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誘拐犯

誘拐犯

男は死体が好きだった。
それはとても猟奇的な趣味であるが、彼には関係が無かった。
だが、好きだからと言って殺めたことは無かった。
人間も、その他の動物も。
とにかくそれらは彼の対象では無かった。
生きていたから。

晴れた日、とある家族が山へキャンプに出かけた。
テントを張り、バーベキューをして、マシュマロを焼いて、最大限楽しんでいた。
一人娘はとても幸せだった。
いつにも増して両親が笑っていたか

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たまに来るあれ

たまに来るあれ

あー、まただ。
また来た、この感覚。
何不自由なく暮らしてるくせに、誰かの笑顔に嫉妬するような。
誰かの努力を潰したいと衝動的に思う、そんな感じの、もやもやとした気持ち。
よそはよそ、うちはうち。
そんなのは分かってるはずなのに。
あーあ。
こんな後悔、つまんねぇな。

「あれ?!浜たんじゃん!!」
後ろから勢いよく声をかけられる。
「え!彩葉!」
とある私立高校の玄関、帰ろうとしていたら友人に会

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あなたは僕の家族じゃなかった。

あなたは僕の家族じゃなかった。

何か書きたい。
そう思うようになったのはいつからだろうか。
ペンを紙の上で思いのままに走らせる喜びを。
過去に綴った妄想の全てを思い返す幸せを。
始めて知ったのはいつだっただろうか。

引きこもる6畳半。
部屋の外から線香の香りが漂う。
母さんが死んだらしい。
知らされたのは亡くなって2日後の夜中だった。
祖母が珍しく部屋のドアを叩いて、ドアと床の隙間から便箋を滑り込ませてきた。
封を開いて手紙を

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先日投稿した「後味」について。
作中のセリフの最初に「お前たちを」というフレーズを追加してみてください。
それが僕の真意です。

後味

後味

「うわ、相田じゃん。」
学校の屋上、昼時。
お弁当を広げる女子や、ただ笑い合う男子。
そんな中に混ざれずに、今日も日陰に座った僕の耳に聞こえてきた言葉。
こういうのは、ざらついている。
ざらざらしていて、耳障りな不愉快な言葉。
わざと聞こえるように言っているのが伝わる。
くだらないと笑えたら良かったが、僕にはそんな力はない。
我慢して、我慢して、我慢して。
抑えて、抑えて、抑えて。
ただ1人、。

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