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小説_『寒い』

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目覚ましが鳴る。

一度止めて寝た。

5分後のスヌーズがおれを呼び覚ました。

寝室を出て、リビングのテレビを付ける。

もうテレビを見るのは朝だけになった。

貴重な時間だ。

とはいえ、二度寝の影響で出かける時間が迫っている。

歯磨きをしながらテレビを見る。

「今週から冷え込む見込みです」

そんなことはわかっている。 
朝の寒さがそれを教えてくれている。

歯磨きを終え、髪をセットした。

スーツに着替え、テレビを消す。

家を出る。

家から駅まで10分の距離を歩きながらニュースアプリを起動し最新の情報を収集する。

外は寒い。手が乾燥している。
そういえばハンドクリームを買っていなかったな。

駅に到着しすぐに電車がきた。

満員電車に乗り込んだ。
他人との密着した空間に不快感を覚える。
そしてこの空きの無い空間は熱気を帯びている。

身体が熱い。
10分歩いて身体が温まったところにこれだ。
おれは汗をかいた。

あと何十年これを繰り返せばいいのか。

電車を出て会社に向かう。

汗ばんだ身体に外の冷気が押し寄せる。

本当に寒い。

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