部屋 第4話
部屋を改めてじっくりと見た。
白い壁紙には全く切れ目がない。
部屋の角も直角ではなく、曲線になっている。
この部屋には角がない。
四角い部屋ではあるが、つなぎ目の部分は緩やかに曲がっている。
こんな部屋見たことが無い。
曲線に沿って、手を這わせてみるが、ただ壁が続いているだけだ。
叩いても乾いたコンクリートの音が鳴るだけだ。
「なんだよこれ!」
おれはわけも分からず叫んだ。
でも何も起きなかった。
おれは白い壁に肩を先頭にしてタックルした。
肩を強打し、床に倒れた。強烈な痛みが走る。
壁を見ても何も変化は無かった。
中心に置かれているベッドを見た。
このベッドだけが、唯一のおれの持ち物である。
ニトリで購入した木製のシングルベッドだ。
このベッドを解体して、壁を壊せないか?
脳裏にふと浮かんだ。
「少し休憩しよう」
ベッドで横になると、おれはいつのまにか眠っていた。
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