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【私なんか、なのか?】新婚女性薬剤師が感じる妊娠出産と転職問題のリアル


どうも、絶賛転職活動中のまにょです。

前の記事でも書いた通り、1件無事に内定をいただきまして。わーいわーいと思いながらのんびり過ごしていたら、転職エージェントの担当さん(Sさん)から電話がきまして。


数件の連絡事項を話したあと、Sさんがこう言ったの。
「⚪︎⚪︎薬局さん(内定くださった薬局さん)が、もう是非一緒に働きたいとおっしゃられてます。面接した翌日に内定が出るスピード感もすごいですし、もう本当にまにょさんが素敵な方でぜひ来ていただきたいとおっしゃられていました。」と。
(これに対し、「転職エージェントなんだからそんなこと言って当たり前だろお前を就職させて薬局からお金もらうためにあいつらは働いてんだよくそんなほぼお世辞みたいなビジネスワードに嬉しがってんじゃねぇよこの脳無しが」と思うようなくそゲス野郎は回れ右。)(そんなゲスすぎる言葉をどこで覚えたまにょよ。)


もうなんてありがたい話なのか。妊娠出産希望します!!!授かるかどうかはわからんが授かることができたら多分すぐ休み取るぜ☆☆☆と前面に押し出す私に対し、「ぜひうちに来てくれ!!!!!!」だなんて言うかね?だって入社してもう短ければ1年未満で休み取るかもしれんのよ?それって採用した意味あんの??即戦力が欲しいからって面接さえしてくれなかった薬局だってあるんよ???やのにぜひ来てくれなんて言えるかね?????


「私なんかにそんなお言葉をかけていただけて本当に嬉しいです、しっかり検討しますね。」


そう伝えて、電話を切りました。




でもふと思うのよ。



「私なんか」って何????????


え、私なんか?今私、私なんかって言った??ん?????



私ってそんななんか価値の低い人間だったっけ??


社会人として約7年。2社の薬局で、めちゃくちゃな即戦力としてはちゃめちゃに利益を上げたとまではいかなくても、会社の求める最低限の業務はしっかりこなして、プラスアルファ会社に利益になりそうな別の業務もこなして、急なシフト変更に対応して、時には理不尽さに複雑な思いを抱えて、でも変わらず業務はこなして。心身の体調を崩すまでに、円形脱毛症ができるまでに仕事を頑張ったことだってあった。



そんな私が、「私なんか」??????


はて???????


でも私が無意識に「私なんか」と言ってしまったのは、間違いなく私の経験からくるもので。

女性比率が多い薬剤師業界だと、妊娠・出産・育児のために休みを取る社員が少なくない。てかむしろ他の業界より多い。もちろんこれは女性の権利だし、私自身その休みに対して当たり前の権利だと思っているから、薬局のことは気にせず是非是非休んでくださいなと思っていて。

だけれどもその気持ちとは裏腹に、実際問題薬局に取り残された私たちがなんの問題もなく仕事ができたかと言われればそうでもない。休んだ人の分の人員はどこから補充するのか。他店舗から異動してもらうのか、新しく採用するのか。新しく採用したとしても、産休育休から復帰されたらその人の居場所はどうなるのか。

想定していなかったシフト変更に、「他人の赤ちゃんのためになんで私が休みをかえなきゃいけないの、嫌だ。」と言う人もいる。

慣れない人が異動してきて、業務はてんやわんや。患者さんにクレームをもらうことだってある。

そんな中で入所できる保育園が見つからないということで育休延長申請。「話と違うじゃない、もとの店舗に帰れると思ったのに。」と言って辞めていく従業員。

保育園が決まって復帰したかと思ったら、「保育園から子供が熱を出したから迎えに来いとの連絡が来ました、帰らせてください。」。どうやら子供は恐ろしい頻度で熱を出すらしく、こんなことが多々ある。今帰られたらこの後の6時間くらいの業務はどうすればいいのか。これから帰ることを前提に前もってベースの人員を増やしておくべきなのか。残った人員でなんとかかんとかやり過ごすしかないのか。

「こんなんじゃ復帰してないのも一緒、むしろ正直扱いにくい。」そんな言葉が、シフト担当の社員から漏れ出てくる。

いくら会社が人員的に大変な時期であっても、産休育休は待ったなし。「こんな会社が大変な時に育休だなんて言う??」という常務に対し、「いやいや産休育休は従業員の当たり前の権利なんだからその人たちが休めるように社内の体制を整えておくことが会社のすべきことでは?」なんて言葉をグッと堪えてその常務のもとで仕事をする。

「会社と家族、どっちが大切なの?」なんていう訳のわからない質問に対して、「え、家族ですけど。」と当たり前の返答をする女性薬剤師。その人に対し風当たりが強くなる会社。




