ひとつ前の『風の時代』・鎌倉時代の「手工業」と「スキルシェア」 〜風の時代を会計から読み解いてみよう⑥〜
風の時代と土の時代
今回も、引き続き、ひとつ前の「風の時代」に起きた出来事から、
これからの「風の時代」について考えていきたいと思います。
ひとつ前の風の時代
ひとつ前(前回)の「風の時代」は1185年頃~1425年頃だそうです。
日本では、ちょうど鎌倉幕府が始まった頃ですね。
なぜ、これから先の「風の時代」をずっと昔の歴史から確認していくのか。
その理由はこちらです。
なお、歴史的には、必ずしも正確ではない文章になっているかもしれません。
正確な歴史については、教科書や本などでご確認くださいね。
鎌倉時代の手工業の発達
歴史の教科書を読むと、鎌倉時代には、手工業が大きく発達した時代と言われています。
元々は、手工業は、農作業の副業や家内工業として行われていました。
鎌倉時代には農業技術の発達により、手工業の原料の収穫が増えたことから、
手工業品の大量生産ができるようになりました。
また、農業の発達は農作物の収穫量が増えて、農家に余剰を産み出しました。
余剰は富として、商品の購買力が上がることになります。
農業の副業として行われていた手工業を、副業から、
手工業者として独立した本業として、生計を立てる職人が増えたとされています。
副業とスキルシェア
平成30年1月に厚生労働省は、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しました。
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、働き方改革の一環として、
「副業」の促進が推奨されています。多様な働き方の中の一つですね。
副業に関する規制や法令は別として、
会社員の副業としてのスキルシェアを考えてみます。
手工業とスキルシェア
なぜ、今回、鎌倉時代の手工業と絡めてスキルシェアを考えていくのか。
手工業とスキルシェアの似ている点を挙げてみます。
まず、手工業を辞書で調べてみます。
手工業は、簡単な工具を用いて、専ら手作業で行われていました。
手工業の規模は比較的小規模と言えそうです。家の中で手作業をしているところが想像できます。
一方で、スキルシェアはどうでしょうか。
ここでは会社とは別の組織で働く形(兼業)は想定していません。
副業として、自分の生活圏の中で作業(業務)を行う形を前提とします。
作業として、デスクワークを考えてみましょう。
デスクワークではパソコンやタブレット、スマホのみであったり、
周辺機器を用いて作業を行う形が想像できます。
ここでは、自分の周りにある利用しやすい機器を用いて
作業を行っているところが想像できそうです。
デスクワークの作業の規模は、副業という点からも、大規模な設備投資はあまり考えにくく、小規模な環境での作業が一般的と言えそうです。
手工業とスキルシェアには規模や作業環境に共通点があるように思えます。
自分の本業とスキルシェア
それでは、会社や組織に所属している会社員が、
副業としてスキルシェアを行う形を考えてみましょう。
副業に対して、まず、本業の仕事があります。
本業の業務内容は、必ずしも自分の希望通りとはいかないところがあります。
採用や人事異動に伴って会社側から配属先や業務内容が決められることが一般的でしょう。
言わば、所属や業務内容は、自分に対する自己の評価で決まるというより、
組織内の他者からの評価によって決まることの方が多いのではないでしょうか。
これに対して、
副業としてのスキルシェアを考えてみます。
スキルシェアの場合には、自分自身で何をするのか、自分のどのスキルを活かして作業を行うのかを自分自身で決めることが多いのではないでしょうか。
また、副業として何を行うのかについて、自分の身近な存在に
「自分は何をやったらいいと思う?」や「自分は何に向いている?」などと
相談することもあるかもしれません。
スキルシェアの場合には、他者評価より、自己評価に基づいて
業務内容を決めることの方が多くなりそうです。
この場合に自己評価を行うことは『自分は何をするのが得意か』や、
『自分はどんなことができるのか』などが考えられます。
スキルシェアを行う環境
次に、実際にスキルシェアを行う環境を考えてみましょう。
今では、スキルシェアを行う場合には、
容易に始めることが可能となる環境・サービスもたくさん出てきています。
例えば、様々なスキルマーケットがあります。
クラウドワークス
ココナラ
ランカーズ
また、下のサービスもスキルシェアが可能なサービスと言えそうですね。
ウーバーイーツ
ライドシェア
マナティー
ストアカ
多くのスキルマーケットの存在は、
副業として自らのスキルを販売できる機会や市場の広がりを示しています。
一方で、鎌倉時代に手工業が発達した背景にも、
農業技術の発展による原材料の収穫量の増加や
手工業品を販売できる市場となる「市」が地方でも開かれるようになるなど、
様々な要因があり、手工業に容易に取り組める環境が整っていきました。
鎌倉時代の手工業を行うための環境が整っていったことと同じように、
今、スキルシェアを行う環境がどんどんと整ってきています。
スキルシェアへのモチベーション
副業を行うことに対するモチベーションを考えてみます。
ここでは、スキルシェアをスキルマーケットを通じて行うとします。
本業の会社では、上に書いたように、他者評価により業務内容が決まり、
必ずしも自分の適性にあった業務をやっているとは限りません。
副業でのスキルシェアはどうでしょうか。
スキルシェアでは、自分で何をやるかを決めていきます。そこでは、自分の得意な業務、上手にできる作業をやることが多いでしょう。
「〇〇」という作業が得意である、上手にできるというのは
この作業に、自分は適性があると言えそうです。
得意な業務、作業なら、あまり得意でない業務に比べて、
良い仕事ができそうです。
良い仕事ができると、その業務の発注者にきっと喜ばれることでしょう。
良い仕事ができると、それは良い成果へと繋がります。
発注者に喜ばれて、良い成果に繋がると、自分のモチベーションどうなるでしょう。
私なら、めっちくちや「やる気」が上がります。
「〇〇」という作業は、元々、自分にとって得意な仕事です。
そこにさらにモチベーションが上がれば、さらに良い仕事へと繋がるでしょう。
そうすると、発注者からは、より一層、喜ばれることでしょう。仕事を依頼する人も増えていくことも想像できます。
自分の得意な副業が、どんどんと良いサイクルに回っていきます。
副業が本業となる
風の時代では、物質的な満足から、精神的な満足へ移行すると言われています。
発注者から喜ばれることは、きっと精神的な満足を高めることでしょう。
「自分の得意な業務で、良い仕事ができて、発注者から喜ばれて、精神的な満足を得られる」となってくると
『スキルシェアで行っている業務を本業にしてしまおう』となってきても、
おかしくありません。
鎌倉時代に手工業での専門性を高めて、自分の本業を農業から手工業へ変えた方々がたくさんおられたように。
風の時代のスキルシェアには、鎌倉時代の手工業の位置づけの変化に近いものが出てくるかもしれませんね。
今回は、鎌倉時代の手工業とスキルシェアについて考えてみました。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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