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2022年6月12日 22:04
男は死体が好きだった。それはとても猟奇的な趣味であるが、彼には関係が無かった。だが、好きだからと言って殺めたことは無かった。人間も、その他の動物も。とにかくそれらは彼の対象では無かった。生きていたから。晴れた日、とある家族が山へキャンプに出かけた。テントを張り、バーベキューをして、マシュマロを焼いて、最大限楽しんでいた。一人娘はとても幸せだった。いつにも増して両親が笑っていたか
2022年4月26日 18:10
あー、まただ。また来た、この感覚。何不自由なく暮らしてるくせに、誰かの笑顔に嫉妬するような。誰かの努力を潰したいと衝動的に思う、そんな感じの、もやもやとした気持ち。よそはよそ、うちはうち。そんなのは分かってるはずなのに。あーあ。こんな後悔、つまんねぇな。「あれ?!浜たんじゃん!!」後ろから勢いよく声をかけられる。「え!彩葉!」とある私立高校の玄関、帰ろうとしていたら友人に会
2022年3月23日 13:20
何か書きたい。そう思うようになったのはいつからだろうか。ペンを紙の上で思いのままに走らせる喜びを。過去に綴った妄想の全てを思い返す幸せを。始めて知ったのはいつだっただろうか。引きこもる6畳半。部屋の外から線香の香りが漂う。母さんが死んだらしい。知らされたのは亡くなって2日後の夜中だった。祖母が珍しく部屋のドアを叩いて、ドアと床の隙間から便箋を滑り込ませてきた。封を開いて手紙を
2022年3月22日 08:58
先日投稿した「後味」について。作中のセリフの最初に「お前たちを」というフレーズを追加してみてください。それが僕の真意です。
2022年3月20日 08:33
「うわ、相田じゃん。」学校の屋上、昼時。お弁当を広げる女子や、ただ笑い合う男子。そんな中に混ざれずに、今日も日陰に座った僕の耳に聞こえてきた言葉。こういうのは、ざらついている。ざらざらしていて、耳障りな不愉快な言葉。わざと聞こえるように言っているのが伝わる。くだらないと笑えたら良かったが、僕にはそんな力はない。我慢して、我慢して、我慢して。抑えて、抑えて、抑えて。ただ1人、。