向き合ってきた。

では、ソーシャルマーケティングとは何なのか?

「企業のソーシャル・マーケティングとは企業が資源を利用して、公衆衛生、安全、環境や地域社会の福祉を改善することを目指した消費者行動の変化を促すキャンペーン活動を策定し、実行することである。」
ー グッドワークス / フィリップ コトラー (2014)
「”マーケティング”とは、立場の異なる複数の当事者が、相互に関わり合い、ダイアローグ・対話やコミュニケーションを通じて、問題・課題を解決し、新しい価値を創り出して、さらに高めていく”関係づくり”である。それは、ともに目的を達成し、かつ満足度を増進させていく、持続的でスパイラルなプロセスである。」
ー 思考 日本企業再生のためのビジネス認識論 / 井関 利明 (2013)

書籍からの一例だが、おそらく、人の数だけ定義がある。さらには”ing”が示す通り、現在進行形で変化していることでもある。

絶対的な回答は存在しない、という前提の上で、だからこそ、自分にとってのソーシャルマーケティングを定義し続けることに、意味があると思っている。

多くの書籍や文献を読めば、三方良し、関係づくり、持続可能性、価値共創、ソーシャルグッド、ソーシャルイノベーション… たくさんのキーワードを見つけることはできる。

でも、社会に良いことって何?価値って何?そもそも社会って?

もちろん、物事への理解において教科書や参考書はとても大切。ただし、そこに書いてある言葉を暗記するだけでは全く足りない。それらに対する自分なりの解釈を見つけることに意味があると思っている。

だから、私は「小学生にもわかってもらえる言葉で説明できるようになること」を一つの目標にしていた。難しい言葉を使えばそれっぽく聞こえるものだから。噛み砕き、誤魔化しのきかないシンプルな言葉で分かりやすく言い換えることができるようになっていくことが、理解していくことだと思っている。

それでは、「ソーシャルマーケティングとは何か」どのように捉えてきたか、私の2年間の変遷を載せる。

■2018年
「社会課題解決のためにマーケティングの手法や理論を応用すること」
ー 最初は、社会課題の解決、世の中をより良くするための手法としてのマーケティングだと思っていた。「企業の社会貢献性と経済性を両立させるための手法」という説明をしていた時もある。まだまだ自分の言葉とは程遠く、誰かが言っていたことを借りた感が強い。
■2019年
「市場の仕組み,原理を使って社会関係資本を増幅させていく持続可能な仕組みづくり」
ー ここで社会関係資本がキーワードになるのではないかと考え始めた。社会をより良くするとは、社会関係資本を増幅させるということではないか、と。そのためには持続可能な仕組みが必要であり、そのアプローチとして市場の仕組みや原理を応用することが、ソーシャルマーケティングなのではないかと。ただし、じゃあ社会関係資本ってなんだろうね、市場の仕組み原理ってなんだろうね、とここも自分の言葉で言い換えるには至っていない。

そして、このような考えを、小布施町の農家さんという相手をもって実践をした現在は、文章的に少し不格好ながらこう思う。

■現在
「仕組みやプロダクトを通して誰かや何かを繋ぐことで、笑顔の総数を増やし、持続させていくこと。(笑顔の総数を増やし、持続させるために、仕組みやプロダクトを通して誰かや何かを繋ぐこと)」

意味していることは2019年とあまり変わらない。でも、市場の仕組み,原理って?社会関係資本って?持続可能ってどうゆうこと?というように、抽象的な言葉を自分の言葉に言い換えたのが、上記である。

社会に良いこととは何か。本質的価値とは何か。どんな状態になれば、社会に良いことであると言えて、本質的価値があると言えるのか。

**それはつまり、人の笑顔だと私は思う。そしてその笑顔を一瞬で終わらせないこと(持続可能性)、増やしていく(多くの人を笑顔にする)ことが、社会がより良くなるということであり、それを担うのが、ソーシャルマーケティングなのではないかと、今は思っている。 **

整理するとこうなる。

目的:社会に良いこと=人の笑顔が増え、続くこと
手段:誰かや何かを繋ぐこと(人-人、人-もの、人-概念)
手段の手段:仕組みやプロダクトづくり

今までの実感値から言えることをまとめたが、まだまだ探求は終わらない。

学生から社会人へ、立場が変わり働いていく中で捉え方も変わると思う。

どんなふうに変わっていくのか、あるいは変わらないことは何か、何より自分が楽しみだ。

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最後に、本質的価値とは何なのか悩んでいた時に、ブレイクスルーのきっかけになった動画とメモを載せておく。

URL
https://m.facebook.com/officialjackvale/videos/3033712233314948/?refsrc=https%3A%2F%2Fm.facebook.com%2F138725779498014%2Fposts%2F2686345781402655%2F&_rdr

Memo
価値とか意義とか、それっぽいことを綺麗なパワポでそれっぽく話そうと思えば話せてしまうけど。結局は、誰を笑顔にしたか、これが全てだと思うんですよね。本質的な価値とは、そういうことだと思うんですよね。
自分がやっていることは、誰を笑顔にしているのか、したいのか、できるのか。規模に限らず何をするにしても、そういう視点を忘れたくないなって改めて思わせてもらった動画。(2020.02.09)



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