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ブレンドコーヒー ※詩の朗読台本

※海辺に失恋した男たちが恋の苦味を語る朗読のイメージ
(海辺のさざ波と風のBGMを流す。最初に大きく、徐々に小さく流す。セリフの間は切なげな音楽を、流す。)

(男1)次に僕が恋する時は君じゃない。
ただそれだけで、僕はいつも切なくなる。

(1口コーヒーを飲んで、そしてため息をつく)
もう別の恋人が出来たり、結婚しているのかな。
なんて、目を閉じて考えてみるけど
この瞳の中には君との思い出が詰まっている。
だから、そんな事まだ想像できない。

(少し間を空ける)

(男2)
恋は僕だけの世界だったけど、
愛は僕だけが投げかけるだけではダメなんだ。
一緒に投げてくれなければ成立しない。

(1口コーヒーを飲んで、そしてため息をつく)
こんなに愛しても、抱きしめていても、
…君は人形のようにぎこちない。

(少し間を空ける)

(男3)
付き合った最初はさ、歯車が合うんだ。
好きってエフェクトで合わない歯車でも、合わせている。
(1口コーヒーを飲んで、そしてため息をつく)
…でも、その好きエフェクトがなくなった時、どんな好きも嫌いも価値観も合わせられなくなる。
剥(む)き出しになった僕たちの人間性が現れ、
互いの歯車で躰を傷つけないように押し黙る。

(男1から3のどちらか)
僕の恋愛は苦くて、甘くはならない。
夢の中で何度も、何百回も、君がいる。
昨日も今日も、そして僕は10年以上、同じ夢の中にいる。

(切ない声からだんだんと涙まじりの声に)
どこに、僕は終止符を打てばいい?
君は去ってそのまま僕を忘れれば良いだろうけど、

僕は、僕はまだ…
僕は、ただ

君を愛してる。

(海のさざ波の音を流し、風はびゅうびうゅうと大きな音を立てる。その後、突然ぶつ切りにするように音を切って終わらせる。)

[完]

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