もう地獄っすよ。



いやもう本当地獄。
当たり前を当たり前のようにこなすってこんなにも難しいものかって。もう今の制度じゃ産休育休なんてものは人の良心なくして行使できないものになってますよマジで。少子化対策に3人目からどうのこうの言ってる場合じゃないよ。女性進出・母親の社会進出のために学び直しとか言ってる場合じゃないんよ。大規模な予算を使ってJリーグ子連れ客優先します!!!なんて言ってる場合じゃないんよ何を言ってんだオイコラぶちのめすぞ。(口が悪い落ち着け)


こんな感じで、私自身が7年社会人生活をする中で、現行の産休育休制度がどれほどまでに会社・従業員にネガティブな影響を与えるかを見てきたものだから。


多分私自身、「負い目を感じず産休育休取得してくださいね!!」って善人ぶりながら、実際は「迷惑」と思っていたことがあるんじゃないかと。自分自身に降りかかる不利益に嫌になったことがあったんじゃないかと。


迷惑と思わないよう、気づかないよう、精一杯の良心を持って仕事してきた中で、やっぱり皺寄せを感じていたわけで。



だから今私は、私自身を「私なんか」と言っているのだと思う。

会社に多大な迷惑をかけるであろう私なんかを受け入れてくださってありがとうございます。時給の希望なんてものはありません、精一杯働かせていただきます。



妊娠出産を希望したら、ここまで謙らないといけないものなのか。



日本社会が深刻な少子化問題に喘ぐ中、「子供!!!!!!!産みたいです!!!!!そのための金銭的な問題は整えました!!!!!パートナーもいます!!!!!!しっかり生み育てる環境があります!!!!!!!この環境を維持するためにこれからも働き続けたいです!!!!!働いて納税もして保険も払って年金も払います!!!!!!!!!!お願いします!!!!!!!!!!!」と威勢よく手を挙げる私は、


「私を雇ってくださいお願いします・・・・・・ご迷惑をおかけするかもしれませんがどうか・・・どうか・・・・・・え、内定ですか・・・・・・?ありがとうございます・・・・・・・ありがとうございます・・・・・・・」


とならなければいけない立場なのか。



矛盾だ・・・矛盾を感じる・・・・・・。



現状の日本社会からすると、子供を産み育てたいと考える私は決して迷惑な存在ではないはずなのに。「働く社会」を相手にするととてつもなく迷惑な存在になってしまう・・・なんだ・・・・・・・なんなのか・・・・・・。



産休育休は、国が制定した制度によって女性の権利として与えられている。だけど、その制度を支えているのは国ではない。



人々の良心である。



国は「妊婦・母親のために!!!」と制度を作って社会に丸投げ。その制度を行使するために試行錯誤する会社。試行錯誤に苦しむ会社にとって私たちは即戦力どころか迷惑な存在。




え、地獄か?????????




私は今社会に対して全力で頭を下げたい気分である。

ありがとう。ごめんなさい。ありがとう。ごめんなさいと。




でも、どうしても働かせて欲しいのである。


いやもちろんね、もちろんですよ。私がこれからね、1年以内に子供を授かったとするじゃないですか。それから子供が1歳になるまでの、まぁざっと2年くらい?

2年くらいは私が働かなくとも生活・子育てをしていける資金はあるのですよ私たち夫婦。もしも万が一とんでもないトラブルが起こって金銭面に問題が起きても、私たち夫婦の両親・義両親の関係性だと絶対手を差し伸べてくれるの。セーフティーネットがあるわけ。
夫の収入と私たちの貯金、そして万が一の時のセーフティネットのことを考えると、社会に迷惑をかけることなく、子供に過度に寂しい思いをさせることなく、社会的に問題になるような子育て状況にはならず生きていけるはずなのよ。


だけどもよ、だけども。





貯金しないとじゃん。



今さ、もう年金問題とか色々とあるじゃん。物価の上昇もハンパないじゃん。年金なんてあてにできないじゃん。もうどんどん生きにくくなってるじゃん日本。


将来子供を授かりたいのであれば、その子供の未来のために私たち夫婦は経済的に自立が必須じゃん。


働けるうちに働いて、貯金して、投資して、年金払って、保険料払って。


そうして私たちが自立するという当たり前のことが、未来の子供に対する私たちが今できることじゃない。年金・保険制度を守り抜くためにできることじゃない。これも一種の子育てだと私は思うわけ。


子供のために、社会のために、今できることを考えたら働くことなのよ。働かせて欲しいのよ。



産みたい、働きたい。



今この2つを叶えるためには、いろんな人の良心が必要。


良心に頼るような制度であることにイライラやモヤモヤしたりもするし、私自身がこれから出会う誰かのために良心を持った人間でありたいと思う。


はぁ、生きづらいなぁ。



まにょ。




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